住職の独り言

~ご縁に触れて~

やすらか

2009年07月13日 | Weblog
霊園にお参りに行くと墓柱にはさまざまな字が彫られている。
浄土真宗では本来「南無阿彌陀佛」だけど…
「○○家之墓・穏・やすらか…」

先日お参り行った家は「やすらか」だったが、
見回すと三戸の墓が「やすらか」と彫られていた。

墓を建てた人が、
亡くなった人に「やすらか」であってほしい。
という想いで彫られるのであろうか…?

この受け取り方で、浄土真宗とお他宗との違いがある。

他宗においては、自身の願いを元にするが、
浄土真宗は自身の願いではなく、
それを喚び声として受け取っていくのであります。

「やすらか」であったならば、
亡くなった人に対して「やすらかでいてほしい」と願うのではなく、
仏となられた故人様から「心をやすらかに生きてくれよ」とのメッセージとして受け取っていく。

こちらから「やすらか」であってほしいと願う前に、
先に往かれた方から「やすらか」に暮らしてくれよと願われている訳であります。

そんな意味で、究極の願いを顕したものが「南無阿弥陀仏」であり、
それは「どんなことがあってもあなたを見捨てないよ!必ず救う」という仏の願いを顕したものであります。

道綽禅師の「安楽集」に

前に生まれたものは後を導き、
後に残されたものは、
前に往かれたかたがたの、
みあとを訪ねるようにしなさい。

とお示しになりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする