金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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185:柴崎友香 『フルタイムライフ』

2006-09-07 13:27:15 | 06 本の感想
柴崎友香『フルタイムライフ』(マガジンハウス)
★★★☆☆

大学を出て包装機器会社の事務職についた22歳の春子の
視点で、働く日常を描いた物語。
社内の出来事の描写が続き、話がどこへ向かっていくのかが
見えず、途中で放棄しかけてしまった。
いわゆる「会社勤め」をしたことがないので
興味深かったのだけど、結局中盤流し読みに。
でも、デザインの仕事をしたいと思いつつも
自分にその力が欠けているとあきらめつつ、
現在の仕事にのめりこむわけでもなく、
「必要なのは、なにかするべきことがあるときに、
 それをすることができる自分になることだと思う」
と現在を肯定する主人公に好感が持てた。
「夢」を追うことがカッコイイことだと言われがちだけど、
「したいこと」と「できること」とはちがう。
「夢」を免罪符にして働かず、周囲に迷惑をかける人を、
わたしは個人的に尊敬も肯定もできない。
(そういう人って、「まわりが理解してくれない!」って
 逆ギレしてる。なぜか)
本当に「できる」人は、働きながらだってできるし、
たとえ誰かに負担をかけていたって、それに感謝こそすれ
「助けてくれない」と恨み言を言ったりなんかしない気がする。
……なんだか本の感想じゃなくなってきたな……。
そんな「夢追い人」の日記を読んで
猛烈に腹を立てているところだったのです
だってもう大人なんだからさ~~。

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