King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 』読了

2012年04月09日 23時52分37秒 | 読書


新聞の広告で知り、読みました。

日本の場合、宗教の話題というのは
よく避けられる話題です。

外国の人と話をするとずばり何教か聞かれ
びっくりします。そして、多くの人が無宗教と
答えるそうです。

外国人の知識としては、日本は仏教国なので
そう聞くと怪訝そうな顔をします。

この本を読んで、その訳とこの先のことを
考えるきっかけが出来ました。

日本人の知識として、仏教は聖徳太子の憲法から
鎌倉時代に念仏宗教が起きたというところまでは
歴史の授業でも習いますが、その後は明治の時代
廃仏毀釈というのがあり、寺が荒廃したものの
檀家制度ができてどこかの寺に先祖代々の墓が
あるという状況であるというのは了解している
のではないでしょうか。

そして、葬式の時にはどこかの坊さんを呼んで
葬式を出すのが一般的ですが、その元となるのが
曹洞宗が元になっているというのもこの本で知り
ました。

鎌倉時代に出来た宗派からさらにどんな変遷と
新興宗教が起きる契機になったのかもつながった
感じがしました。

同じ作者の『日本の10大新宗教』を先に読んで
いたのでつながった感じがしました。

同じようにこの作者の本で葬式はいらないという
本がありますが、この本を読むとどうしてそういう
事になるのか解る気がします。

私も自分の身内の葬式を出したときには普通に
お寺に頼みましたが、そのシステムには疑問を
抱きました。

なぜ戒名が必要なのかとか対価に見合う報酬体系
であるか、など疑問なことだらけでした。

普通なら協定とか協会標準報酬など政府など国の
指導を受けた基準などがありそうなものです。

実際には不透明なサービスと報酬が定められていて、
うやむやな内に疑問なままお金を支払わされます。

払う側に供養だからとか無事に成仏させる為とか
何の真実の裏打ちもないものに金を払わされるのです。

そもそも鎌倉時代に出来た念仏宗教から、庶民に
仏教が普及し出した時に、現代の新宗教の芽はあった
のです。

念仏を唱えるだけで成仏できるとかお題目を唱える
だけで極楽往生できるなどというのは本来の仏教と
同じものなのでしょうか。

しかし、世に多くの新宗教があるのも世の要請なの
でしょう。

そんなものを信じ、現世利益を求めてせっせと貢のです。

普通の古典宗教は神との契約であり、魂の救済がテーマ
です。

つまり死んだ後の話です。

ところが日本だけ、現世での幸せを願って変な宗教に
はまってしまうのです。

それでも葬式だけは別らしく、自分が信じている新宗教
の他にお寺の坊さんを呼んで葬式をするのです。

同じ宗教法人でも死んだ後を世話するのは旧来のお墓の
あるところの仕事と分けているのか、それともカルトに
は墓地まであるところはすくないのか、それらを理解して
使い分けているのか不思議です。

この本を読んだり、新宗教の本を読めばカルトにはまる
こともないでしょう。

学校での授業に宗教に関するものがない以上、自分で
補うしかありません。

カルトを信じる人はニュースも新聞も読まないのでしょうか。

オームもエホパの輸血裁判もしらないのでしょうか。

法律により何を信仰してもいい事になっていますから
それは自由です。

そして、聖地は侵してはならないと刑法にも規定があり、
既成の宗派とは何も関係ない巨大仏像や宗教施設でも
いんちき呼ばわりは出来ないのです。

一度宗教法人の認証を受ければ法の元に保護され税法上も
優遇されます。

そして、その法律で礼拝施設は必須項目となっており、
曹洞宗のような禅宗でもご本尊を置いて礼拝するところを
作らないと法人の認証は受けられません。

人々が宗教に対する情報になかなか接っせられない為
オームのような事件が起きたり、仏教に誤った理解が
され続けたりするんじゃないでしょうか。

宗教が果たしてきた役割や担っているものをもう一度
考えて、それにどう付き合っていったらいいかそれをしる
一歩にこういう本は読むべきです。

何も新宗教にはいっている人だけでなく、自分の葬式を
どのようにしたらいいか気になっている人も、宗派の
違いから読むお経の差まで知りその意味を考えてみると
いいと思います。

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