数年振りに、藤岡奈穂子(なおこ)の名前を見かけた。
すでに、45歳にもなっていた。
この、日本時間、7月10日に、アメリカの地で、タイトルマッチを行なうとの記事。
DAZNで、有料中継配信される。
へえ~、まだ、喰えないのに、やっていたんだ。
前の試合は、下の写真にも出てくる、天海ツナミ戦。
結果は、引き分け、ドロー。
以降、試合は、やりたくても、出来ていない。
そして、今度は、
選手層が、とても薄いとはいえ、彼女がベルトを保持している、WBO 女子世界フライ級のタイトルマッチなのに、メインじゃないどころか、前座、扱い。
メインも、サブも、なんてこたあない、12回戦の、ノンタイトル試合。
相手も、右側のネーちゃん。
このような、イデタチ。
ンなエロい視線の、イロモノ扱い。男、視線。
メインは、背景にある、無名の両者。
そんな「低度」が、メキシコ並みに、アメリカも、同様
提供写真元の、主催者も、所属ジムも、許容。
計量のデタラメ、扱いのひどさが、思い知らされる。
ノックアウトで倒さなければ、ベルト、奪取される可能性が大きい。
ブーイングが、起ころうが、関係ない。
ファイトマネーも、また、せいぜい、もらえて20万円くらいか。
ジムの2人の会長、渡米して、セコンドに立たないかも。行かないかも?
ひどい性格。ひどい現実。
興味ある方、3本、お読み戴きたい
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<2015・10・13 掲載>
< 2016・10・9 再掲載記事>
あまりのひどさに、唖然(あぜん)とした。しばらく、声も出なかった・・・・・。
先日のこと。今月、試合を東京で行なう、2階級制覇女子プロボクシング世界チャンピオン・藤岡奈穂子(なおこ。写真下)を取材出来る・・・・・はず、だった。それが・・・・・・。
以下は、その顛末の、ルポルタージュだ。
今年9月、藤岡の産まれ故郷であった宮城県の旧・古川市(現・大崎市)を流れる渋井川が、豪雨により堤防が決壊し、広範囲にわたって莫大な被害が出た。
現・古川地区といえば、ああ、藤岡のふるさとだ!と、かつて書いた記事と記憶が甦り、彼女のブログに、実家の被害を案じるコメントを寄せ、ソコから検索してゆく中で、次戦が正式決定しており、試合が間近いことを知った。
渋井川を始め、今回の鬼怒川の堤防も含め、95箇所もの決壊。
驚くほか無い、堤防そのものの安易な造作と、応急措置のズサン過ぎるザマを見て、取材。コレは国土交通省の無能・無策・無駄遣いによる「人災」と確信。
連打警鐘記事も書いた。さらに全国に手を拡げて、現在続行取材中だ。
藤岡は、今を去る4年7か月前の「3・11」で、実家近くも被害・被災を受け、故郷で炊き出しやボランティアに参加した。
だから、他県にもいまだ多い岩手や福島の「仮設住宅」に住み続けざるを得ない多くの家族に、寄せる想いは人並み以上に強くある・・・・・・と思い込んでいた。
ところが、2年たっても仮設に入れてて、良かった良かったという意図の、藤岡の記述。
ああ、このヒト、事実を知らない。そのこと以前に、他人に対しての心配りや、気遣いが乏しいヒトなんだなあと思った。
「仮設」という、あくまで、「仮」りに「設」置した簡易住宅でしかない。行って入れば分かるが、隣と合成べニア板の壁一枚で仕切っているだけ。生活音は、左右から丸聴こえ。
寒さはしのげず、夏は暑さを通す。分かりやすく言えば、単なる横長のプレハブ物置でしかない。
それを、被災地近くに帰郷しながら、良かったという想いだけ・・・・。
それを短く、彼女に指摘。
「そうなんですよねえ・・・仮設なんですよねえ」と、改めて知ったような返信。
以来、このオンナの記事は書くまい、と心に決めていた。
パンチで打ち込まれる身体の痛さは知っていても、他人や被災者たちの心の奥の痛さに、想いを馳せられないヒトなんだなあ、と痛感した。
それが、この春。タイトルに惹かれ、とある番組を録画。再生して、観た。
藤岡が、強豪マリアナ・ファレスと試合したドキュメンタリーが、まだ「やらせ」「ねつ造」の余波残るNHKで放送された。またも、明らかなねつ造構成だった。
それの実証記事を、5月1日に掲載。藤岡に、一切取材はしなかった。
以来の、被災報道記事。そして、試合のことを知った。世間にどころか、ボクシングファンですら、まったくと言って良い程知られていない、その試合。
なぜか、ボクシングも含めた女子格闘技のことを、辛辣だが、的を得た指摘で書き続けている連載定期ブログにでさえ、まったく書かれず。何があったのか、他の試合の記事は書かれているが、コレはいまだに無視されている。
女子の試合の観客の入りは、男子に比べて目に見えて悪い。後楽園ホールで、半分の900人弱が入れば良い方。
先のマリアナ・ファレス戦に終始帯同した、格闘技雑誌の女性ライターほどではないが,そうなってしまっている裏側に潜む、さまざまな要因や背景があることも、知っている。
「プロ」と名称こそ付いているが、男子以上に女子プロボクサーの生活は、厳しく、且つ、貧しい。
藤岡について言えば、プロデビューは、7年前。すでに、33歳になっていた。アマチュアの経験はある「遅咲き」だが、アルバイトで生活資金を稼ぎ、住まいは、いまだにワンルーム。すでに、40歳と2か月もの年齢。
男子もそうだが、時折り、支援者にごちそうされ、その日や翌日のブログには、写真を添えて、感謝の言葉を並べて、また次を期待するのが常だ。
なお、日本ボクシング・コミッションの規定では、男女とも37歳の誕生日を迎えた時点で、プロとしてのライセンスは失効する。
だから、規定上、藤岡は2階級制覇した、女性元世界チャンピオン、となる。
だが、日本、東洋・太平洋、世界のチャンピオンに輝いた者は、「特例」により、その後もリングに上がり続けられる。
例え、防衛戦に負けて、ベルトを失って無冠になっても、本人が「引退します」と言うまでは、試合が続けられる。
その「特例」を、藤岡には適応されている、と言うわけだ。
それにしても、マリアナ・ファレスに勝ちはしたが、ジムの会長らは、渡航せず。現地応援どころか、セコンドにも立たなかった。
藤岡に勝って渡されたファイトマネーは、世界戦にも関わらず日本円に直して11万円。
これは、日本でやっても、さほど上積みは無い。
男子であれば、各ジムで差はあるが、どんなに低くても20~30万円か、もしくは、手売りするために、その額面以上のチケットは手に出来るのに・・・・。
藤岡には、男子も教えている、時給で働く「プロ」の専門トレーナーは付いていない。
本来は、ジムのマネージャーの柴田貴之が、なぜか藤岡だけのトレーナーを務めている。
タイトルに書いたように、柴田にも会えていないので、直接確認は出来ていないが、ネットで調べる限りに置いては、かつて柴田は、フライ級の選手であったようだ。
戦績は、分からない。現役時、ランキングには入っていない力量。
その後、関西のボクシングジムで、トレーナーを務めている。そのジムには、かつては多田悦子が在籍。
多田は、女子プロボクシングを盛り上げようと、常に一生懸命だったが、ジムを移籍した。
現在、そのジムには、安藤麻里や、藤岡が書く、池原”ゴリラ”久美子が在籍している。そのジムのアドバイザー的な役割をしていた、畑山隆則・元世界チャンピオンがジムを起ち上げた際にか、その後か、柴田を東京の自分のジムに誘ったようだ。
とはいえ、本来はマネージャー。兼務のせいなのだろうか? 性格なのだろうか?藤岡のブログを読む限り、ともかく時間にルーズ、デタラメ、約束無視、忘れる。
「柴田時間」とでも、評すべきか。いつものこと、またか、と待たされる藤岡。
それに翻弄され、あきらめ、慣れ、納得する他無いようになっている藤岡。
柴田は自分の見た目のノリで、スパーリングのラウンド数を多くする。叩き、叩かれ、戦っているのは、藤岡なのに。
まさか、そのデタラメさが、私自身にも降りかかってこようとは、夢にも思わなかった。
広く知られていないその試合を、事前にあおって、動員力をあげる意味でも、取材して記事化しようか。そう想った。
なにしろ藤岡だけでは無い。女子プロボクシング人気の低迷化はひどい状況だ。
たまにネットで取り上げられるスポーツ新聞の記事は、プロボクサーにも関わらず、強さには関心皆無。
前日計量の場では、乳房のふくらみ強調、ハイレグ、コスチューム、裸手前。
無い乳房を隠そうと、ブラジャーや水着に詰め物までして、写真撮影に興じる。ココは、風俗店なのだろうか・・・・・・。
そこまでしてのカメラマン視線サービスが、観客増につながっていればまだ良いのだが、まったく、そうはなっていない。
むしろ、熱心なボクシングファンからは、イロモノとして、蔑視(べっし)、軽蔑視(けいべつし)されていることに、当人は気付いてもいない。
ラウンドガールでさえ、本来不要の世界なのだから。
なかには、お馬鹿にも、本当にヌードグラビア、写真集、DVDを発売して、PRにこれつとめる30歳台オンナまでいる。
暗たんたる想いがする。このザマで、女子プロボクシング人気上昇は、絶対に望めない。
事前に、藤岡のブログあてに、9月、取材の可否を問うてみた。
「よろしくお願いします」との返事。
では、と、段階をキチンと踏んだ。
しばらくののち、所属ジムに取材申し込みをした。このジムも、御多分にもれず、非通知は拒否。
番号を、キチンと通知して、電話を掛け直した。応対してくれたのは、かの畑山隆則・元世界チャンピオン。
藤岡本人には、快諾をとっているむねも告げて、事情説明。出来れば、現在の調子をはかる意味も兼ねて、スパーリングをする日に取材して、その後に藤岡にインタビューしたいとも伝えた。
「わかりました。では、マネージャーで、彼女のトレーナーもしている柴田貴之の携帯電話の番号を教えますから、そちらに掛け直して、相談してみてください」
ん? ジム本来ではなく、柴田個人預かりなのだろうか? まあ、いいや。
「柴田は、今日、休みなんです」ともいう。平日、なのに? まあ、詮索しても仕方ない。こちらは、キチンと筋道通しているんだし。
すぐ、教えられた柴田に☎。非通知ではあったが、しばらくして、出た。
事情を話して、期日、日時を決めてもらうようにした。アレ? 藤岡は、事前に、取材のハナシが来ていると、柴田に話ししてもいないニュアンス。
キチンとしていない、ズサン・ズボラな性格だなあ・・・・・。よろしく、お願いしますも、無いもんだ。
なんなんだろ、藤岡?と、少し危惧。それ以上に危惧したのが、期日や時刻をキチンと正確に話さず、ハッキリしない柴田の口調。確認すると、2転3転。クルクル変わる。
あぶないなあ・・・・コレが、柴田時間か・・・と危惧しつつも、正確に取材期日と、スパーリング開始時刻を数度、確認して、☎を切った。
そして、すぐさま続けて、藤岡のブログに打ち込んだ。詳しくは、柴田さんに聞いてくださいとした。
というのも、単なるブログのコメントでさえ、記事検索、人物検索すると、その全文が掲載されていたりすることがあった。コメントすら安易に打ち込めないことを、身を持って知っていた。
その後は、なんの連絡も無し。こちらも、せず。
もし、何か変更などがあれば、ジムの電話器のディスプレイで、前にかかってきた番号を見ると分かるはず。
かかってきた日時は、柴田にすれば自分の携帯電話の着信履歴を見れば、一発で分かるはず。
何も、1か月以上前の☎ではない。
藤岡にすれば、自分のブログのコメント欄を見れば、その日時がすぐわかる。
さらに言えば、掲載した写真を撮った際、名刺交換をした。
捨てていなければ、すぐ分かるはず。
2人とも、ジムに☎したことはあるはず。非通知では、つながらないし、ディスプレイに、かけてきた☎番号が、その日時とともに出てくること・・・・馬鹿じゃなきゃ、知っているはずだ。
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取材当日。ジムの最寄り駅、JR大森駅に降り立った。約束時刻より、40分、早めに着いた。スパーリングの準備光景も、目に収めておこうと思っていたからだ。
ジムへと続く、飲み屋街路地。まだ昭和、というより、戦後の猥雑な香りまで漂っている。
ジムの看板。
外から見えるのは、両会長の元世界チャンピオン。そして、選手では無く、モデルとおぼしき女が、ボクシング的エクササイズをしている宣伝写真多数。
下には、その動画が、エンドレスで流れていた。
やれやれ、だ。プロデビューして、もはや7年。練習開始も入れると、8年近い。当初の場所は、新宿区の体育館を間借り。
とはいえ、女子世界チャンピオン。他に、チャンピオンはいないのに、宣伝塔にもなれない。
軽視されてんなあ。先の、マリアナ・ファレス戦の時だって、柴田が試合に合わせて来たのは、試合間近。
まさか、ジムのドアを開けるまで、その藤岡にまで軽視されていたとは、想いもよらなかった!
「こんにちは」
寄ってきたトレーナー。
「体験入門、ですか?」
「いいえ、取材なんですが。藤岡さんの。午後3時からという約束で」
見回したが、藤岡の姿は見えない。嫌な予感が、した。
ええっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スパーリングは?
「中止になりました。けさ、行けないと連絡があったとかで」
それは、たまにあること。でも、目当ての選手の練習は取材出来た。
でも、さっき、とっくにと言いましたよね。開始時刻も、変わった。変えたんですか?
「詳しいことは、私、柴田さんじゃないんで分かりませんが・・・・・確か、来たのは午前11時くらいかなあ」
それで、何時まで練習やってたんですか?
「昼過ぎ、12時半くらいまでかなあ」
怒りが、ふつふつと沸いてきた。
で、そのまま帰ったんですか!!!?
「そうです・・・ね・・・・」
取材が入っていることは、何か言ってませんでしたか?
「ああ、なにか、記者に連絡つかないなあ、とか。☎番号、分からないしなあとか、言ってたような・・・・」
心で叫んでいた! 馬鹿野郎! ちょっと携帯☎やブログで見て、ジムの電話機のディスプレイ見れば、一発で分かるだろうが!
調べる気も、ハナっから無い。名刺は、捨てて、とっくにゴミ箱行きかよ・・・。
私が来ることは、分かっていたはず。でも、知らんぷり。約束を反故(ほご)にして、恥じない2人。
この性格。「柴田時間」だけじゃない、「藤岡時間」もかよ。これじゃあ、40歳過ぎても、自称「おばさん」生涯独身のまま、か。
他人に対しての、パンチの痛みは分かっても、心の痛みは分からない。気遣い、心配りがカケラも無い女を、男は嫌う。同居は、長続きしない、性格ブス。
「すいません、来ていただいたのに、コレコレの事情で」という、書き置きのメモも残さず、か・・・・・。
さらに、怒りが増す事実が、そのトレーナーのクチから飛び出した。
「昼までの練習の時に、何か、東北のマスコミの方が取材に来てましたね」
テレビ? それとも、「河北新報」ですか?
「そこまで分かりません」
軽視、ここに極まれり。大マスコミと、藤岡サマにとっては、ゴミみたいな極小ミニコミという判断か・・・・・・・。
なにしろ、あ~た、藤岡奈穂子おばさん、「おおさき宝大使」に、この8月、任命されたお偉い方だもんなあ。意識は、宮城県のチョ~有名人、か。
そのトレーナーに告げた。
ひどいなあ・・・。じゃあ、今、藤岡さんの携帯電話番号、教えて戴けませんか? 電話でコメントだけとって、記事にまとめたいんで。番号、教えたくないんなら、そちらで掛けて、電話口で私、そこで聞きますから。
そのトレーナー。事務室に消えた。
しばらくして、誰かに相談したんだろうか・・・・ 「なんか、電話が通じないというか、連絡つかないみたいで。ココに、改めて、そちらで☎してください」
差し出されたのは、柴田貴之と刷り込まれた名刺。
その携帯番号は、すでに取材ノートに書いてある。仕方なく、受け取った。改めて、☎する気は、無かった。
残った想いは、フツーじゃない、2人の歪んだ神経。
ドアを開けて、帰ろうとした時、そのトレーナー、秋元義人は、こう言って申し訳なさそうに少し、アタマを下げた。
「すいませんでした」
彼だけは、フツーの神経を持ち合わせていた、か・・・・・・。
もはや、勝とうが、負けようが、知ったこっちゃ無い。それにしても・・・・人間のクズコンビ。
自分の、人間を見る目がまだ甘いことも、今回痛感した。前の記事の末尾。「良い性格しているし」のくだりは、削除した。
藤岡菜穂子に最後に言いたい。
プロボクサーである前に、まともな人間であれ、と。