人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2020年 ホセ・クーラ、作曲家としてウィーンの音楽出版社ドブリンガーと契約

2020-11-23 | 指揮者・作曲家として 2020~

 

 

 

ホセ・クーラ、作曲家として、また新しいステップを踏み出しました。

クーラが作曲した作品やこれから作曲する作品を、オーストリアの老舗音楽出版社であるムジークハウス・ドブリンガー(ドブリンガー社・DoblingerMusikverlag)から出版(楽譜として販売)する契約を、この10月に結んだのだそうです。本格的にプロフェッショナルな作曲家として活動をすすめるうえで、発表の場を公式に得たということだと思います。

これまでもクーラが作曲した作品は、何回も演奏されてきましたが、それはクーラ自身が直接かかわった公演に限ってのことであり、他のアーティストや一般の音楽愛好家が気軽にクーラの曲の楽譜を入手して演奏できる環境はありませんでした。

しかしこれからは、クーラの作品がドブリンガー社の楽曲目録の中に加えられ、ウェブでも検索でき、楽譜を店頭で手にしたり、ネット通販で入手することも可能になるということです。

 

 


 

 

≪ドブリンガー社とのコラボレーションの開始ーークーラのFBより≫

 

 

 

伝説的なオーストリアの音楽出版社であるムジークハウス・ドブリンガーとのコラボレーションの開始を発表できることを、私は嬉しく、そして誇らしく思う。

このウィーンを拠点とする名門の出版社は、間もなく、作曲家としての私の作品を公開する予定であり、誰もが「この人を見よ ”Ecce Homo”」、「ネルーダのソネット ”Neruda Sonnets”」、または私のギター協奏曲「復活のための協奏曲 ”Concierto para un Resurgir”」(パンデミック封鎖中に書かれた)やその他の作品のスコアにアクセスできるようになる。

このような世界的な苦悩の瞬間にこの文化的な関係を築くことができたのは、本当に素晴らしいことであり、コロナ禍のトンネルの終わりに光が差している証拠であるだけでなく、歌手としてのキャリアのため長い間一時停止してきた、私の作曲家としての仕事を再開したことを確認するものでもある。

これは私が演奏をやめるという意味ではないから、心配しないでほしい。しかし、過去30年間で3000回近く演奏してきた後に、芸術的生活のバランスをとるうえで、これ以上良い方法を考えることはできない...。

私の「テ・デウム ”Te Deum”」と「復活のための協奏曲 ”Concierto para un resurgir”」のワールドプレミアは来年(2021年)に予定されており(コロナの感染状況が許すならば...)、同様に、「この人を見よ "EcceHomo"」と「もし私が死んだら "Simuero、sobrevíveme"(ネルーダのソネット)」の録音のリリースも予定されている。

また2022年には、1982年にアルゼンチンとイギリスとの間の南大西洋戦争(フォークランド紛争、マルビナス戦争とよばれる)から40年に合わせて、私の「アルゼンチンのレクイエム  "Requiem Argentino" 」が初演されrる予定だ。

これらの作品のスコアは、まもなくドブリンガー社の音楽出版カタログに追加されるだろう。

 ……

Peace & Love!

(ホセ・クーラ 公式FBより)

 

 

 


 

 

≪ドブリンガー社のサイトより≫

 

 

 

 

ドブリンガー社は、ウィーンで1817年に設立された音楽関連の会社を起源にもち、1876年から音楽出版社として活動している歴史ある出版社です。200年以上も音楽の都ウィーンを拠点に、大資本の下に組み込まれていない個人の出版社として自由な活動を展開し、現在でも14000の利用可能なタイトルを保持しているそうです。そして、クラシックから現代音楽まで、毎年、約100の新作を公開し続けているとのことです。

実際にクーラの曲が楽譜として出版され、店頭に並ぶ、またはネット販売される日が楽しみです。

 

 

 


 

 

FBの記事で、歌手としての演奏活動もやめるわけではないと、クーラが明言してくれたのでホッとしました。

本来ならば、この2020年11月に、バーリ歌劇場とのヴェルディ・アイーダで14年ぶりの来日を果たすはずでした。厳しいコロナ禍のもと、来日は中止が決定、さらに今年のスケジュールは、3月のハンブルクでのオテロ1公演以後、すべてキャンセルとなってしまいました。アーティストにとって非常に厳しい年となりましたが、クーラの作曲家としての活動が新しい展開を見せたというのは、本当に希望を感じさせる出来事です。

最後に、いくつか、クーラの作曲作品をご紹介します。すでにこのブログの記事でも何度かとりあげています。すでに録音予定もあるようですので、コロナ禍で困難な状況が続きますが、CDやデジタル販売でリリースされるのを期待して待ちたいと思います。

 

●オラトリオ「この人を見よ」より

Ecce Homo - Antiphona

 

男女2声ずつ、4人のソリストとオケによる曲だそうですが、ここに収録されているのは、女声2人によるとても美しい祈りの歌です。すでに録音もすんでいると聞いています。

 

 

●ネルーダ「ソネット」より、「私は死ぬと思った」

Pensé morir

 

クーラがチリのノーベル賞詩人ネルーダの詩「愛と死のソネット」に作曲した組曲からの1曲。とても美しく切ない、クーラの色気のある声が胸を打ちます。

 

 

 

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