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シリーズ 日本人の英語
前回
斉藤博(3)
昭和11年(1936)、226事件の際、駐米大使、斉藤博は、いち早く米国のメディアに自らの姿を現わします。
以下のBBC、"the Road to War - Japan"、22:51の、ニュース映画に登場します。
http://www.youtube.com/watch?v=yDv8NxGv9Yg
"Japan is a spoiled child who may go astray any moment, who may run amok at the slightest provocation. spoiled child"
「日本は今にも迷子になってしまう駄々っ子と同じ状態で、ちょっとした挑発を受けただけでも自制心を失いかねない状態です。」
きわめて危機的な状態であることを海外に伝えようとする斉藤の真意はどこにあるのでしょう。足を組み、タバコをくゆらす「余裕」の構えも意図的なのでしょう。
ちなみに、このニュースで、斉藤博は226事件で殺害された内大臣斉藤実(まこと)の息子と述べていますが、そうではありません。
語彙:spoiled child:甘やかされた子供 go astray迷う any moment今にも run amok (= amuck)荒れ狂う at the slightest provocationちょっとした挑発にも
★ 写真は、横浜から出帆する秩父丸上での斉藤博一家
この英文の最後のspoiled childは? あ、前にピリオドがあったか。「甘やかされた子供よ」という感じの呼びかけ、ないしは詠嘆ですか?
すみません。しかし、どういう意味で、a spoil childという表現を用いたかというと、興味深いことです。
駐米大使ですから、自国のことを、低めて言うことはないでしょう。
当時の日本の知識人は自国の状態をどう感じていたかを示す、一つの指標かもしれません。このフィルムを観て、意外感に打たれ、まだ、十分には理解していませんん。
ちなみに、斉藤博は斉藤実とは無関係。こんな情報の混乱も興味を引きます。