言葉の格闘、夏休み子供科学相談室は9月まで聴けます!2/2
以下、9月11日記載
今回、このように「あら」を指摘しましたが、8月後半の番組にも興味深い解答がありました。8月23日(木)、夏後半の最初の日です。「なぜよい空気と悪い空気があるのか」という質問につづいて、「鳥人間がいれば学校に遅刻しませんか」という質問がありました。
前者の質問に対しての答えはいまいち。「いい空気は人間にとって心地よいからです」が答えでした!。これに対し「分かりましたか?」と訊いて「はい」と答えさせるのはちょっと酷ではないでしょうか。もっといえば、思考停止に誘うことにならないでしょうか。そのかわり、たとえば、以下のように説明すればどうでしょう。宇宙には悪い空気と私たちが思う空気がたくさんあり、そのなかで、ただ一つ、よい空気だと今私たちが思う種類の空気が人間の祖先の生物を育てたから、とうぜん私たちは育ててくれた空気をよいと思い、それ以外の空気は悪い、毒だと思う...、こういう言い方が悪ければ、「合わない」わけです。海で育った魚は海水が好きで淡水は苦手だし、淡水で育った魚は海水が苦手なのと同じですネ。こう説明すれば、たとえば、人間には毒かもしれない別の種類の空気で育った生物がいるかもしれないと考えが広がり、思考停止は免れるのではないでしょうか。
さて、「鳥人間がいれば学校に遅刻しませんか」という質問への答えはよく考えられていたので、ここで答えの構成をご紹介しましょう。
「鳥人間がいれば学校に遅刻しませんか」
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何故遅刻するのか。
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質問者:怠けるから。
↓
飛ぶのにはたいへん労力が必要。(歩く→走る→飛ぶ、の順序で労が多く必要)
↓
怠けたい場合、鳥も歩くからやはり遅刻する。
and
労力を要するから学校へついてもまたご飯が食べたくなりやはり遅刻する。
↓
ところで、鳥はエサ取りのためがんばって早起きなので遅刻しないかもしれない。
↓
早起きの理由は早寝だから。
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もし鳥人間が人間同様に夜更かしをするなら、やはり遅刻するだろう。
and
人間同様お母さんが食事を用意してくれたら頑張る必要がなく、やはり遅刻するだろう。
↓
まとめとして、鳥はたいへん努力をして飛び、エサ取りや天敵から身を守るために必死になって早起きをしているのに対し、人間はまわりに世話をしてくれる人がいるのでなまけてしまいがちだ。
↓
結論は、鳥になるより、怠けないで早起きをしましょう。
こうした、心理的、道徳的な答えを導くのは考えをそらしてしまう可能性があるのですが、ここでの答えは、科学の本質からずれず、witとhumourがあり、うまくまとめています。名解答と言えます。回答者のK先生はなかなか人気者のようです。
*写真の鳥はズグロモリモズ。つぎの鳥関連の質問に登場しました。
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