金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

162:木地雅映子 『マイナークラブハウスへようこそ!』

2010-09-14 14:57:08 | 10 本の感想
木地雅映子『マイナークラブハウスへようこそ!―minor club house〈1〉』(ポプラ社)
★★★☆☆

桃李学園高等部の一角に存在する古ぼけた洋館は、
「マイナークラブハウス」と呼ばれ、部員5人未満のため
非公式な存在となっている文化部ばかりが集っている。
マイナークラブに関わる少年少女たちの日常を描いた
連作短編集。

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これも初めて読む作家さん。
ほかの作品を知らないのだけど、なんとなく、この人、
ライトでコミカルなものよりは、
シリアスで重い話のほうが得意なんじゃないのかしら?
ユーモラスな部分とシリアスな部分が、
なんだかちぐはぐな印象を受けた。
配分がうまくいっていない感じ。
でもおもしろかったので、次巻に期待大。
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161:イーユン・リー 『千年の祈り』

2010-09-14 14:32:33 | 10 本の感想
イーユン・リー『千年の祈り』(新潮社)
★★★☆☆

親友と婚約者に裏切られた過去を持つ、
ミス・カサブランカとよばれる独身の女教師。
反対を押し切って結婚したものの、
生まれた子どもが障害を持っていたことで
苦しむことになる、従兄妹同士の夫婦。
離婚した娘を案じて中国からやってきた父と、
その父をうとましく思い、かたくなになる娘。
中国に住む人々の人生を描く短編集。

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たまにはいつもと違ったものを読んでみようかと。

著者は北京生まれ・アメリカ在住の女性。
なんだかいろいろと賞をとっている作品のようです。
中国の社会の有り様や時代に翻弄される人々の
人生を描く十篇の短編を収録。
あきらめのような虚無感と、
大きなものを失いながらも生き抜いていこうとする強さを
感じる不思議な読後感。
とくに表題作がいい。

中国を舞台とする日本人作家による現代小説・歴史小説は
数あり、それはそれなりにおもしろいのだけど、
やはりバックボーンがそこにある人間が書いたものと
そうでない人間が書いたものは、全然ちがうんだなあ。
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