住職の独り言

~ご縁に触れて~

一休さんと蓮如上人

2022年03月17日 | 独り言
臨済宗大徳寺の禅僧「一休さん」(一休禅師)は
蓮如上人よりも19歳上であったようだが、同じ室町時代に生きた僧侶で
この二人の交流はかなり深かったと伝えられています。
ある時、一休禅師が蓮如上人に歌を送った。

阿弥陀には 
まことの慈悲はなかりけり
たのむ衆生を 
のみぞたすくる

(意訳)
阿弥陀如来は、どんな衆生でも救う言うが、「阿弥陀如来をたのむ衆生しか救えない」のではないか。
これじゃ本当の慈悲とは言えないのでは…?

これに対し、蓮如上人はこのように返歌。

阿弥陀には 
隔つる心はなけれども
蓋ある水に 
月は宿らじ

(意訳)
阿弥陀如来は、どんな衆生も別け隔てなくお救い下さいます。
でも、その教えを拒否したり、聞きたがらない人たちまで救えません。

月は全ての水に月影を映すが、蓋がしてあったなら映すことがことが出来ません。蓋を取れば満月は水に宿る。

月影の 
いたらぬ里はなけれども
ながむる人の 
心にぞすむ

(法然聖人)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする