高橋克彦『時宗 巻の参 震星』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
幕府の重鎮・北条時頼が世を去り、
不気味な長い尾を引く彗星が空を流れた。
一族内の暗闘、将軍との対立。
重なる試練が若き時宗を襲う。
一方、海を越え届けられた1通の国書。
すでに高麗を手中にしたクビライの狙いはこの国に定まった。
いかに国をまとめ、大蒙古軍を迎え撃つか。
あとのない戦いがはじまる。
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ようやく系図がついた!!
厚さが気にならないくらい面白いんだけども、
面白いと思うのは、この作品に描かれた部分の
前の時代を知っているからというのもあるかもしれない。
政村が老齢にして執権になるあたりも、
義時死後のいざこざを知っているからこそ
「胸が熱い!」になるのだし、
政村の重時に対する対抗意識も、
敵対勢力と接近しがちな名越流の動きも、
さもありなんと思える。
以前本で読んだ宗尊親王の更迭のくだり、
「親王の御台所の近衛宰子(時頼の養女)が僧と密通
→宗尊親王が更迭される」
の流れが「なんでそうなる???」だったのだけども、
この作品では納得のいく流れがつけられていてよかった。
時輔は表向きは死んだことになっているが、
実は生きていたという設定。
わざわざこうした理由は、四巻でわかった。
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