低予算SFカルト映画がアカデミー賞にノミネートされたとかなんとかテキトーに耳にして、興味深い設定も随分前から気になってた『第9地区』が公開されたので観てきました。
★★★★
どこが低予算なの?と完璧な作りの映像に驚いて観てたら俺の勘違い。
「無名監督と無名キャストを使い、3000万ドルの投資で1億ドル以上儲け、アカデミー賞に4部門ノミネートされた」と、ここまでちゃんと聞かないと。
30億円(100円換算)は決して低予算ではないw
いやー、でもほんま引き込まれるカルトムービーでした。
単に宇宙人がせめて来る映画はいくらでもあるけど、この映画は難民化した宇宙人を受け入れるところがドキュメンタリータッチで描かれるところから始まる。
その導入部で“今何が起きているのか”が明示され、“何が起きたのか”問題をボカして提示して一気に渦中へほおり込まれる。
単に宇宙人迫害系の映画と言えば、古くは『スター・ウォーズ』のように西部劇の引用、先日の『アバター』は一歩踏み込んで『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような原住民側に回りつつ描いた映画等、気合の入った映画が多い中、この映画はさらに踏み込んで宇宙人難民を受け入れ、その後の差別問題に基軸を置いて描いています。
しかも、その舞台がつい十数年前までアパルトヘイト政策で非人道がまかり通っていた南アフリカってところが面白い。
南アフリカを舞台にしたハリウッド映画なんて、それこそ黒人差別に関わる映画しか思いつかないんですが、解決したかと思ったら今度は宇宙人差別とか。
えげつないのは、受け入れた百万人の宇宙人達を隔離した区域があっという間にスラムを形成して、そこでナイジェリア出身の黒人たちが宇宙人牛耳っているところや、区域の外には「宇宙人立ち入り禁止」を掲げた商店が立ち並んでいたりと、南アフリカだけについ最近までの様子を彷彿としつつ今度は黒人も差別する側に立っている。
上手いのは、冒頭のこの辺の描写がムチャクチャ丁寧なのに加え、宇宙人の造形そのものが気持ちが悪くて観客自信をも差別する側の気持ちに持っていくところ。
身体能力も知能も決して低いわけじゃないのに、人間に服従しているところもなんかリアル。
もったいないのは、主人公まで感情移入しがたい平凡なおっさんなところかな。
ネタバレ
問題を解消する為このおっさんは必死に奔走するんだけど、めっさ卑怯で卑屈でイラッとさせられまくり。
最後は映画のセオリー通り感動出来るような作りなんですが、もうちょい男前なおっさんなら感情移入できそうなものを、なんかもう顔から嫌いになってて無理でしたw
3年後にどういう何が起きるのか。
続編は無いと思うけど、おっさんは人間に戻してもらえるにしても、二百万人を超えた難民達を迎えに来るのか、それとも本格的に地球を征服しに来るのか、余韻の凝りまくりな終わり方にドキドキします。
★★★★
どこが低予算なの?と完璧な作りの映像に驚いて観てたら俺の勘違い。
「無名監督と無名キャストを使い、3000万ドルの投資で1億ドル以上儲け、アカデミー賞に4部門ノミネートされた」と、ここまでちゃんと聞かないと。
30億円(100円換算)は決して低予算ではないw
いやー、でもほんま引き込まれるカルトムービーでした。
単に宇宙人がせめて来る映画はいくらでもあるけど、この映画は難民化した宇宙人を受け入れるところがドキュメンタリータッチで描かれるところから始まる。
その導入部で“今何が起きているのか”が明示され、“何が起きたのか”問題をボカして提示して一気に渦中へほおり込まれる。
単に宇宙人迫害系の映画と言えば、古くは『スター・ウォーズ』のように西部劇の引用、先日の『アバター』は一歩踏み込んで『ダンス・ウィズ・ウルブス』のような原住民側に回りつつ描いた映画等、気合の入った映画が多い中、この映画はさらに踏み込んで宇宙人難民を受け入れ、その後の差別問題に基軸を置いて描いています。
しかも、その舞台がつい十数年前までアパルトヘイト政策で非人道がまかり通っていた南アフリカってところが面白い。
南アフリカを舞台にしたハリウッド映画なんて、それこそ黒人差別に関わる映画しか思いつかないんですが、解決したかと思ったら今度は宇宙人差別とか。
えげつないのは、受け入れた百万人の宇宙人達を隔離した区域があっという間にスラムを形成して、そこでナイジェリア出身の黒人たちが宇宙人牛耳っているところや、区域の外には「宇宙人立ち入り禁止」を掲げた商店が立ち並んでいたりと、南アフリカだけについ最近までの様子を彷彿としつつ今度は黒人も差別する側に立っている。
上手いのは、冒頭のこの辺の描写がムチャクチャ丁寧なのに加え、宇宙人の造形そのものが気持ちが悪くて観客自信をも差別する側の気持ちに持っていくところ。
身体能力も知能も決して低いわけじゃないのに、人間に服従しているところもなんかリアル。
もったいないのは、主人公まで感情移入しがたい平凡なおっさんなところかな。
ネタバレ
問題を解消する為このおっさんは必死に奔走するんだけど、めっさ卑怯で卑屈でイラッとさせられまくり。
最後は映画のセオリー通り感動出来るような作りなんですが、もうちょい男前なおっさんなら感情移入できそうなものを、なんかもう顔から嫌いになってて無理でしたw
3年後にどういう何が起きるのか。
続編は無いと思うけど、おっさんは人間に戻してもらえるにしても、二百万人を超えた難民達を迎えに来るのか、それとも本格的に地球を征服しに来るのか、余韻の凝りまくりな終わり方にドキドキします。
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ある意味、マクロスも開拓と称して他の惑星を物色してるんで、新しいようで実は日本では使い古したネタだったり。
それにしても巧い合成ですよね、空気感が活かせる合成ほど巧いものはない。できればこの人に今うわさのハリウッド版新ゴジラの監督をやってほしいもんです♪
本来ありえない発想はユーモラスであり、でもその中にキチンと社会批判を内包しているというのが秀逸です。立ち退き同意書にサインを求められるエイリアンて。(笑)
宇宙難民ネタ、そうですね、日本ではテレビや映画、コミックなどいろいろ思い当たるものがありますけど、最近になってハリウッドで良いもののロボット映画が増えてきたように、価値観が変わってきてこのパターンも増えていきそうですね。
ほんとおっしゃる通りそこにそれが本当にあるような映像だからこそ余計どっぷりはまれました。
ゴジラも是非お願いしたい!でも個人的には大昔にポシャったティム・バートンによるゴジラもいつか実現して欲しいなぁ…。
30億もあれば邦画もっと撮れそうですよねぇw
設定が完璧だからこそ、異形の宇宙人に対する嫌悪感と哀れみの気持ちやら、ギャング達や政府に対する怒り、主人公に対する苛立ちも本物でした。
立ち退き同意書とか面白いですよねぇw
フツーならそこで変なリアリティー求めずに蹴散らすところです。
世間ではこの映画は高評価で
意表をついた展開に驚きましたが
自分は、エイリアンに敢然と立ち向かう
人類の姿を見るほうが心揺さぶられるので
ちょっと、普通という感じでした。
個人の感性なんですが…
評価が高い理由はなんとなく
分かりましたけど。
生きるのに必死なおっさんの心の変化やら、一般宇宙人達の無機質なところと、脱出する親子の知能の高さの対比。
人間世界の複雑な構造と、それぞれの思惑、どこを取ってもムチャクチャ面白かったです。