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浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(106)-7 百田氏の誤り⑦:安保反対デモの人数に関し「主催者発表」のみ紹介し、「警察発表」を示さないのは事実の叙述に関し公正でない!

2021-10-14 13:43:10 | 日記
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「日本の復興」の章(385-455頁)  

(106)-7 百田氏の誤り⑦:百田氏が安保反対デモの人数について「主催者発表」の数字のみ紹介し、「警察発表」の数字を示さないの、事実の叙述に関し公正でなく誤りだ!(417-418頁)
E-8 百田尚樹『日本国紀』は「新安保条約の自然承認が成立する6月18日夜(19日午前零時をもって成立)には33万人のデモ隊が集結した。・・・・自然承認の成立を前に、岸は首相執務室に、弟の佐藤栄作大蔵大臣(後、首相となる)といた。佐藤は『兄さん、二人でここで死のうじゃないか』と言ってブランデーをグラスに注ぎ、兄とともに飲んだという逸話が残されている。」(百田456頁)
E-8-2  百田氏の誤り⑦:「美談仕立て」で当時の官邸内の様子が描かれているが、百田氏は安保反対派が過激で極めて多数であると強調し、「ここで死のうじゃないか」という逸話を紹介している。しかしデモ隊の人数がが「33万人」というのは「主催者発表」の数字で、「警察発表」は13万人だ。百田氏が「主催者発表」の数字
のみ紹介し、「警察発表」の数字を示さないのは、「逸話」の「美談」性を強調するためと考えられ、事実の叙述に関し公正でない点で、誤りだ。(417-418頁)

E-8-3  また百田氏は安保反対派デモが過激である事を強調するが、(ア)「賛成派の反社会的勢力がデモ隊を襲撃する事件」もあった。また(イ) 6月15日、安保反対派デモに参加していた東京大学の学生樺(カンバ)美智子が死亡する事件が起きる。反対派デモが過激化したのは、樺美智子の死の知らせが届いた後だ。(ウ)安保反対派のデモにおいて、大部分のデモ隊と警察官は非暴力的だった。全体として負傷学生400人、死者1人(樺美智子)、逮捕者200人、警察官負傷300人だった。(418頁)
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オウィディウス(前43-後18)『変身物語』(上)「巻1」(10)「イオ」:神ユピテルは、闇を広げ、逃げる乙女イオをとどめて、純潔を奪った!

2021-10-14 11:17:38 | 日記
(1)イナコスの河神の娘イオが行方不明になった!
偉大なる河神ペネイオスの住かで、各地の河の神たちの集まりがあった。ところがイナコスの河神だけが集まりに来なかった。というのは娘イオが行方不明になったからだ。すでに亡き者と覚悟はしていたが、まだ生きているのか、死者の仲間入りをしているのか、わからなかった。イオはどこにも見つからない。(38-39頁)
(2)ユピテル(ゼウス)がイオを見つけ、誘った!
話はさかのぼるが、実はユピテル(ゼウス)がイオを見つけて、「おや、これは神々の王者たるユピテルにもふさわしいお嬢さんだ!」とイオを誘った。ユピテルは森蔭の方を指さし、「そらあの深い森の暗がりへはいるのだ」、「神が道案内をつとめよう」とイオに言った。「神といっても、このわたしは、天上の偉大な支配権を握る神なのだ」と正体をあかした。(39頁)
(3)神ユピテルは、闇を広げ、逃げる乙女イオをとどめて、純潔を奪った!
しかしイナコスの河神の娘イオは逃げた。イオは、はやくもレルナの草地と、木々の茂ったリュルケイオンの野を過ぎていた。その時、神(ユピテル)は、闇を広げて広大な地面を隠し、逃げる乙女(イオ)をとどめて、純潔を奪った。(39頁)


コレッジョ『ユピテルとイオ』(1531年頃)ウィーン美術史美術館
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