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許されざる者

2013-09-16 | 劇場映画れびゅー
クリント・イーストウッド監督主演でアカデミー賞を総なめにした名作を、李相日監督、渡辺謙主演で異例の日本リメイクした『許されざる者』を観てきました。
★★★

渡辺謙、佐藤浩市、柄本明が大々的にプロモーションで回っているのをメディアで何度も見ていて期待値MAX。
iTunesレンタルでオリジナルの方も久しぶりにチェックしてから映画館に行くというところまでやってしまったのが良くなかった。
舞台をウエスタンから開拓時代の北海道に移し、シチュエーションも少しずつ変える事で違う土俵で勝負しようとしているんだけど、明らかにオリジナルの神がかった仕上がりに負けてしまっている。

芝居は悪くない。
そりゃクリント・イーストウッドと渡辺謙、モーガン・フリーマンと柄本明、ジーン・ハックマンと佐藤浩市、リチャード・ハリスと國村隼を比べてみたらだいぶしんどいところは有るけれど、違う土俵で勝負している分、似たシチュエーションで同じ台詞を喋る場面であっても日本人が日本人に訴えかける芝居で見せてくれる。
特に柄本明は役のパーソナリティもかなり異なるキャラクターだったので、柄本明らしい個性的な芝居が、ずっと出ずっぱりな訳でも無いのに世界観の構成を担っている。

ハリウッド映画を邦画化するのは最近あんまり無いように思うんだけど、下手するとアラが目立ちますね。
序盤からクライマックスまでずっとダメダメだったのは、うるさ過ぎて情緒もへったくれも無くしてしまった音楽。
この映画を観てる間、ずっとうるさく感じてイライラしていました。

マイノリティーとしてのアイヌの迫害にクローズアップし過ぎてしつこいところは勿体ない。
アイヌの迫害を描く映画自体が殆ど見当たらない中で、メジャー作品でこれを採り上げるのは良い機会だし良いアイデアだと思うんだけど、あまり物語にマッチしていない。

柳楽優弥の芝居はクロサワっぽくて古臭すぎ、演技の参考にしたのでしょうか?みんながあれなら良いけど、一人でやってるから浮いてしまっている。

オリジナルの銃のみから、刀と銃の併用に変えた事でいろんな場面で複雑な演出をする事が可能になっているけど、オリジナルと比べてゴチャゴチャした印象。



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クリエーター情報なし
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