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ミルカ

2015-02-05 | 劇場映画れびゅー
インドでスマッシュヒットしたと聞いていて、最近のインド映画におくらばせながら面白さに注目している俺としては気になって仕方がなかった『ミルカ』を観てきました。
★★★

ストイック過ぎる体の作り方とか、体当り過ぎる演技とか、ダンスメインでは無くなったものの高ぶると踊りだすところとか、ここ数年のボリウッド映画からは物凄くパッションを感じる。
歌って踊って楽しいけど取っ付き難かったボリウッドからの進化のスピードが早すぎて、一時の韓国映画が感情表現を突き詰めた方向に進化した早さと比べても、世界中で受け入れられる方向への進化が目覚しい。
こう言うのを観ていると、毎度日本が置いていかれているように嫉妬を感じてしまう。
ハリウッドでミュージカルが流行っているのも手伝っているのか、演出に軽い踊りが混ざっていても違和感を感じない世の中になったのも、ボリウッドを後押ししているように感じるのですが、本作では歌う場面がほぼ無いと言うところも注目。
ほぼ無くても、少しでも踊る場面があると観ている側がなんだか盛り上がれるように作られているのが上手い。

さて、映画の中身ですが、かつて世界の陸上400mを制したインドの英雄ミルカ・シンが主人公。
イギリス領だった頃に現在のパキスタン側で生まれ、幼い頃にインドとパキスタンが分離独立する際の粛清で家族の大半を失い、姉を頼って一人デリーに難民として渡ったところから物語が始まる。
やがてインドの英雄となり、友好の為の催しでパキスタンに渡るまでの半生が、人間味たっぷりに描かれています。

ぶっちゃけこの人の事も、過去のインドとパキスタンの関係も全く知らずにこの映画を観たのですが、難民から英雄になるまでの想像を絶する苦労が、苦労と言うよりは情熱に満ちた描き方をされていてむちゃくちゃ胸が熱くなりました。
基本的には時系列に沿い、幼い頃のトラウマをボカしながらも、興味をそそる方法で描かれているので、両国のいがみ合いの歴史の始まりやら、国民の心に有るわだかまりと政府の思惑、宗教的に相容れないところ等、これまで知る事の無かった部分を、観る人が必然的に自から興味を持つように作られているところが素晴らしい。

一点だけ突っ込み。
メルボルンオリンピックの資料映像の大半が、東京オリンピックのものでしたよw



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東宝

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