金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

314:町田そのこ『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』

2022-12-15 13:07:12 | 22 本の感想
町田そのこ『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。
その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、
勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう
魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。
なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、
悩みを抱えた人がやってくるのだから…。
コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
6編の連作短編集。
 
****************************************
 
わたし、モテモテのイケメンにあんまり興味がないみたい……。
 
たぶん、この店長が本作の魅力のひとつであろう、というのはわかるんだけど、
彼のモテっぷりを描いたプロローグと最後の話、
自分が無表情で読んでいるのに気づいた。
あまりにも漫画的だから白けてるのかな……?
自分の心理がよくわからないけど、
このキャラ設定が好きじゃないのは確か。
 
そんなわけで序盤は「読み切れるかな?」と心配になっていたのだけど、
第3話からぐっとおもしろくなって、中盤の第3~5話はかなり好き。
 
チェーン展開していて独自色の少ないコンビニを舞台に
どうやって「お店もの」を展開するのかな? と興味があったんだけど、
生活に密着したコンビニだからこそのオリジナル設定があり、
それが生きていた。
 

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312-313:小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉・〈2〉』

2022-12-13 23:22:31 | 22 本の感想
小玉ユキ『青の花 器の森〈1〉・〈2〉』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
長崎・波佐見を舞台に始まる、器と恋の物語

波佐見焼きの窯で絵付けの仕事をしている青子。
その窯に、海外で作陶していたという龍生がやってきた。
無愛想で人を寄せ付けない龍生に「絵付けされた器に興味ない」と言われ、
自分の生き方まで否定された気持ちの青子だが、
反発しながらも龍生の器に惹かれていき…?
器に魅せられた男女が出会ったことで、大人の恋が動き出す--!
 
****************************************
 
わかっています。
作劇の問題として、ツンデレは最初にマイナス面が強く出たほど、
デレの効果大で盛り上がる……って。
 
でも、大人だし社会人なんだから、
「付き合いが始まったばかりの相手を不快にするような態度は避ける」
という最低限の礼儀は守ってほしいよ……。
どんなつらい過去があろうが、全くの他人に対してそれは免罪符にならんのやで……
 
とヒロインの相手役であろう男に不満が募るのだが、
器の魅力は十分堪能できた。
 

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310-311:鎌谷悠希『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録 〈1〉・〈2〉』

2022-12-13 23:15:02 | 22 本の感想
鎌谷悠希『ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録 〈1〉・〈2〉』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
時は鎌倉時代。
半身を失いし、少年仏師・想。
彼には、神仏を喚び、ともに闘う“力”があった――。
東大寺を突如襲う異変を前に、想は己に眠る“力”の解放を迫られる…。
時代が、仏師たちが、仏像たちが、いま動き出す!!
「隠の王」の鎌谷悠希が放つ、かつてないスペクタクル仏像絵巻。
第一巻いよいよお目見え!
 
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仏師が仏像でバトルする、なかなか斬新な、
かなり人を選びそうな歴史ファンタジー。
奥州が頼朝の支配下におかれた直後から物語は始まる。
頼朝や運慶、教経といった実在の人物も登場するし、
仏像についても作者さんがきちんと勉強されたのがわかる描き方で、
好きな人は好きなはず。
 
明星菩薩と主人公だけでなく、他の登場人物についても
セリフが誰のものかがわかりくいところがいくつかあって、
特にまだそのキャラが登場したばかりの時期は
すんなり情報処理できない……という欠点もあるんだけど、
絵はきれいだし、作者さん独自の世界観や絵柄が
確立されているという安心感がある。
 

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯47

2022-12-11 22:39:36 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第47話「ある朝敵、ある演説
 
闇落ちしていた実衣ちゃんが元に戻って、
本当に良かったよ。
ようやく北条ファミリーにもギャグパートが戻ってきたし、
小四郎へのツッコミも冴え渡っていた。
 
源頼茂についてはなぜああなったのかがよくわかっておらず、
「将軍の座を望んだので後鳥羽院に討たれた」
という一部の文書にある説明も不自然で、
「倒幕計画を知ったから消されたのではないか」
と言われてるけど、ドラマでは前者の説を取ったのね。
しかし、頼茂の立ち位置についてほとんど説明がなかったので、
「将軍をめぐる争いで内裏が燃えた→鎌倉め~!!」
というドラマの流れが、
鎌倉「そんなもん、知らんがな」
としか言いようのないものになっていた……。
 
妹を救うために尼将軍になった政子、
今度は弟を救うのだね。
徹底して「情の人」として描かれていた政子、
情に訴えかけることで御家人たちを動かそうとした。
でも、
政子「上皇様につきたい人はそうして。止めません」
泰時「そんなやつ、いないよな!?」
はずるいと思った。
意志は尊重すると言いつつ、実質的には選択肢を潰している。
 
小四郎の、のえや伊賀一族に対する態度の悪さは何なの……。
のえの兄の伊賀光季、上皇方につくことを拒んで殺されたのだから
(大江の息子は、やむなくだろうが上皇方についちゃったよ!)、
せめてその死を悼むくらいはしてほしいよ。
のえは良い妻じゃないのだろうが、
ここ数回、態度が悪すぎるうえ、今回のは人としてあまりにもひどい。
自分の首を差し出して事をおさめようとする謙虚さは見せていたものの、
子まで成して、家を切り回してる妻に、
そのことをまったく告げないのもダメだよ……。
 
【その他いろいろ】
 
・実衣「私を殺そうとしたでしょ。首を刎ねろと言ったでしょ」
 小四郎「言ってない」
 時房「(小四郎が去って即刻)言ってました」
 
・兄の追討を命じる院宣を記念にほしいという時房、
 やっぱりメンタルの強さが異常。
 しかも自分の愛嬌の豊かさを自覚していた!
 
・初に酒壺を取り上げられた泰時が、
 初が見ていないのを確かめてから酒を飲んでたの、可愛かった。
 
・泰時「だから父上は人に好かれない」
 面と向かって子どもに言われたら、泣いちゃうよ!!!
 心をえぐりすぎるセリフ……
 
・上皇様に従うべき、というスタンスだった泰時、
 父の命を奪われるとなったら、
 あっさり「反撃しよう」になるんだな……。
 融通が利かないわけではない……と思ったけど、
 単に身内に甘いだけかもしれない。
 前回、実衣に対する取り調べの席でも、
 「公正に判断して、皆が納得する落としどころにもっていく」
 のではなく、「私にはわかりかねます」だったし。
 
・平六は、裏切ろうとして、でも結局、状況を見て動くものだから
 裏切れなくなっちゃうんだな~。
 
・実衣「大きすぎる望みは命取りになりますよ」
 実感がこもりすぎたセリフ。
 
・ここへきて存在感を増してきた長沼のおじさん。
 平六「実は院宣が届きました」
 →「さすが忠義者!」
 長沼「自分のところにも来ました」
 →「なぜもっと早く言わない!」
 ここへきてもギャグパートを入れてくる余裕よ。
 
・のえ「薄気味悪い親子なんです!!」
 やけに小四郎ー泰時の父子関係に対する解像度が高く、
 この関係性を熱弁するのえさん、
 実はときめいていませんか? 
 
・泰時に対する愛だけが異常に重い小四郎。
 自分が長年片想い&ストーカーしていた八重さんの子だし、
 一時的にシングルファーザーとして自ら育ててたから
 思い入れが強いのだろうが、
 比奈ちゃんは実家を裏切ってまで小四郎に尽くしていたから、
 朝時(と重時)も大事にしてほしいよ。
 でも今日はまだマシか。
 
・このドラマの御家人たち、すきあらば頼朝に謀反起こそうとするし、
 頼朝が死んでも悼まないし、
「承久の乱、どうするの!?
 『頼朝のご恩』で御家人たちにハッパかけるのに」
 と思ってたが、演説に「頼朝のご恩」が存在しなかった!
 だよね、このドラマの御家人たち、ご恩感じてないもん!!
 
コメント (2)
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309:高橋克彦『時宗 巻の四 戦星』

2022-12-10 18:41:49 | 22 本の感想
高橋克彦『時宗 巻の四 戦星』
 
【Amazonの内容紹介】
 
蒙古軍襲来! 圧倒的迫力で描く完結編!
ついに蒙古が来襲した。
対馬沖に現れた3万数千人の大船団。
国の命運を賭け、執権・時宗は父・時頼の遺した途方もない秘策に出た。
兄・時輔らが率いる九州武士団を軸に、日本軍は蒙古軍と激闘を重ねていく。
誰のため国を守るのか。
国とはなにか。
歴史の転換期を生きた男たちを圧倒的迫力で描く怒涛の完結編! 
 
****************************************
 
精神的に、人が死ぬ話を読める状態ではなかったので、
ところどころ飛ばし読みした。
よって、今回は★はなし。
 
ついに蒙古襲来。
時輔を生き延びさせたのは、もう一人の主人公として
彼の視点で元との戦いを描くためだったとわかる。
時宗は鎌倉から動かないから、やむを得ないよね。
1・2巻は時頼、4巻は時輔が中心なので、
タイトルに偽りあり、という感もあるけれども、
ぜもやっぱり主役は時宗だよな~。
 
元寇について、教科書では
「二回襲ってきたが、台風で元軍がめちゃくちゃになった」
くらいの扱いだったと思うが、対馬をはじめ、
九州地方ではかなりの被害が出ているんだよね。
「女は手に穴をあけられて、数珠つなぎにされて連行された」
って話、何度目にしてもぞっとする……。
 
時宗はずっと鎌倉にいたから、自ら戦いもせず、
家族を失ってもいないのだけども、
まだまだ若いのに、実質的なトップとして
未曾有の国難に対処しなければならなかったのだから、
ストレスの相当なものだったよね……と早死にには納得。
 
『アンゴルモア』の続きが、読みたくなってきた。
 
『炎立つ』ファンとしては、たびたび安倍氏が絡んでくるのは
嬉しいけれど、この時代にはもう、その存在というか血筋は
そこまで重く見られてなかったんじゃないかな?
 

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308:高橋克彦『時宗 巻の参 震星』

2022-12-10 18:24:40 | 22 本の感想
高橋克彦『時宗 巻の参 震星』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
幕府の重鎮・北条時頼が世を去り、
不気味な長い尾を引く彗星が空を流れた。
一族内の暗闘、将軍との対立。
重なる試練が若き時宗を襲う。
一方、海を越え届けられた1通の国書。
すでに高麗を手中にしたクビライの狙いはこの国に定まった。
いかに国をまとめ、大蒙古軍を迎え撃つか。
あとのない戦いがはじまる。
 
****************************************
 
ようやく系図がついた!!
 
厚さが気にならないくらい面白いんだけども、
面白いと思うのは、この作品に描かれた部分の
前の時代を知っているからというのもあるかもしれない。
政村が老齢にして執権になるあたりも、
義時死後のいざこざを知っているからこそ
「胸が熱い!」になるのだし、
政村の重時に対する対抗意識も、
敵対勢力と接近しがちな名越流の動きも、
さもありなんと思える。
 
以前本で読んだ宗尊親王の更迭のくだり、
 
「親王の御台所の近衛宰子(時頼の養女)が僧と密通
→宗尊親王が更迭される」
 
の流れが「なんでそうなる???」だったのだけども、
この作品では納得のいく流れがつけられていてよかった。
 
時輔は表向きは死んだことになっているが、
実は生きていたという設定。
わざわざこうした理由は、四巻でわかった。
 
 

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」♯46

2022-12-04 22:32:27 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第46話「将軍になった女
 
むむむ。
トピックとしては地味な回ではあるんだけども、
 
・もはや独裁者となった小四郎の暴走
・実衣の権力欲
・自分では決して手を汚さず、甘いことばかり言う政子
 
というこれまでに描かれてきたものが、
一気に「尼将軍誕生」につながったの、すごいな。
前回、「自分を非難するばかりで何もしなかった」と
小四郎に責められた政子だけども、
手を汚さず、徳の高い存在として保たれていたことで、
「主君」になり得たのだし、
結果として弟を止め、妹を救った。
 
実衣の企てが失敗することは、
史実を知らなくても明らかな描かれ方だったけれど、
時元が「宣旨をもらえるぞ!」って喜んでた、
その次の場面で即刻ナレ死してたのは哀れ。
実衣ちゃん、時元のこと駒としか扱っていなくて、
時元自身も不満を抱いていたから、
自分のせいで息子が死んだことを
実衣が申し訳ないと思っていたことにはホッとしたよ。
「姉上のせい!」と政子を責めたのは完全な八つ当たりだけど
(本人が向いてないのに権力を求めすぎてたせいだし)、
政子と頼朝の結婚で人生が狂ったのは確か。
自業自得の面も多分にあるが、
夫も息子二人も、養君の実朝も奪われてしまった。
 
平六に相談した企てはことごとく失敗するので、
二階堂どのが平六を味方につけると言い出したときには
「やめときなよ~!!」ってハラハラしちゃった。
(でも平六が政村の烏帽子親だってこと、
 ちゃんと示してくれてよかった)
 
小四郎がのえさんのこと邪険にするの、
ほんと見ていたくない。
泰時を追い落とそうとするわ、
八重さんと比奈ちゃんを「敵の娘」と言うわで、
のえさんは小四郎の地雷を踏みまくってるが、
現・正室としては当然の主張だよ。
出てこないから、そこのところには触れられないけど、
伊賀一族のこと考えたら、本当は小四郎だって
あんな態度は取れないはず。
尺の問題だろうけど、のえにころっとだまされてた小四郎が
どうしてこうなったのか、描かれないのでもやもや。
泰時本人の語り(史実)に反して、
小四郎が泰時だけを愛してるふうに描かれるのは面白いと思うけど、
朝時や政村が可哀想なんだよな~。
 
「私の考えが鎌倉の考えだ」
と言い切っちゃう小四郎、
さすがに大江どのと時房も「こいつやばい」って態度だったな。
承久の乱はもちろんのこと、伊賀氏の変の種まきまでしてるけど、
あと二回で本当に終わるの!?
なんなら、もう一年やってくれても構わないよ!
 
【その他いろいろ】
 
・後鳥羽院・慈円・兼子の朝廷トリオ、
 仲良くキャッキャしていてよかったのに、
 藤原秀康が出てきて「慈円僧正、調子乗ってる」。
 来週、慈円は遠ざけられてしまいそう……。
 (慈円は承久の乱に反対してたし、実際、
 このころには院とは距離ができていた様子)
 
・しかし秀康、摂関家出身の僧正様にえらいこと言うな~。
 強キャラ感ばりばりで登場したのに、なんでああなった。
 
・実衣に対する処罰については、
 政子は甘過ぎだし、小四郎はやりすぎだし、
 折衷案はないんか?
 (耳たぶ切るだけにして!という時房がいちばんまとも)
 時政が追放だったのに、実衣が斬首はおかしいよ……。
 ドラマの都合だってわかってても。
 
・実朝&千世の夫婦が退場しちゃったので、
 癒やしは泰時&初しかいないよ……。
 たぶん、初ってそこまで泰時ラブじゃないんだけど、
 幼なじみの信頼感はあるし、
 結婚したからには妻として夫を支えようって気持ちが
 強い感じ。
 最終回まで離縁せずに終わりそう。
 平六と初、同じシーンにいたことはあるが絡みがないし、
 三浦への謀反の疑いも夫婦生活に影を落としている様子が
 まったくなく、
 あんまり「三浦の娘」という感じがしない。
 
・政村くん、イケメンだ!!
 
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307:山内マリコ『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』

2022-12-02 20:54:28 | 22 本の感想
山内マリコ『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
1970年代、シンガーソングライターとして
十代でデビューを飾った荒井由実。
のちに日本最大の女性ポップスター、
松任谷由実=ユーミンとなる煌めく才能は
いかにして世に出たか――。
八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、
清元を学び、ミッション系の私立女子校に入学。
グループ・サウンズが一世を風靡するなか、
由実は高度経済成長期の東京を、
好奇心いっぱいに回遊しはじめる。
米軍基地、ジャズ喫茶、ミュージカル『ヘアー』、
伝説のレストラン キャンティetc.……
次々に新しい扉を開けて、才能を開花させていく。
少女・荒井由実のデビューまでの軌跡を
ノンフィクション・ノベルとして描き出す。
名曲「ひこうき雲」が生まれるまでーー
 
****************************************
 
先輩から借りた本。
「昭和が懐かしい」と言って貸してもらったのだけど、
わたしは昭和は最後の10年しか体験しておらず、
しかも子どもだったので、
本当にちゃんと記憶があるの、5年分くらい。
ここに描かれた音楽シーンも、
もはやそのかすかな残滓しか感じ取れなかった世代なんだよね。
沢田研二も、ムッシュかまやつも、全盛期を知らないものだから、
「なんでこのおじさんたちが
 大人たちにキャーキャー言われてるんだろう……」
とずーっと思ってた!
 
自分が生まれる前の日本、日本の音楽シーンってこんなふうだったのだなあ。
ユーミンはものごころついたときから普通にいたので、
意識したことがなかったのだけども、
彼女の何が画期的だったのか、これを読んで初めてわかった。
 
小説としておもしろいかといったら疑問で、
「このエピソード、いる??」
と思うことがいっぱいなのだけども、
ユーミンファンはもちろん、この時代の音楽を愛していた人たちは
楽しめるんじゃないかな。
 
作者の山内マリコさん、わたしとほぼ同世代なのだな。
 

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