

昨日からの雪は朝起きると白銀の世界となっていました。
今年は例年通りの寒さの冬で、各地の氷柱も今年は凍り見られるようです。
ただ、コロナ禍の下場所により自由見学というところもあるようでせっかくの
観光資源もただの氷に戻ったというあるがままの冬の風情です。
さて、冬といえば温泉とスキーですが、昨年の雪のひどさと一度もいい雪に当たらず
心地よい思い出もないことから今年の各地の大雪の知らせにも心躍らずという今年
でしたが、毎年乾いて寒い日を過ごし思い出されるのは寒詣りの太鼓をたたく一団の
白装束の姿とかその人たちが待っている子供たちに賽銭用の小銭をばらまいた光景とか
思い出していたり、炬燵でくじを引いて景品の落花生を食べたこととかそんなことを
繰り返し思い出し、そういえば寒い思い出として思い出すのではなく、昔はろくな暖房も
なく隙間だらけの家で今より寒かったはずなのに寒いという記憶よりはじっと寒詣りの
一向を待つ子供はわくわくとして待っていたし、今なら寒いから家に入ろうとすぐに家に
逃げ帰るところ太鼓の音が近づくのをじっと待っていたのです。
寒いといえば思い出すのはスキー場でリフトの上で風に吹かれる時の思い出か、写真をとる
ために手袋を外して凍える手の思い出とかと各スキーでの思い出です。それはセットで
必ず温泉による癒しがあり、どこの温泉でどんな湯だったかととめどなく思い出がつながり
ます。
とそんなわけで今年初めてのスキーに出かけてみることにしました。
まだ非常事態宣言下であり、県をまたぐ移動や不急不要のお出かけをおやめくださいと言われる
なかですが、日帰りで一日外で過ごすスキーならいいのではと一番近くでお手軽な軽井沢に
出かけました。
ここなら二時間もあれば着いてしまうし、途中の休憩もパーキングでのトイレのみ。
人との接触はリフト券売り場とリフト係くらいのものです。
そのリフト券もネットで買えば券売り場に立ち寄らないのも可能です。
ずっとお出かけをしていなかった煮詰まるような気分も久々のスキーということで
気分転換してという思いで出かけました。
そうして目にした諸々のものは全く意外性もなく今まで何度も出かけて今まで経験した
軽井沢であり、今まで通りのゲレンデと今まで通りのスキーなのでした。
意外とスキー場は平日にもかかわらず人がいて若者中心ににぎわっていました。
入場の際に検温されるでもなく、ただ係員がいてときおりハンドマイクで会話はお控え
くださいとかマスクしろとか言っている程度であとはまるきりいつもの毎年見る軽井沢の
風景であり、なんの変わり映えも刺激もないのでした。
とはいえまごまごと始めた一年ぶりのスキーは直ぐにいつもの楽しみを思い出し、
軽井沢だからできることやるべきことなどを思い出しました。
朝一は人工雪でも固く締まっていてサラサラな雪が表面に薄くあり、この固い雪にどのような
シュプールを刻むべきかなど考えているのでした。それにしても意外だったのは一月二月なら
当然全山真っ白なはずなのに二月のベストシーズンにもかかわらずコース以外に雪はなく落ち葉や
枯葉がゲレンデにあるシーズンインの頃のような風景でした。
それでも風が冷たく朝方から雪がちらつく天候でした。ずっとこの風に吹かれて滑ると
やはり帰りにどこか温泉入っていこうとなるのですが、それは我慢してまっすぐ帰りました。
朝方はまったくリフト待ちもなかったものの徐々に混みだし各コースを一本ずつ滑ると
人のいないアリエスカに行くという全くいつもと同じ行動になるのでした。
こぶのコースができているのもいつものところだし、ただし今年は浅間はクローズになっており
アリエスカのシルバーも閉鎖でした。
スクールのコーチの自主練がいたり、あまりの急斜面におののき尻から落ちていくボーダーとか
いつも見る光景も変わりなく、人のいないこのコースを繰り返し滑るのでした。
お昼に食事券付きのリフト券だったためいつものアゼリアで食べました。席は満席で私が帰る時には
席待ちの行列もできていました。生姜焼き定食1300円とまあ高くなったものです。不思議なのは
パンやら缶コーヒーなど持ち込んでいる若い人のグループなどもいてもちろんそれ等は店側は
お断りで表示もあるのですが、そんなことをするのならなぜ食事券付きのパックは利用しないのかと
思います。
スマホで見ればクーポンがある事や平日は食事券が付いていることも解るはず。なのに食事会場で
この券を出したのは私だけでした。安く済ませたいのではあれば外のフードカーや途中のコンビニで
食事を買ってくるとかいくらでも手はあるのですが、何をどうしたいのか良く解りません。
スキー場の食事にはもはや何も期待していないし、どんな珍しいものが加わったかと毎年見ているものの
どこも同じものばかりです。それに値段もあきれるようなものばかりなので期待もしていません。
いやなら先ほども言ったように手前にコンビニがあるというのはどこのスキー場も一緒なので自衛策は
あるのです。
まあスキー場に少しでもお金を落とそうとリフトパックはいつも使うのですが、食事券1100円で最低の
カレーとかパスタなので結局200円足して生姜焼きというのもいつかの食事と同じなのです。それを
なにをどうしたいのか券売機前には決めかねている若者が群れているしという何かと群れたい人と
接触を避けたい当方は行動がことなるのでした。
この他飲み物券も付いていてこれは今日だけでなくシーズン有効なのでプリンス系ならどこでも使える
というものです。まあどうなるか解りませんのでいつものリフト前のところでコーヒーを飲みました。
とまあ何もいつも通りで何も起こらないスキーでしたが、これが冬にあるということなのだと妙に
納得してアリエスカのリフトが三時で止まり、中央のリフトに戻りこぶのある所をひととおりやり
やり切ったと思い四時には上がり二時間で帰り、家で夕食をとるという今年初めてのスキーでした。
今日は曇りで西から崩れてくるという予報です。
走らない雪は相変わらずですが、さらに雪解けも進んでいるので
不整地コースはクローズになってしまいました。
キングやビレッジラインが閉まりこうなると斑尾で昨日は敗退した感じの
ワールドカップとかジャイアントのどこまでも続く不整地急斜面に挑むかと
昨日からの走らない雪に滑りがダメダメとなった後、そのリカバリのための
整地トレーニングがどれだけの成果かと試しに行きました。
確かに昨日よりはましですが、それでも例年だと楽しさのあまり一番下
まだ滑りきり、あとはひたすら登りの坂を戻ってくるという苦行のような
横移動で元の斜面に戻るということをしないでフード付きのクワッド乗り場へ
滑りこむ短絡コースで済ませてしまいました。
途中感じたのはこの日はさらに駐車場の車もめっきりと減り、ガラガラの駐車場
が雪もなくその空きスペースが目立ちます。いつも混んでいるジャイアントの
クワッドもさほどの混雑もなく昼に戻るために途中駅で降りてクリスタルボウルの
ツリーに入りますが、雪がなくなり木や草が出ていて板も走らずでこれはもう全然
楽しいなんて次元でなく何のためという感じになってしまいタングラムにもどると
滑れるコースは限られてプライマリーで昼に戻ると結局三日いてこの脇のももやあんずは
滑っていないなあと思いました。ネットのニュースでは寒波で新雪が積もった9日には
タングラムで新雪に埋もれたボーダーが意識不明の重体とのことで、不整地の閉鎖が
早いのはこの事故の影響なのかとも思ってしまいます。毎年死亡事故があるのがスキー場で
今年のように小雪で暖冬でも死亡者は出ています。山から帰らないと捜索もされています。
それだけ楽しさと危険も背中合わせということですが、林間も全く板が走らないこのような
状況ではやることは限られてきてこの三日間初心者のような滑りになったのも昨年はいつも
降りしきる雪の中新しいスキー場巡りのようなことばかりの後、春のぐさぐさ雪でのトレーニングを
怠りその悪雪でいかに滑るかというトレーニングをしてないことによるのではと結論して今後の
計画も考えてみるという行動になりました。三日ともよく見えた妙高の山容にその思いは重なり、
田中陽希が登ったコースの説明通り、外輪山に一度登りさらに再登頂というそのままの山姿に
このようなかつての火口の中にまた新しい山の隆起が起きて山があるという姿は珍しいものでなく
日本中に山という漢字のような山容はいたるところにみえるのです。それはでも田中陽希の行動に
改めて気づかされたように他人の行動により明らかにされたり注意が行くことは実は多く、当たり前に
みていたものが実はこういうことだったのかという気付きというのは何かしらの作用があって知るのです。
そんな三日間だったなあと思います。そして概ね快適に過ごせたのはとにかく空いているということで、
コロナウィルスか景気のせいなのか道路も帰りもいつもならトラックの競争のような追い抜きのために
しばし減速されるようなこともなく、スムーズに流れストレスなく帰れました。
自分には全く関係のないこととそれでも前ならこの景気で車も少なく、感染を恐れ人が外出しなくなって
いるのかとか人出の少なさにさらなる景気後退を気にしたり、前後のリフトに誰も乗っていないような
時など自分一人のために申し訳ないような気分を味わったりしましたが、今回はそういうのはもう当たり前で
あり自分の遊びのために多くの人が働いてくれているという申し訳ない気分とか乗り降りの際に仕事で言われさて
いるのだろう挨拶の掛け声など何度も繰り返して乗るのでやめてほしいと思ったりということも今回はまったく
どうぜすこれは仕方のないことと受け流す余裕もあり、逆に外人さんだとこのマニュアルでいやいやといわされている
挨拶に普通にフレンドリーに挨拶を返しているのを見るといわされていることにもちゃんと返せば挨拶になると
感心するのでした。
朝目覚めると窓の外はバシャバシャと水が流れています。
これはまた二日目は雨かと暗澹とした気持ちになりましたが、徐々に明るくなると雲が晴れ
青空がのぞいています。どうやら雨に濡れながら滑るのは避けられたと朝食会場に向かうと
昨日よりさらに人が少なく、草津のように定刻にどっと人が詰めかけることもなく、のんびりと
リゾートの朝の朝食が楽しめました。やはり昨日から朝の道にしろスキー場にしろガラガラなの
です。高速道路など未だに台風の災害工事があちこちで行われており対面通行のところさえありました。
そして、長野のスキー場なども台風で崩れてコース閉鎖があるスキー場などの報告をネットで
読んでいましたが、道路や鉄道にまで未だ多くの爪痕があるとは今後の日本は心配です。
そんなことを思いつつ、時間をかけ食事をしてゆったりとゲレンデに出て徐にホテルを振り返ると
大きな虹がかかっていました。八方で滑っている方も朝雨で虹を見たという報告があり、
スキー場からこの光景を見た方は多かったようです。春スキーではよくこんな虹をみたもの
です。
しかし、この雨上がりのスキー場というのはなかなかなところがあるのです。
クィーンで足慣らしをしてやはり野尻湖テラスからの光景が気になり朝のコーヒーを飲みに
寄ろうかと考えたところいやいやもっと上から見ればいいことよと斑尾に行きます。
私がよく訪れる三月には第二リフトが止まっていることが多く、スカイラインやレイクビューを
行くにはクリスタルからアドベンチャーアイルを行くしかないのです。とはいえ第二リフトが
止まっているということはスカイラインやレイクビューやキングスラロームも閉鎖されていること
が多く、滑るのはパウダーシアターというスカイラインの脇の斑尾側となります。三月には既に
パウダーなどという雪質ではないことがほとんどでこのアドベンチャーアイルもずっと通っていませんでした。
クリスタルのシングルリフトとこのクリスタルを繰り返すことがほとんどでした。
しかし、久しぶりに訪れたアドベンチャーアイルは半分まで圧雪されており、かつてのように
細く登りばかりという感じではなくなっていました。できたばかりのころはこのように登り坂を
登りボーダーは歩いて行くので穴ぼこだらけで板を通すスペースも限られ狭く困難な道でした。
ですが、ご褒美のように途中に開けたところに出てこのように野尻湖の全景が望めるのです。
私が昨年福島で感じた斑尾に行き野尻湖を見たいと感じたのはまさにこのアドベンチャーアイルから
の光景だったのです。これですべて昨年からの課題を果たした様な気分になり、朝の虹から
素晴らしい光景を見せてくれた山の景色ですが、スキーの方は春の全く走らない雪に変わっており、
一日苦労させられました。
これをいかに克服すべきかあちこちに出かけていろいろと試してみますが、自分の技術が突然
昔の初心者のように後退したように感じてこんなにへたくそだったかと余計じたばたとツリーランやら
スカイラブラインとかとにかくいろいろと挑んであがいてみるのでした。かといって滑らなくなった雪は
そう簡単ではなく、圧雪したところで低速で繰り返し基礎訓練を最後はすることにしました。
リフトは4時半で終わりというアナウンスを聞き、部屋に戻りますが、風呂から帰り窓から見るとナイター照明が
点いていて幻想的な光景の中圧雪車が繰り出して整備されています。
夕飯は昨日より人が減りまたまたゆったりと食事でき前のように人がいなくて申し訳ないということは思わず
逆にこの人の少なくて快適な空間を堪能したのでした。