人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(告知編)2020年 ホセ・クーラ、ハンブルクでオテロを歌う

2019-03-27 | ハンブルクのオテロ2020
※3/12 新型ウィルス感染対策ため、ドイツ政府が屋内1000人以上のイベント中止を勧告したことを受けて、ハンブルク歌劇場は、3/13以降の公演をキャンセルすると発表しました。不幸中の幸いというべきか、12日のクーラのオテロは、劇場休止前の最後の公演として実施されることになりました。2回めの15日はキャンセルとなります。

*3/9 デズデモーナは、ベテランのストヤノヴァから、アイリーン・ペレスに交代になったと告知されました。

まだホセ・クーラの公式カレンダーには掲載されていませんが、劇場の2019/20シーズン・プログラム発表で、クーラのオテロ出演が判明しました。
うれしいことに、ドイツのハンブルク歌劇場、来年2020年3月です。
現地在住の方に教えていただいて知ることができました。ありがとうございます!
このプロダクションの初演は2017年で、再演となる2019/20シーズンは、19年10月に4公演、20年3月に2公演が行われます。
クーラが出演する方の3月の2公演は、「イタリアオペラ週間」という位置づけのようです。
Director: Calixto Bieito
Set Designer: Susanne Gschwender
Costume Designer: Ingo Krügler
Lighting Designer: Michael Bauer
Dramaturgy: Ute Vollmar
Conductor: Paolo Carignani
Chor: Eberhard Friedrich
Otello: José Cura
Jago: Andrzej Dobber
Cassio: Dovlet Nurgeldiyev
Rodrigo: Peter Galliard
Lodovico: Tigran Martirossian
Montano: Ang Du
Desdemona: Krassimira Stoyanova Ailyn Perez
Emilia: Nadezhda Karyazina
Orchester: Philharmonisches Staatsorchester Hamburg
Chor: Chor der Hamburgischen Staatsoper
クーラの共演者は、デズデモーナがクラッシミラ・ストヤノヴァ、ブルガリア出身のベテランで、クーラとは、DVDにもなっているリセウや、METのオテロで共演しています。この記事のトップ画像は、2006年のリセウのオテロでのクーラとストヤノヴァです。
イアーゴは、これもベテランでポーランド出身のアンジェイ・ドッベル(アンドレイ・ドバーという表記もありました)です。クーラとは2010年にMETでヴェルディのスティッフェリオを一緒に歌っています。
指揮者のパオロ・カリニャーニ氏はイタリア出身、少し調べたら、クーラとは、ウィーンのトスカで共演した記録がありました。
秋の公演では、オテロがマルコ・ベルティ、イアーゴがマルコ・ヴラトーニャ、ダブル・マルコのイタリア人コンビです。クーラとベルティは、98年にスカラ座のマノンレスコーで共演、ベルティはクーラが演じるデ・グリューの友人役を歌っていました。またヴラトーニャとクーラは、オテロで何回か共演し、プッチーニのエドガールやトスカなどでも共演しています。それぞれベテランでメインを固めたキャストのようですね。
●ハンブルク歌劇場のシーズン発表
ハンブルク歌劇場が2月に発表した来シーズンのパンフレット
こちらはシーズンパンフレットより、オテロのプログラムのページ(パンフのPDFにリンクをはってあります)
●ハンブルクのオテロのプロダクション
2017年初演の比較的新しいこのプロダクション、舞台設定も現代のようで、出演者の服装や装置も現代的です。
オテロはダークスーツを着ているようです。主要キャストはパーティー帰りのようなドレスで、大量のシャンパンがありますが、群衆は粗末な服装、背景には巨大なクレーンや有刺鉄線なども見え、難民キャンプや強制収容所、または工場跡地のような印象があります。どんな演出、テーマなのでしょうか。
劇場サイトに掲載されている画像をいくつかお借りしました。画像や動画のオテロはベルティ、イアーゴはクラウディオ・スグーラ。
劇場サイトにアップされている紹介動画。オテロには動きが少ないような感じがしますが、これ以外に動画は見つからなかったので、実際のところはよくわかりません。
Staatsoper Hamburg - Otello
●ハンブルクとクーラ
ドイツ北部の港湾都市ハンブルクでクーラが初めて出演したのは、2000年のコンサートだったようです。
その翌年2001年にも歌と指揮のコンサートを行い、ハンブルク歌劇場でのオペラは、2003年でした。この時はとてもユニークな公演で、前半にクーラが指揮者として登場してカヴァレリア・ルスティカーナを振り、後半の道化師では、クーラがカニオを歌ったそうです。
そして2004年には、オテロで登場、バルバラ・フリットリと出演しています。
その次は、2016年の西部の娘でした。これは地元のオペラファンが絶賛する素晴らしい公演だったようです。
その時の動画、ジョンソンの「やがて来る自由の日」がアップされています。
 → この時の公演とクーラのインタビューを紹介したブログ記事
José Cura - La Fanciulla del West - Ch'ella mi creda libero
●ホセ・クーラとストヤノヴァ
クーラとストヤノヴァは何度も共演しているベテラン同士。特にオテロでは、前述したスペインのリセウ大劇場でのオテロがDVDになっているので、ご覧になられた方もいると思います。
2013年にクーラがニューヨークのMETでオテロに出演した時も、ストヤノヴァがデズデモーナでした。
何度も共演している2人ですから、2人の相性はばっちりでしょう。
リセウ大劇場の公式チャンネルから、オテロ第3幕の二重唱
OTELLO de Giuseppe Verdi (2005-06)
こちらは2013年METの公演から、第4幕、妻の殺害を決意したオテロ、ラストまでの緊迫の場面を。
Jose Cura , Krassimira Stoyanova "Chi è la?... Niun mi tema" Otello
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ホセ・クーラが一生を通じてそのキャラクターの真実とドラマを追求しつづけているのがオテロです。
円熟し、演技、存在感、解釈の深まりがどんなオテロを見せてくれるのでしょうか。
なんとか現地に行って鑑賞したいと、今から少しずつ準備をすすめてみたいと思っています。
来季からは、ハンガリーの放送文化協会と3年契約を結び、作曲、指揮、歌の新たな挑戦が始まるクーラ。とりわけクーラ自身が脚本から作曲まで手掛けた新作オペラも、来年1月にハンガリーで初演されることが決まっています。
ますます指揮者、作曲家、演出家としての活動の比重を高め、総合的なアーティストとしての充実期にあるクーラは、やむをえないことですが、オペラ出演の回数が大幅に減っています。あと何回、オテロを歌ってくれるのか・・。焦りさえ感じますが、可能なチャンスを生かしてクーラの生の舞台を見に行きたいものです。
多忙な活動のなかでしょうけれど、良いコンディションを維持してくれることを願っています。
ハンブルク歌劇場
コメント
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