外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

シリーズ 日本人の英語 戦前の駐米大使 斉藤博(6)

2014年02月25日 | 駐米大使:斉藤博 1886 - 1939

斉藤博  

シリーズ 日本人の英語

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斉藤博(6)

改めて、斉藤博と、松岡洋祐を比べてみたいと思います。どちらも英語を話す能力は高く、それを公式のスピーチで表現する力も優れています。昨年、人々の眉を顰めさせた「シャラップ大使」の話しているのをユーチューブで聴けば、その能力の高さが分かります。

では、両者は、言語使用という点においてどこが違うかというと、松岡は、類型的表現を用いているのに対し、斉藤は聴き手の知識や気持ちを察して、それに訴 える表現を用いている点です。松岡の演説が決別のためだから、理解させることに熱心でなかっただろうと考えることもできますが、残念ながら内容は歴史的演 説とは言えません。一言印象深いレトリックを用いれば歴史に残るよい機会だったのですが…。以下のユーチューブのページには、松岡の演説の録音とトランス クリプト(写真なので読みにくい)があります。

http://www.youtube.com/watch?v=KIJAT6dJVIE

斉藤の、パネー号事件に際してのスピーチでは、「涙を浮かべて」の評もあるとおり、表現が観衆に届いたようです。その違いは、才能ということもあるでしょ うが、伝えたいという意思の問題でしょう。ここで斉藤は画面に向かって話していますが、ラジオの時代、普通は考えることのないニュース映画出演を考えたの も、伝達ということを真剣に考えた上でのことだと思います。ニュース映画制作を考えたのも並外れたといえます。
http://www.youtube.com/watch?v=eugh0QYNsGE

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