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終戦のエンペラー

2013-07-30 | 劇場映画れびゅー
おかしな描かれ方がされていないか心配しながら『終戦のエンペラー』を観てきました。
★★★★★

天皇陛下が大戦以前どんな存在で、どう慕われていたのか。
今の象徴としての皇室の情報をマスコミの報道等で見聞きしながら育ち、感じてきた慕う気持ちとは次元の違う世界に初めて触れた。
それも邦画ではなくハリウッド映画で。

外国に皇室について改めて教えられてしまうような情けない日本国民の私ですが、例えばこの映画の中で天皇陛下のあまりに趣の有る登場にグッと心が高ぶった私みたいな日本人は、今からでもより良い日本になることを考えずにはいられなくなるような愛国心が湧いてくるような映画でした。

日本人の心をハリウッド映画を通じて改めて示され、目に見えていた世界が変わる気持ちにさせられたことがここ数年で何度か有りましたが、今回の衝撃は憑き物が落ちたような清々しさを伴う。

国内ではいろんな考え方をする人に配慮した映画作りをしなければならないので、このような映画は絶対に製作が出来ないであろうところを、ハリウッドで実現出来たのはとても残念な気持ちと、よくやってくださったという気持ちで複雑。

テレビを通して国民に近く感じられる今の皇室と比べると、当時はもっとずっと尊い信仰の対象で、距離の有る存在、でもいつも心の中に感じられる神様だったというところは、戦後の教育を受けて育った我々からは薄れてしまった感情ですが、失ったままでいては日本人として勿体ない。

思い返せば先の震災地への訪問の際も被災者の方々との距離感。
この映画で描かれる時代と比べるとあり得ない近さで、戦後、皇室の方々がこの映画で描かれている昭和天皇の決断によって我々のそばに下りて来てくださったのだと考えると、近いからと言ってそれを当たり前とせずに自分の中に尊ぶ気持ちを持ち続ける事が大切。

私が生まれ育って来た今の日本のもとになっているのは、この映画で描かれるマッカーサー以降の統治時代に作られた仕組みや思想がもとになってる。
改めて、戦後私達の祖父の代から延々数十年も続いた敗戦国の国民の反省として、悪かったところは悪かったところとして改めて受け止めた上で、良かったのに失ってしまったところについて、先の選挙で政府が正常に回るようになったこの機会に再び取り戻していければと言う気運が、この映画を機会に高まればより良い日本になるのではないかなと思いました。

戦勝国のアメリカで作られてはいても、一切一方的な作り方にはなっておらず。
あくまでフェアな描き方だったところと、変な思想に侵されていないところに一番感動しました。
だからこそ皇居敷地内での撮影も可能だったんでしょう。

当時の日本を再現した数々のセットのクオリティーの高さは、邦画ではあり得ないレベルなので羨ましいばかり。

日本ではとっくに大御所で通っている役者さん達も参加しており、ハリウッドに向けてのショーケース的な作りになっているところも素晴らしいです。

ラブストーリーのパートが若干邪魔気味なところが残念。



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