金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
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大河ドラマ「おんな城主直虎」#19

2017-05-14 20:14:49 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#19

コメディ回。
面白かったよ。

今川からの目付・近藤から「井伊の者が領地の木を盗んだ」と
疑いをかけられた直虎、
「そんなやついない! いいがかりだ!」
と反射的に言い返したんだけど、ダメだよね。
「調べる」くらい言わなきゃ。
前回の頭の冴えはどこへやら、
今日の直虎はコメディ仕様で子供っぽさ爆発。
でも可愛い。

犯人の「旅の者」=柳楽に恩義を感じる直虎は、
かたくなに打ち首にすることを拒む。
「但馬も打ち首にしろって言うよ」
という予告どおりに政次が「打ち首に」と言い、
にっこりしてる中野が可愛い。
政次の返答をだしに「但馬の反対にする」と言い出す直虎に、
うんざりしてる政次の顔に笑ったわ。
そして相変わらず、政次にびびりまくってる六左。

序盤のつまらなさって、親世代のキャラの薄さも原因だったと思うんだけど、
このところ、しっかりキャラ立てにきていて、いいよいいよー。
チームとしてのバランスも良し。
「上げてから落とす」はストーリー展開の定番なので、
この先どんな不幸が待っているのか心配になってしまうが……。

今回は、中野と弟のシーンもあり。
稽古をつけながら弟に嫌なこと言ったせいで、
政次との密談を直虎にチクられてしまうのであった。
中野、普段から弟にめちゃくちゃ反抗心抱かれていそう。

結局、殺させまいとひとりで暴れてる直虎に構わず、
柳楽は勝手に逃亡。
政次の
「自業自得にございましょう」
のセリフはまさにであった。

直親の隠し子登場で「次回に続く」。
しばらくはホームドラマなのかしら。
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60:まはら三桃 『三島由宇、当選確実!』

2017-05-13 19:28:22 | 17 本の感想
まはら三桃 『三島由宇、当選確実! (文学の扉)』(講談社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

三島由宇は若葉小学校児童会の副会長にして、五年二組の学級委員。
学校行事も、おうちのことも、何でもビシッとしきりたい。
お父さんが会おうともしないおじいちゃんは、じつは政治家で、
選挙運動を手伝う“特別な春休み”を過ごすことに…。
十八歳選挙権が実現したいま必読!
小学生から政治や選挙の仕組みが頭に入る物語。

**************************************************

先輩から借りた本。
この作家さんは、
「題材は面白いのに話がつまらなくて、もったいない」
という印象が強いのだけども、これまで読んだ著作の中では、
面白かったのではないだろうか(一回しか寝落ちしなかった)。
序盤からきちんと展開に山が作ってあったし。

児童会にかかわる小学5年生の女の子を主人公に設定することで、
身近な案件を題材にして、
「みんなの望みが一致することはない」
「考えるより実行することのほうが難しい」
という前振りをしておいてから、国政選挙へ舞台をシフトさせ、
子供にも作品世界に入っていきやすいようにしている。
大人の自分にも知らないことがたくさんあった。

「お母さんの死」と「祖父と父の確執」、
「選挙活動中の裏切り」という深堀りできそうな要素を
あっさり表面的なものにとどめている。
(特に裏切りは、かなりセンセーショナルな出来事だと思うのだが……)
これはほかの著作にも見られる傾向なので、
作者さんの癖なのかなあと思うけど。

タイトルが内容と結びついていないのだが、
続きがあるのかな?

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59:阿部泰郎 監修 『室町時代の少女革命 「新蔵人(しんくろうど)」絵巻の世界』

2017-05-12 16:44:24 | 17 本の感想
阿部泰郎 監修 『室町時代の少女革命: 『新蔵人(しんくろうど)』絵巻の世界』(笠間書院)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

少女は男となることを望んだ…!
男装して宮中にあがり、帝の愛をめぐって姉と争う少女の物語絵巻。
男性だけが成仏できるとされた時代、女性はどのように生きたのか―。
人物絵の隣に台詞が書かれた「室町時代のマンガ」とも言える、
ユニークな佳品。
マンガ的吹き出しつき現代語訳に加え、絵巻全体を写真で紹介。
本作品が持つ意義も多方面から、あますところなく伝えます。

**************************************************

ネットで見かけて手に取った本。
『新蔵人』という物語の存在自体を知らなかったので、
新鮮な気持ちで、非常に興味深く読めた。
一冊に「絵巻物の図版とあらすじ・古文・解説」がおさまっていて、
わかりやすく易しい内容になっているのも良い。

しかし、帯から予想したほど劇的な内容ではなかったな。
ヒロインにまったく好感が持てず、ツッコミどころ満載。
ヒロインの家族はなかなかにキャラが立っているのだが、
そのキャラクターを活かせておらず、素人目に見ても
物語としての出来はあまりよくないんじゃないかと思う。

〈主な登場人物〉

父&母:「親の言うことも聞かないだろうから、好きなように生きなさい」と
  なかなか先進的な考えを持ってそれを実行している。

長女:「出家したい! 出家したい! 頭丸めてすっきり!」

長男:帝の覚えめでたく、家柄不相応に取り立てられるが、
   結婚したとたん、嫁におぼれて出仕しなくなる。

次女:登場人物中、唯一の常識人に思える。妹に嫌な思いさせられても、
   最終的には親切だし。

三女:ヒロイン。男として生きたい! と言ってたくせに、
   帝の子を産んだ姉に嫉妬したあげく、帝のお手がついて「してやったり」。
   帝に湿っぽく恨み言を言ったりして、サバサバを気取ったネチネチ女。

ヒロインの中途半端さは、ある意味リアルなのかもしれない。
思いあがった行動を取り続けたあげく、顰蹙を買い、
帝の愛も失って終わる。
ヒロイン補正がないあたりは好感が持てる。

解説を読むと、男の枠にも女の枠にもおさまることができないヒロインが、
中性的な存在である尼になるという展開の意味もわかり、楽しかった。


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58:やまぐちせいこ 『服を捨てると幸せが見つかる』

2017-05-12 13:23:04 | 17 本の感想
やまぐちせいこ 『服を捨てると幸せが見つかる 1日30分でも自分を変える"行動読書"』(SBクリエイティブ)
★★★☆☆

表紙からわかっていたのだが、
またもやボーダー……。

ということで著者の方とは服の好みが合わないし、
読み終わって三日たった今、「この本の特徴を」と問われても思いだせないほど
スタンダードな内容だった。
けれども、読んでいる途中、片づけのモチベーションが上がったので、
個人的には有益な本であった。
目新しいことが書いてなくてもやる気を起こす本と
そうでない本があるのは不思議。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#18

2017-05-07 20:45:21 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#18

政次が死ぬときになって、直虎がすべてを知り、

「政次、お前だったのか、井伊を守っていたのは……!」

って「ごんぎんつね」みたいな展開になるのかと思ってた。


意外や意外、和尚さんから渡された兵法書を読んで
政次の意図に自分で(!!)気づいた直虎。

はっきりとは言わず、けれども気づいた旨は伝えて、
ウェットにも、少女漫画な展開にもならず、
雄々しく共闘関係を結んだのが良かった。

必死に動揺を抑え込もうとしてる政次には
胸が苦しくなったわ……。
望んでいたことではなかったかもしれないけど、
とりあえず、私欲のためではなく井伊や直虎のためなのだと
直虎に理解してもらえたのは良かったね。

すっかり忠犬と化した中野が可愛すぎ。
あの、脊髄反射的に「とりあえずキレる」、
反抗期の高校生みたいな頃が懐かしいわ。

そして、なつさんは、何やらすっかり
恋する乙女みたいになっちゃってるんだが、いつの間に。
まあ、惚れるよね。普通に。
コメント (2)
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57:高橋秀実 『「弱くても勝てます」 開成高校野球部のセオリー』

2017-05-03 15:12:36 | 17 本の感想
高橋秀実 『「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー』(新潮文庫)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

甲子園も夢じゃない!?
平成17年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校の野球部が
甲子園大会東東京予選ベスト16に勝ち進んだ。
グラウンド練習は週一日、トンネルでも空振りでもかまわない、
勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。
監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら
生真面目に野球に取り組む選手たちの日々。
思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション!

**************************************************

もらった本。
ドラマ化されてたとは知らなかった。

「思わず爆笑」と言うほど笑えることはなかったけれども、
前半は興味深かった。
どうしても、日本における部活には友情・努力・勝利というジャンプ式の
要素が求められてしまうし、特に高校野球はある種のドリームというか、
ドラマチックな演出がなされることが多いのだけども、
部としても本としても、そこから距離を取って
わが道を行くスタンスを貫いているのが良い。

ノンフィクションなので、小説のように劇的な展開があるわけではなく、
後半はちょっと尻すぼみになっていったけれども、
野球や部活というものに興味のある人は面白く読めるんじゃないかな?

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映画:『午後8時の訪問者』

2017-05-02 08:23:15 | 映画の感想
映画:『午後8時の訪問者』(ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

若い医師ジェニー(アデル・エネル)が
診療時間を大幅に過ぎてから鳴らされたドアベルに応対しなかった翌日、
近所で身元不明の少女の遺体が発見される。
診療所の監視カメラにはその少女が助けを求める姿が映し出されていた。
自分が診療しなかったせいで少女が死んだのではないかという思いに
さいなまれるジェニーは、少女の生前の足取りを調べ始める。

****************************************

フランス映画。映画館にて。

診療時間外に鳴ったインターフォンに出なかったために、
助けを求めてやってきた女性が死んだことを知った女医が、
真相を突き止めるために動き出し、犯人にたどり着く……という話。
きちんと犯人は明かされるし、
「ああ、そういうばあの時……」と納得はできるのだが、
「そうだったのか!」という驚きもなく、
ちっとも爽快感のない終わり方だった。
ヒロインが被害者の女性の死に責任を感じるのはわかるのだが、
涙するほどのことか?と思うし、
研修医に執着する理由は本当に理解できなかった。
(そもそも、この研修医に関するエピソードは、
結構な割合で差し挟まれるのだが、
いったいどんな意味があったのだろう……)。
ストーリー上、重要なポジションにある一家については、
その身勝手さに腹が立ちっぱなし。
フランスの難民問題を織り込んで、
リアルを描こうとしているのはわかるのだが、
ストーリーとしては消化不良感が残る。
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