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更年奇的な彼女<日本語吹替版>

2016-04-11 | 劇場映画れびゅー
韓国映画ブームも今は昔。
火付け役となった映画のひとつ、『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督が中国を舞台に撮った『更年奇的な彼女』を観てきました。
★★

吹替版のみの上映だったので、しぶしぶ吹替版で。

韓国が舞台の『猟奇的な彼女』、近未来の日本が舞台の『僕の彼女はサイボーグ』に続く、『アジアの彼女三部作』完結編なのだそうです。
前作か8年、何を今更取ってつけた様に三部作?と思って調べてみると、『猟奇的な彼女』から『僕の彼女はサイボーグ』までの間も7年も有ったので、それ程不自然なことではなかったみたい。

『猟奇的な彼女』は、物語の意外性、絶妙なテンポ、ついつい乗せられて涙腺を刺激されてしまう笑いと涙のバランスと、どこを取っても好きな映画だし、次に撮った『ラブストーリー』もそれなりだったので、その後のクァク・ジェヨン監督作は全てチェックしていますが、以降の『僕の彼女を紹介します』、『最強☆彼女』、『僕の彼女はサイボーグ』は、いづれも酷く微妙。
そして、先ほど書いた2008年の『僕の彼女はサイボーグ』から先は、監督業自体をしていなかったようなので、スランプを自覚したのか単に飽きたのか、映画を一本も撮っていないから、三部作と言われても納得がいく。

8年経って満を持して、今度は中国を舞台に、中国人スタッフに囲まれての映画作りなので、何か革新的なことやらヒットの確信やらを期待しますよね?
しかし、監督らしさのやり過ぎの度合いが、もう8年経ってさらにイッちゃってて、誰にも感情移入出来ない怪作に仕上がってしまっております。

一言で言うと、ヒロインが終わってる。
冒頭から一切関わりたくない系の“思い込みの激しさが恐怖レベルな彼女”なので、可愛げとか実は本心を隠していてと言ったボーナスポイントを稼ぐ余地が無く、ただただ怖い。
怖すぎて、『僕の彼女はサイコパス』と言うタイトルの方が似合ってそうなレベル。

加えて、日本語吹替版で終わっているのは、相手役の兄ちゃんがどう見てもえなりかずき(をマシにした感じ)なのに、声をえなりかずきそっくりに当ててしまっていて、「俺は何を見せられているんだ」と、開いた口が塞がらないラブコメに仕上がってしまっている。

『猟奇的な彼女』を何度も観て、その度に涙してしまう俺的には、彷彿とさせる監督の独特なカメラワークや展開を観たり、カノンが流れるだけで一瞬ホロっとしてしまうことがあり、この映画自体の中身と関係のないところでは堪能させてもらいました。

散々うんざりさせられた後でも、クライマックスシーンだけは相変わらず上手い。



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