金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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91:堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』

2007-07-20 00:02:00 | 07 本の感想
堀辰雄 『風立ちぬ・美しい村』(新潮文庫)
★★★☆☆

精神的危機に瀕し訪れた軽井沢での少女との出会いを
瑞々しい避暑地の風景とともに描く「美しい村」。
そして病に冒された婚約者に付き添い、死の影を意識しながら
二人で療養所に暮らした日々を描く「風立ちぬ」。
堀辰雄自身の、婚約者であった綾子との思い出をベースにした
二編を収録。

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ううう……

何が悲しいって、「風立ちぬ」の美しい愛に
まったくと言っていいほど感情移入ができず、
少しも心が動かなかったってこと。
なんだかおとぎ話のように現実味が感じられませんでした。
(寝不足なのもあって、読んでいる途中で寝てしまった……)
節子に対する、不純物を一切取り除いたような愛には反感すら抱いた。
堀辰雄がどうこうっていうより、わたしの精神が未成熟で
理解できないという感じ。

しかし「美しい村」は比較的好き。
一つ一つの言葉の喚起するイメージが圧倒的で、
避暑地の情景が目に浮かぶよう。

堀辰雄はどうも苦手みたいだなあ。
もう一冊『菜穂子・楡の家』も家にあるんだけど、どうしよう。


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