外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

NHK 子供科学電話相談は言葉の勉強のための絶好の教材

2016年08月10日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

NHK 子供科学電話相談は言葉の勉強のための絶好の教材

参考:2018-9冬、言葉の格闘、子供科学相談室がまた始まりました

7月、夏休みになってから、午前中、NHKラジオ、中波第一放送で、「夏休み子ども科学電話相談」という番組が、毎日放送されているのをご存知ですか。


子供科学相談スタジオ「言語の学習」という観点からこの番組に触れているのを聞いたことがないので、このブログで扱うことにしました。とはいえ、まだ準備不足。しかし、野球や選挙でこの番組がキャンセルになることが多いので、時宜を失しないうちに触れておきましょう。

たしかに、大人の間でもこの番組は一定の評価はあるようです。しかし、その理由は、以下の二つのようです。

(1) 子供の質問する様子と声がかわいい。

(2) 子供の質問には、素朴ながら、大人が気がつかない肝心な点をついている。

加えて、各先生が「悪戦苦闘」する、という言葉が伴います。しかし、私は、「悪戦苦闘」する先生たちの答え方に注目しました。

結論から言いますと、概して説明は下手。しかし、ときどき、上手と思う説明をする方がいます。

「下手」な例のなかでも、一番単純な例を挙げます。「植物は光合成で栄養を作るのに、どうして食虫植物は虫を食べるのですか」という問いに対し、最初のうち、「○○君、植物を緑にするものがあるよネ」と話し始めるのですが、解答者は途中で、説明なしに、葉緑素を指す英語、「クロロフィル」を使い始めました。さすがに、これはまずいので、後ろで聞いている他の先生たちが騒ぎ始めましたのです。この例は一番単純な例ですが、相手が知らない概念で説明しようとする間違いがよくあります。

腸ときおり○○ちゃん、「~~」という言葉を知っている?と尋ねることがありますが、それは、子供でも知っている言葉であって、別の部分では、子供には分からない概念(と思われる)を使って早口に解説を進める、ということもよくあります。

どうも、先生たちは、「知らない人に理解させる」という言語の基本の訓練が不十分のように思えるのです。それは、「悪戦苦闘」と言いながら「ほほえましいですね」というような言葉が続く「批評」で言われることより、より深刻な事態を暗示してるのではなかと思います。

たいていの「先生」に共通するのは、大人どうしの言葉と違う、子供相手のときの、とくゆうの言葉遣いを多用する点です。「○○ちゃん、分かるかな」の類です。どうして、こういう話し振りをするか。そういう言葉遣いをしたところで、分かりやすくなるわけではありません。それは、相手が子供に限らず、「知らない人に理解させる」ことに自信がないからではないでしょうか。若者が、仲間はずれになることを恐れて、いわゆる若者言葉を連発するのと同じように、「不安」の現われではないかと思います。

以上のように書くと、この番組をおとしめているように聞えるかもしれませんが、こういう欠点に気がつかせてくれることを含め、この番組の答え方、説明の仕方は、とても考えさせてくれるのでぜひ、聴かれることをお勧めします。わたしたち日本人は、みなこれらの先生たちど同様、説明下手なのですから。

最初に、「準備不足」と言いましたが、みごとな説明の例をがあったら、ぜひいつかご紹介したいと思います。ただ、今言えるのは、子どもと先生の間を取り持つ司会者は上手だということ。私の記憶ではたしか、藤野さんという女性アナウンサーは、先生の飛躍を補い、ずれた説明を子供が訊きたいことに戻したりすることに長けています。

ただ、いつも、説明の最期に、「アナウンサー:○○ちゃん、分かったかな、分かったよね」、「子ども:はい、分かりました。」、「質問してくれてありがとう」、「ありが
考えるカラスとうございます」で、終わるのはどんなものでしょう。質問者は分かっていない、あるいは不満足ではないかと思える場合が多いのですが。科学の本質から言っても、問いと答えをオープンにして終わる形もあるのではないかと思います。この問題意識に答えてくるのが、『考えるカラス』。前回のブログで触れたNHKのネットで見られる科学番組です。