『英語教育論の進め方への疑問 - 普通の日本人にとっての英語学習は、<限られた時間で、限られた英語力を養う>ということ』の草稿より
(2018年10月、画像追加)
日本人にとって英語は難しい言語だということ....。まるでタブーであるかのように、このことに触れられません。商業的理由でしょうか…。
今回、「アメリカ人にとって日本語が難しい」という、米国国務省の外交官向けデータを紹介します。
「アメリカ人にとって日本語が難しい」ということは日本語と英語の距離が離れているということで、「日本人にとって英語が難しい」ということを意味します。(日本語の文字が3種類だという点は、差し引いて考える必要がありますが)
このことを考慮に入れないで、「日本人は英語が不得意だ」、あるいは「英語教育が悪い」と言っても意味がありません。
出典は、『日本人の英語勉強法』(2013 バーダマン)。この書の評価についてはまた触れたいと思います。よい点と欠けている点があると思います。
The Foreign Service Institute (Department of State)
外交官が実際に習得にかかった(らしい)時間の言語別のリスト
いつのリストか分かりませんが、言語はそう簡単に変わらないことを考えると参考になります。
日本語は、Languages which are exceptionally difficult for native English speakersの、5言語の1つに分類され、そのうち、唯一、「特に難しい」のアスタリスク(*)マークがつけられています。つまり、世界一難しい言語 ということになります!。
ちなみに、以下の「~週間」とは、習得時間のこと。すでに外国語のエキスパートである外交官にとっての習得時間です。(「~語」は省略)
1/5 英語と密接に関連した言語:23 ~24週間
アフリカーンス、デンマーク、オランダ、フランス、イタリア、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スウェーデン
2/5 英語に似た言語:30週間
ドイツ
3/5 英語から言語学的に、および/もしくは、文化的に異なる言語:36週間
インドネシア、スワヒリ、マレーシア
4/5 英語から言語学的に、および/もしくは、文化的に著しく異なる言語:44週間
アルメニア、アゼルバイジャン、ブルガリア、ビルマ、クロアチア、チェコ、*エストニア、*フィンランド、*グルジア、ギリシャ、ヘブライ、ヒンディー、*ハンガリー、アイスランド、クメール、ラトビア、リトアニア、マケドニア、*モンゴル、ネパール
5/5 英語のネイティヴスピーカーにとって習得が非常に難しい言語:88週間
アラビア、広東、中国標準、*日本、韓国
アスタリスクに注目!。