金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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211:坂口由美子 『堤中納言物語』

2020-09-29 23:38:51 | 20 本の感想
坂口由美子 『堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

気味の悪い虫を好む姫君を描く「虫めづる姫君」をはじめ、
今ではほとんど残っていない平安末期から鎌倉時代の
短編10編を収録した作品集。
姫君と間違えて祖母を盗んできてしまった男の失敗談や
浮気男が元の妻の許に戻る話などを収める。
「滑稽な話」「しみじみした話」「状況が面白い話」
「もどかしい話」「微笑ましい話」「あきれる話」と、
おもむきを変えながら、人生の一こまを鮮やかに描き、
その魅力と味わいを存分に楽しめる。

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これもビギナーズ・クラシックスシリーズ。
確か、最初に読んだのは高校生のときだったけれど、
記憶がわずかにしか残っていない。
「桜折る中将」はオチがきちんとついていて、
おもしろいと思った記憶がある。
いちばん好きなのは『貝合わせ』。
インパクトがないけれど、とっても可愛いお話だ。

有名な『虫めづる姫君』は、たいしたオチもつかないままだし
「二巻があるよ」と書きながら続きがない。
『ほどほどの懸想』など、解説を読んで初めて
意図しているところがわかる作品もあった。
『思はぬ方にとまりする少将』なんか、
「は?」って感じだったよ。
これは当時の男性視点なら面白いのかもしれないが、
読者が書き込んだとおぼしき部分にあるように、
女の立場にしたら嫌な気分しか残らない。

あと、原典の性質上、一部だけをピックアップして
コンパクトにまとめられないのはわかるんだけど、
【訳文】【原文】【寸評】のあと、なんの断りもなく
ダイジェストを挟んで短くまとめているのが好きじゃない。
ページ数の制約もあり全訳はできないのだろうが、
字体を変えるとかしてダイジェストだとわかるようにしてほしい。



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