世間虚仮
〜聖徳太子〜
「善」と言うと立派な感じがします。
「悪」とい言うと罪・邪悪な感じがします。
人は善を好み、悪を嫌う。
この分別は私の価値判断に依ることが多々ある。
善悪は、分別を超えた真実の智慧のはたらきにより知らされる。
自分が善悪を知っていると思うのは、虚仮であり偽りの心でしかありません。
親鸞聖人は
「よしあしの文字をもしらぬひとはみな まことのこころなりけるを 善悪の字しりがおは おおそらごとのかたちなり」と示され、
『歎異抄』には
「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みなもって、そらごとたわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておわします」
と智慧のはたらきを明らかにされました。