ringoのつぶやき

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欧州危機が簡単には終わらない理由(森田コラム)

2012年01月30日 18時22分42秒 | ケンミレコラム

1月27日(ブルームバーグ):ドイツは第2次ギリシャ支援の条件として、ギリシャの税制や歳出に関する決定に拒否権を持つ新たな欧州連合(EU)予算委員を設置したい意向だ。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が入手したドイツ案のコピーを引用して伝えた。 同紙によると、新委員はユーロ圏の財務相らによって任命されるという。



このニュースは、ドイツがギリシャをまったく信用していないことを示しますが、裏返しますと、ギリシャの財政再建が進んでいないことになります。そして、財政再建は既得権益との戦いであり、既得権益を持っている人間は「総論賛成・各論反対」ですから財政再建はなかなかうまくいきません。


県単位や市単位であれば「ほぼ全体が見えますので、知事や市長が独断で行えます」が、国は大きすぎて全部が見えず、改革を行いたいという県知事・市長が何十人もいなければ「目が届かない」ので、既得権益者にごまかされてしまいますから成功しません。


日本で成功したのは「土光さんと中曽根首相」のタッグに、国民と多くの議員や官僚が賛同したからだと思います。しかし、現在は経済状況が悪すぎて余裕がないので、賛同者を集めるのは大変かもしれません。


これは欧州のほかの国にもいえますから、日本も米国も同じであります。つまり、資本主義経済で膨れ上がった財政を「身の丈」に戻すためには「破綻」が必要になるので、欧州も米国も日本も破綻を経なければ、何もないのではないかと思っています。


欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、金融取引税の導入に向けて動く模様です。


欧州委員会のシェメタ委員は27日「納税者には金融セクターに対して国家財政への公正な貢献を求める正当な権限がある」と述べた。同委によりますと、域内全体での金融取引税導入を提案しており、これにより年間570億ユーロ(約5兆7800億円)の税収が生まれ、長期的には国内総生産(GDP)を0.5%押し上げるとしています。


これに「金融立国の英国が反対していますが、これは国家内の既得権益から国家間の既得権益に拡大した例といえます。また、富が一部に集中しているいびつな形を直す一つの手段にもなりますので、国民の賛成が得られやすいとも思われます。


問題は金融取引税のプラス面(GDPを0.5%押し上げる)は出ていますが、マイナス面が報道されていないことであり、このマイナス面が英国から出てきて、初めて本格的な論争になると思います。いまの英国は「狂気の沙汰」と感情的になっています。


ある大学教授は「将来の日本は、失業率90%、富は1%が握る」といっています。何もしなければ富が1%の人間に集中する時代が来ると思います。将来のケンミレソフトは「富の独占を防ぐことができる」ようになると思っています。


今、生まれつつある「欧州危機は峠を越しつつある」という認識が広がれば広がるほどリスクが高くなります。欧州危機は「デフォルト危機と財政危機のダブル危機」 であり、峠を越しつつあるのは「大関」のデフォルト危機であり、根本問題の「横綱」である「財政危機」は進展していません。財政危機がさらに深刻化しますと国債金利が上昇して、デフォルト危機が再燃するということも考えられます。


1月28日にギリシャは第2次支援では1450億ユーロが必要としており、2011年10月の合意の1300億ユーロを150億ユーロ上回っているとシュピーゲルが伝えた。理由は、ギリシャの経済状況が悪化したためであり、この差額は民間債権者の負担だけでは埋まらないとしている。


これは財政再建を進めれば進めるほど「景気が悪化して、税収が減少するので、イタチゴッコになる」ということです。これが欧州危機は終わらない、財政再建の本格化により再度デフォルト懸念が浮上するという根拠です。


レポート担当:ケンミレ株式情報 森田 謙一



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