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メッケル(1935-)「金魚」(‘Goldfisch’)(1956):月と水が好きな私の髪の中に、私の第2の魂である金魚が住む!

2018-10-09 15:42:48 | 日記
 ‘Goldfisch’  「金魚」
       Christoph Meckel クリストフ・メッケル

Seit ich den Mond und das Wasser liebe, 私が月と水を好きになって以来、
Lebt ein Goldfish in meinem Haar, 金魚が私の髪の中に住む。
Das verblüfft mich und ich bemerke, それは私を驚かせたが私は気づいた、
Daß das bei keinem anderen Menschen これは他の誰にも
Der Fall ist. 起きていないと。

《感想1》私はある時から月と水が好きになった。すると金魚が私の髪の中に住むようになった。金魚は月と水の精だ!この不思議な出来事は私にだけ起きた。他の誰にも起きない。

Seither bin ich druch viele Flüsse geschwommen, あれから私は多くの川を泳ぎ抜けたが、
Aber das Wasser sagte ihm nicht zu. しかし水は金魚に適さなかった。
Ich bot ihn dem Mann im Mond als Geshenk, 私は金魚を月の男に贈物として提供したが、
Doch er weigerte sich, im Licht der Sterne にもかかわらず金魚は星の光を浴び
Zwiscen den Wolken und Wögeln zu schwimmen; 雲と鳥の間を泳ぐことを拒否した。
Ich führte ihn an das Rote Meer, 私は金魚を紅海に連れて行ったが、
Aber er besteht darauf しかし金魚は言い張る
In der Dämmerung meines Haars zu altern. わたしの髪の薄暗がりで年を取りたいと。

《感想2》金魚は水の中に住まなかった。変わった金魚だ。私の髪の中に住む。また私は金魚を月の男の贈物にした。だが金魚は月に行かなかった。途中、星の光を浴び雲と鳥の間を泳ぐのを拒否した。さらに私は金魚を広い紅海に連れて行ったが、金魚はわたしの髪の薄暗がりで年を取りたいと言った。私は金魚に好かれた。

Ich werde ihn weitertragen, 私は金魚をずっと運んでいくだろう、
Bis seine Shuppen bröckeln, 金魚の鱗が崩れるまで
Bis er schwarz wirt 金魚が黒くなり
Und tot in eine graue Pfütze fällt. そして死んで灰色の水たまりに落ちるまで。

《感想3》私は月と水が好きで、金魚が私の髪の中に住む。私は金魚を運び続ける。だがやがて私は年を取り、金魚も年を取る。金魚が黒くなり死に灰色の水たまりに落ちる。そして私も死ぬ。それまでずっと金魚(月と水の精)は私の髪の中に住む。
《感想3-2》私は、二つの魂を持つ。最初の魂。そして月と水を好きになって以来、私の髪の中に住む金魚。それが私の第2の魂だ。
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