コンスタンティン

劇場で予告編を観た時「おおお？！マトリックスで使った技術とプールした予算注ぎ込んでいつのまにこんなもの作ってたんだ？ワーナー」と勝手に思っていた映画がこの「コンスタンティン」
日本上映が近づくにつれ興味無くなっていましたが、目的の映画の次にちょうど良いスイッチで上映していたし、ロードショー当日だったのでついでに観てきました（正直者）
★★★

「この映画は、数百本に一本の、時代を動かす作品になるかもしれない」——。1年も前からハリウッドの映画関係者の間で囁かれ続けてきた噂は云々…
以上はホームページから拾ってきた文章、この後絶賛の言葉が続きます。
何か勘違いをされているような、時代どころか心も動かされませんでしたが。

デジタルな「マトリックス」とは一線を画すアナログなキリスト教系宗教色漂う世界感。主人公ジョン・コンスタンティン（キアヌ・リーブス）は、“目覚めた人”で悪魔や天使を見ることが出来る特別な存在なのですが、この設定が「マトリックス」を彷彿とさせるし、VFX自体も「マトリックス」っぽいので悪魔達と戦っているキアヌ・リーブスが「マトリックス」の主人公ネオに見えて仕方がなかった。
知らずに見たらネオの前世を描いた映画と勘違いするんじゃない？（するわけないか）
どういう訳か、ヒロインは「ハムナプトラ」シリーズで現世と前世を記憶が行ったり来たりする1人２役のレイチェル・ワイズ（エヴリン/ネフェルティティ役）なので、いろんな意味で意図してキャスティングしたんじゃないかと勝手に解釈。

「マトリックス」がジャパニメーションを意識した映画であったのと対照的に、この映画は原作がアメコミでとてもアメコミ的な展開が続きます。ただ、天使対悪魔の構図を無神論者が好き勝手に描くのは日本の漫画の十八番なわけで、随所に日本の漫画的なところが見え隠れしていました。

ネタバレ
関心したのはクライマックスのサタン降臨以降。
良い子には見せれないリストカットでコロッと逝ったコンスタンティンの前に降臨する圧倒的悪の存在感を漂わせたサタン。ハリウッド映画でこのオーラを持った映像を見たのは「ハンニバル」でレクター博士が脳ミソソテーを作る場面以来かな。ピーター・ストーメアってこんなに存在感ある俳優でしたっけ？ちょっとびっくり。
サタンとコンスタンティンの駆け引きも面白かった。

ガブリエルが人間に堕ちる場面もこういうのがハリウッド映画で見たかったという映像なんだけれど、これってキリスト教世界的には映像化して問題にならないの？と気になったので、後で公式サイトをチェックしたら大天使ガブリエルと同名なだけのハーフ・ブリードだから問題ない様子。なんだ、やっぱ大天使の方じゃなかったのね、ややこしい。
そこでちょっと気になるのは、ハーフ・ブリードとはいえあんなに中性的な顔の女優を使っているんだからきっと天使と同じで性別は無かった設定のはず。彼が人間化した後の性別はどうなったんだろう。胸は有るし、でも男っぽいし…。

肺ガンであと1年の命と宣告までされているのにも関わらず、相変わらずのチェーンスモーカーっぷりで終始タバコを吹かすコンスタンティンにイライラしながら観ていたのですが、最後に確信しました。
あぁ禁煙キャンペーン映画だったのか、と。

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