外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

NHK夏休み子供科学相談室は言葉の勉強に最適 今年も!

2018年07月23日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

NHK夏休み子供科学相談室は言葉の勉強に最適 今年も!

夏休み子供科学相談室2018今日7月23日から例年のとおり、『夏休み子供科学相談室』がNHKのAM、第一放送で始まりました。11時ごろから少しだけ耳にしましたが、さっそく言葉の使い方と言う点で気が付くことがいくつかありました。

「どうして蟻は壁を登るのですか。」という問がありました。それに対し、藤井アナウンサーは、「なぜ、とう意味ですか、それとも、どうやって、という意味ですか?。」とすぐに問い返しました。相変わらず藤井アナウンサーは冴えています。毎年最初の週は藤井アナウンサーです。そのあと、別のアナウンサーに代わるのですが、他のアナウンサーの場合、言葉の使い方についてストレスがまったくないかな、と問われれば、...。今年も注意して聴いてみましょう。時間があるかぎり。

そのあと、回答者の先生が答えますが、必ずしも「科学的」に答えているかというと案外疑問です。その先生たちと子供を繋いで番組を論理的、説得力ある形で成り立たせているのがアナウンサーなのですが、藤井さん以外の方にもがんばってもらいたいです。アナウンサー修行の場としてもとてもよい番組だと思います。大人同士だとお互い知っている旧知のことがらに頼って話している、ということに気が付かないものです。

さて、昆虫の次は宇宙です。「宇宙に壁があるのですか」の問への答えはまずかった。宇宙が膨張するとか、時間と空間を越えてなど、<ある知識を前提した説明>に終始していました。専門家というものは細かいこと、新しいことには詳しいのですが、それらのことを成り立たせる論理は案外もろいことが多いです。ここでは、「地球の果てに壁があると思いますか。」という問へもっていくべきだったでしょう。「昔の人は、地球の果ては滝のようになって水が落ちていくので、遠いところに行くことを戒めていたこともありました。」という具体例も図示できるともっとよいでしょう。そのあとで、生徒の発展状況に合わせて二次元にあることは三次元にもあることではないか、という推測に導くこともできます。

科学相談室スタジオたしか、この問に対して、質問者は「分からない」という姿勢を示しました。そのとき、回答者もアナウンサーも「無理に分かったと言わなくてもいいのですよ」ということを笑いながら言っていましたが、ここのところは、「~しなくてもいいですよ」ではなく、「分からないことは分からないとはっきり言いましょう」と言うべきです。ここにこの番組の問題が潜んでいます。必ず、「分かりました」「ありがとうございます」と言わせようとしているようです。その部分で滞ると、出演者たちがあせっている様子が分かります。これは大人の論理というものです。

「解決」するのではなく、次の問題に気がつくようにさせるようにすべきす(註)。今回、「腐ったミニトマトを捨てたら芽が出て、1メートルになり花も咲いたのに実が付かないのなぜでしょう」という質問がありましたが、それに対して回答者は受粉を人工的に行うことを提案していました。であるなら、1か月後の結果を知らせてくださいという気づかいがあってもよいと思いますが...。番組が終わった後、その旨連絡しているのかもしれませんが。

註:NHK『考えるカラス』は、簡単に答えを出さず、考えさせるという点で優れています。