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ルパン三世

2014-09-02 | 劇場映画れびゅー
日テレに協力して貰えなくてテーマ音楽が使えない時点で既に地雷映画としか思えず、観終わった後に呑みながら悪口大会をして楽しむ事を前提で友人を誘って『ルパン三世』観てきました。
結果、ぶち撒けまくって大いに楽しいお酒になりました。


ルパン一味がまだバラバラで、銭形警部とも初対面と言うビギニングものになっている辺り、どう観ても続編を作る気満々な本作ですが、これ以上恥ずかしいものを世界発信するのは辞めていただきたい。
かつて無い程多くの国での上映が決まってしまったらしくて、反応が怖い。

別モンと思って観ても根本的に面白くない。
脚本に矛盾だらけ、演出不満だらけ、アクションは何が起きてるのかさっぱりわからない。
致命的なのは、ルパン三世の名前を使う必要が有ったのか?と感じさせてしまうくらいにルパン一味を生かせていないこと。

役者さん達は凄く良かった。
こんな映画で無駄にリアル奥さんのカメオ共演をネタに使われた小栗旬が一番の被害者かな。

ネタバレ
開幕、最新鋭の警備システムを備えた美術館からお宝を盗み出すミッション。
潜入している事を気付かれないよう、様々な警備システムをかい潜って行く間に、監視カメラはフツーに銃で撃ち抜いちゃってアホかと声に出しそうになった。早くもダメ映画な香りが漂い始めた瞬間。

お宝の展示室は床が重量を感知するシステムになっており、峰不二子はお宝の真上にワイヤーを飛ばして、天井からぶら下がって盗もうとするんだけれど、一番重要なはずのこの部屋には床感知だけしか防犯設備が無いと言う謎。
『チャーリーズ・エンジェル』のように吹っ切れた演出でやってくれたらノリで楽しめるんだけど、まだ気分がノッていないごく序盤でこれは、直前の監視カメラの件と言い胡散臭さしか感じられない。
それはそうとしても、峰不二子の後に続く仲間達は広い部屋の壁と柱の長距離間を人間技とは思えない脚力で飛び移ったり(最後どうするつもりだったのかこいつは)、床感知が有るっつーのに背中から床に向けて強烈なジェット噴射をして進むような奴ら。
それを峰不二子は飛んでる仲間に麻酔銃を撃って落とそうとする。いや、まだお宝取ってないこのタイミングで自身を窮地に?!
漫画やしルパン三世だからリアリティー要らんやんとか言う以前に、この短いミッションのありとあらゆるところが“オカシイ”んです。
最終的には部屋の真下の駐車場から床を爆破してお宝をゲットするルパン。て、そんな一番簡単で誰でも最初に考えそうな方法で取れてしまうって、どういう大人達が集まってこの場面を作ったのか。誰も疑問を持たなかったのか、疑問を口に出せないような「ルパン三世製作委員会」なのか。

そこから逃走する場面では、小栗旬の口の動きと実際の台詞が全く合っていないアフレコを見せられて困惑。
ヘッタクソな編集しよるなぁと思ってずっと観ていたら、この後何度もこのおかしなアフレコが続いて、だいぶ経ってからワールドプレミアバージョンの存在を思い出した。
どうやらこの映画は海外上映を意識して日本人キャストにも所々英語セリフを喋らせているのを、日本で上映する上で全部日本語に吹き替えているようです。
こんなに恥ずかしい映画を外国に売る気満々だなんて神経が図太いと言うか、無神経と言うか、買った国が可哀想。
わざわざそんな事をやってるけど、日本では外国映画に字幕を付けるのがフツーでも、殆どの国ではその国の吹き替え版しか上映しないのが常識なんだから、中途半端な言語ちゃんぽん版を作ってもどうせ全部吹き替えられてしまう。
外国人キャスト達も含め全員に日本語話させて、下手な人だけ吹き替えれば良かったのに。

等々思いながら、キャスティングについて特にマイケル役の兄ちゃんをどっかで観た気がして調べてみたら、台湾のF4のジェリー・イェンやったんですね。
ピエール役のキム・ジュンもなんと韓国版『花男』の美作あきら役だそうで、無駄に日本の花沢類(小栗旬)と台湾の道明寺司、韓国の美作あきらを揃えて、何がしたいのかこのルパン三世は。
まさか、別の国から西門総二郎役も連れてきて『花より男子』ワールドワイドスペシャルでも作る企画がポシャって、代わりに作ったんじゃないだろうな。

最初のミッションが終わって、いよいよルパン三世の物語が回り始めるかと思いきや、ルパン三世の映画じゃなくて、マークスっていう犯罪チームの話になりました。こんなのルパン三世が出てくる映画で有る必要が無い。
そもそも、マークスの存在する目的が全くわからない。リーダー爺さんの手足のように使われて、獲ってきたお宝は没収されしまう。何のために彼らは組んでいるのか。
マークスの本部が無防備過ぎて賊の侵入を簡単に許し、メンバーには殆ど抵抗する力が無く、あっという間に強奪されてしまうヘタレっぷりにも「何が犯罪ドリームチームやねん」と言いたい。
ここで次元が初めて登場するけど、爺さんの護衛のようなのに何の役にも立たないまま死なせてしまい、まるで復習のようにチームに合流。え?復讐劇なの次元にとっては。
その割にはこの後もずっとヌルいキャラクターで、チームの中では何故か料理人のような存在で、拳銃の達人的な演出はゼロ。
マイケルに銃を向けた時なんて、言って止めれば良いものを何故かルパンが次元の手から拳銃を撃ち弾いてしまう。「壊れるし!怪我するし!」と次元なら激怒しそうなものだけど、何も文句を言わないヘタレっぷり。だいたいなんでルパンは撃った。
帽子を照準器のように扱う場面は皆無で浅く被ったまま戦うし、件のシーンから銃の腕はルパンの方が上としか印象に残らない。

綾野剛の五ェ門の顔はずっとギャグとしか思えず、カッコイイとかそう言うところを目指して演技していても無理な出落ちキャラなのに加えて、演出がダメダメ。ここでこうあって欲しいって言う事はまずやらないし、やっても思ってたのとちょっと違う「これじゃない」感が続く。
剣で銃に勝てるかを試す場面では、銃弾を切るのかと思ったら普通に詰め寄って剣を寸止め。これって距離の問題が絡むから意味無くない?つーか、観たかったのは銃弾を切る場面で有って…と思っていたら、最後の襲撃シーンでは一応銃弾を切りまくって銃自体も切って倒す場面が有る。でも、この場面で観たかったのは、一気にやっちゃって銃弾がバラバラっと落ちた後で敵が一度にバタバタっと倒れていくあのアニメの五ェ門の感覚なんだけど、時間かかり過ぎて爽快感が伴わない下手さ加減。
車に斬りかかる場面では、車を真っ二つにすりゃ良いのに地面に刀突き刺しちゃって、どうやったらこう言うシーンになってしまうのかセンスが理解出来ない。

等々、おかしな場面をあげたらキリがなく、そろそろ書くのにも飽きてきたので、あと2つどう考えても解せないところをあげます。

一つは、敵の本拠地で金庫室に閉じ込められる場面。
マイケルがルパンを気絶させて中の金庫に入れるんだけど、空気圧が戻った時の事を考えたら金庫の蓋は完全には閉じずに何かを挟んでおいた方が良いよね?普通。等と考えながら観ていたら、マイケルは完全に閉めてしまって、おまけにカンヌキを下げてしまいやがる。
…しかし、爆破が終わって何の苦もなく出てくるルパン。

もう一つは、敵本拠地の前の地雷原の上で繰り広げられるクライマックスシーン。

本気なの?本気でこの映画作ったの?もう一度書くけど、誰も疑問挟めない空気だったの?

始まる前から地雷映画と友人と話していたのが、地雷が消える映画だったとは。



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