外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

VOA Everyday Grammarの2018年3月18日以降

2018年08月31日 | 教室での教材から

VOA  Everyday Grammarの2018年3月18日以降、書き加えました。

アメリカの政府放送の英語教育サイト、VOA Learning EnglsishのEveryday Grammar TVは2分間の優れた文法番組です。1018年3月11日までを文法項目別に整理しましたが、それ以降のインストールメンツがたまってきたので。書き加えました。(各項目内では、新しいのが一番上に来ます。分類しきれいないものについては二項目にわたって記載したものもあります。)

優れた英文法動画コラム、VOA Everyday Grammarを項目別に整理しました。1/2

優れた英文法動画コラム、VOA Everyday Grammarを項目別に整理しました。2/2

everyday Grammar be supposed to下にあるのは、3月末から7月までの記事をです。上から新しい順です。

私の場合、URLはリンクしてありませんが、全部コピーして、自分宛のメイルで送ると、全部リンクされました。

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Everyday Grammar TV

https://learningenglish.voanews.com/z/4716

180831動詞一般  Everyday Grammar: Two -ing Words In A Row ingで終わる単語が連続する場合
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-two-ing-words-in-a-row/4389860.html
July 08, 2018

180831 Everyday Grammar: Phrasal Verbs + Back  句動詞(動詞+backのさまざま)
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-phrasal-verbs-back/4389859.html
July 01, 2018

180831 Everyday Grammar: Conditionals (Without "If")  ifのない条件文
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-conditionals-without-if/4389862.html
unless / otherwise / as (so) long as
June 24, 2018

180831英語全般  Everyday Grammar: I Before E Except After C
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-i-before-e-except-after-c/4389867.html
綴り:believe / dieのような場合と、receive / ceilingのような場合、そして例外も
June 17, 2018

180831 語彙一般 Everyday Grammar: Words That Are Not Words, But Are Words Part 2 単語ではない単語 2/2
誤用されやすい単語:fun / impactful / factoid / first
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-words-that-are-not-words-but-are-words-part-two/4389869.html

June 10, 2018

180831 英語全般Everyday Grammar: Palindromes 回文
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-palindromes/4389861.html

June 03, 2018

180831英語全般  Everyday Grammar: Words That Are Not Words, But Are Words Part 1 単語ではない単語1/2
誤用されやすい表現:regardless of / anyway / for all intents and purposes / I couldn’t care less
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-words-that-are-not-words-but-are-words-part-one/4389866.html
May 27, 2018

180831英語全般 Everyday Grammar: I.e. & E.g.  ラテン語から来る文章記号
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-i-e-and-e-g/4368200.html
May 20, 2018

180831 論理関係 Everyday Grammar: Ever Words  everで終わる単語
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-ever-words/4368208.html
名詞節と副詞節(学校文法の用語)の場合の列挙
May 13, 2018

180831 名詞、代名詞 Everyday Grammar: Antecedents + Pronouns  先行詞+代名詞
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-antecedents-plus-pronouns/4368127.html
名詞と代名詞の関係
May 06, 2018

180831 動詞 Everyday Grammar: Tell, Say, Speak, Talk 「言う」を表わす4つの動詞
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-tell-say-speak-talk/4258172.html
April 29, 2018

180831 英語全般Everyday Grammar: You Know
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-you-know/4258171.html
April 22, 2018

180831時制 Everyday Grammar: Yesterday, Ago, Last
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-yesterday-ago-last/4258152.html
April 15, 2018

180831 動詞一般 Everyday Grammar: Subject-Verb Agreement & Phrases 主語―動詞の一致、そして句について
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-subject-verb-agreement-and-phrases/4258166.html
April 08, 2018

180831 動詞 Everyday Grammar: Lend vs. Borrow
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-lend-vs-borrow/4258139.html
April 01, 2018

180831句動詞 Everyday Grammar: Eager vs. Anxious
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-eager-vs-anxious/4258147.html
March 25, 2018

180831動詞 Everyday Grammar: Assure, Ensure, Insure
https://learningenglish.voanews.com/a/everyday-grammar-insure-assure-ensure/4258156.html
March 18, 2018

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言葉の格闘、夏休み子供科学相談室は9月まで聴けます!1/2

2018年08月30日 | 言葉は正確に:

言葉の格闘、夏休み子供科学相談室は9月まで聴けます!1/2

夏休み子供科学 8月20日

前半:

NHK、AMラジオ第一の『夏休み科学相談室』の人気が上がっているそうです。今年の夏の放送は明日、8月31日(金)で終了しますが、インタネットのラジルラジルで9月末まで聴くことができます。7月の末の時点では聴けるのは一週間ということだったのですが、ある時から9月までになっているので何かの間違いかなと思っていましたが、昨日の放送によると、人気があるので延長を決めたということでした。

聞き逃しサービス、ラジルラジルはこのページから。7月30日(月)が最古になっていますが、各ページを開くとその前の週の番組も下の方に出ています。たとえば、7月30日(月)を開くと、下に7月23日(月)の番組が見つかります。

この番組は、子供向け科学番組というだけでなく、言葉の使い方の勉強になると数回前のブログで触れました。「知らない人」に「知っている人」がいかに理解させるか、というとても困難な(英語ではchallenging)な課題を、音声のみで行おうということですから、これは言葉の格闘と言ってもいいかと思います。子供より大人にぜひ聴いてもらいたいと思います。

今年は例年以上に時間がある限り聴きましたが、たくさん聴けば欠点も目立ってくるものです。今回ちょっとあらさがしをします。

一週間目は毎年、藤井彩子アナウンサーです。論理性、隠れた文脈を掴む力、焦点を当てる部分に過たず光を当てる力など優れています。毎年一週目に担当になるということは、NHKの人も藤井さんの力を理解しているのですね。たとえば、以前指摘しましたが。「どうして~?」と訊かれた場合、間髪を入れず、「それは、どのようにして、という意味ですか、なぜ、という意味ですか」と聴き返します。他のアナウンサーは必ずしもそうはしません。

夏休み子供科学 イラストその藤井さんにも、今年は少し気になることがありました。一つ目は「そうか、そうか」という相槌です。いかにも子ども扱いしているという感じがします。もう一つは、「瞳孔」と言う言葉の意味を説明するのに先生が苦労しているとき、「それは、ひとみのことですか」と助け船を出さなかったことです。以前はそうしていたように思います。「慣性」についても「慣れ」ということで助けることができたと思います(少しあとでちらと言っています)。慣性については先生が、電車の発車時にジャンプする例でうまく説明できましたが。ま、長く聴いているとこのようなあらが見つかりますが、藤井さんの司会は見事です。

「そうか、そうか」という相槌に戻りましょう。これがなぜ問題なのか。これは、相手に媚びることに通じるからです。あらゆる大人が発する子供言葉と同様、こういえば気に入ってもらえるだろうという心理が根底にあります。子供相手だけでなく、大人同士でも、相手に気に入ってもらえるため、同じ仲間だよね、ということを理解させるために言葉を使うことはありませんか。相手を傷つけないためといえば聞こえがいいですが、相手と不和になり自分が傷つけられたくないという不安、もっとストレートに言えばエゴイズムが動機です。言葉は伝え、理解するためにありますが、このような言葉の使い方は、自己中心ですから、伝達、理解の拒否と言ってもよいです。(この推論、ご理解いただけるかどうか...)この番組は、科学がテーマです。明快に伝えるために、このような「心理的」言語は不要、もっと言えば、聴き手を混乱させます。

巻貝フィボナッチさすがに科学者である解答者の先生方は、こういう陥し穴にはまることは比較的に少ないです。説明がへたな場合も多いですが、必死になって説明するときこのような心理が働く余地がないからでしょう。たいていの場合、先生は子供に対しても、敬語(です、ます調)で話す点も好感が持てます。これは子ども扱い、つまり余計な「気配り」をせず、大人と対等に扱っているからです。

こういう陥し穴に陥り易いのは、むしろアナウンサー、とくにタレントの方です。対象の理解ということではなく、その場の人間関係を維持したいという不安からか無意味なことを言う傾向があります。あるタレントさんは電話が通じると「よろしくお願いしま~す」と発声し、子供にもそう言うことを求めます。「よろしくお願いします」とは何を意味しているのでしょう。この表現は放送業界の人たちの隠語ではないでしょうか。この表現は上下関係を前提していて、上の立場の人から下の人へは「問題を起こすなよ」という意味、下の人から上の人に対しては「私は貴方の指導に従います」という意味でしょう。このような仲間への同化を求める表現(部外者の排除という意味も含む)は、科学を追及する番組には相応しいと思えません。「やばい」というような隠語も避けなければならないのも、下品ということではなく、同じ理由によります。

To be continued

 






東医大点数操作問題の根底に言葉の問題が

2018年08月29日 | 言葉は正確に:

東医大点数操作問題の根底に言葉の問題が

東京医大文科省公務員の汚職問題から、瓢箪から出た駒のように、入試問題の点数操作が明らかになりました。「訳知り顔」というのでしょうか、「どこでもやっている」、「女医の増加は大学病院の運営に障害だ」という意見をコメンテーターが述べて、なんとなく世間は納得している、ということはないでしょうか。「世のなかとはこうしたものだ」という「大人」の納得が余韻を引きます。あとは文科省の担当者や大学当局者が訴訟などの問題の「処理」に頭を痛めるばかりで、世間は忘れていくのでしょう。

しかし、では、女医の増加を抑えこめばいいのでしょうか。どうやって?。試験の公平さとどう折り合いをつけるのか。なによりも、なぜこの問題が起きたのか、という点にさかのぼらないと解決への道筋が描けないでしょう。

かと言って大学医学部の精通していなければ分からないという特殊な、そして偶然的な要素の強い問題でもありません。日本の医療全体に関わるという一般的な問題であるので、はっきりした問題点があるはずです。しかもそれは、知識がなくとも常識(common sense)で考えることができることです。

東医大女子差別女医が多くなると大学の運営に差し支えるらしいということが分かったとき、一つの解決法は、入試要項に本大学は、こうこうこういう理由で女子の定員を男子の半数とする、とか、当大学卒の開業医の子弟は優遇措置をする、と謳うことです。それは、なぜできないか。もしそれを書くと試験の公平さ、ひいては、人権に反するという非難が生じるからです。いや、より正確には、そのことを恐れるからです。恐れた挙句に表面的には男女差別なし、裏では差別ありという事態を生み出しました。ばれなければだいじょうぶです。日本中の私立医大はおおかれすくなかれやっていることだから、ということでしょう。例の、渡れる赤信号ですね。しかし、ばれた日にゃ...。ご覧のとおりです。これは十分予測のつく事態です。

では、どうすればいいか。公に話し合うしかありません。たんに話し合うというよりディベートを通して妥協点を見つける以外の方法はありません。人権が関わる議論は、言いたい放題にしておくと、人権を盾にとって感情を満足させようとするリベラルと、左翼の偽善に苦い思いをするかたくなな「保守派」に分かれてしまい、たがいにいがみ続けることは歴史的にも、日常的にも私たちはしばしば見てきました。ところが、日本人の特性とは言いたくないですが、大学の経営者たちは、まず討論を恐れ、嫌うでしょう。当面の危機を回避でき、財政面で問題がなければ、討論を通して妥協点を見つけるより、隠ぺいを選ぶでしょう。たしかにディベートに必要なエネルギーは、隠ぺいの10倍、いや、100倍かもしれません。伝統的な「日本的」教育を受けた高齢者に耐えられるものではないことは私も承知しています。しかし、公の議論をしないでは、日本の医療の将来全体に関係するこの問題を解決することはできません。

GHQ議論を避け、相手を説得する能力が欠如しているという点では、1945年の敗戦後、アメリカ式の教育制度を唯々諾々として受け入れ、旧制高校などの廃止を許した、日本の代表的知識人たちのことを考えないわけにはいきません。当時、中途半端に移植した「教養課程」などの制度のせいで、今も日本は苦しんでいます。通俗的には、学制を敗戦後も維持したドイツのケースと違う結果になったのは「人種的偏見のためだ」と言われていて、なんとなくそう思っている人が多いですが、そうでしょうか。ある学者はGHQから大学に帰ってきたとき、学生に「先生、なぜもっと強く言わなかったのですか」と問われて、「君、GHQを相手にそれは無理だよ」と言ったとか。アメリカの政治史を垣間見ると、理屈に合わないことをごり押しすることはなく、理路整然と説得力にある主張には耳を傾けるという場面に多く出会います。1945年のことについては知識がなく、確たることは言えませんが、理論的に何も言えなかった日本の知識人の方に咎があるように感じられます。知識人にとっての戦争とは実弾の戦争に負けたその日から始まるのだと思いますが、そうした知識人は日本にはいなかったのでしょうか。

話が、戦後史に飛んでしまいましたが、議論を嫌い、なんとかなるという姿勢がさらなる事態の悪化を招くということを、リーダーになる人たちに肝に銘じるまで教育する必要があるでしょう。

* 河合栄次郎が戦後まで生きていたら、GHQとの交渉がだいぶ違っていたのではないかな、などと思います。


 


続き:『理科系の作文技術』はハウツー書ではない

2018年08月24日 | 木下是雄:国語教育と英語教育の架け橋

『理科系の作文技術』はハウツー書ではない  続き

前回からずいぶん経ちました。前回は以下の問題の引用で終わりました。

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文庫版、28ページにある、以下の文の問題点がどこにあるか分かりますか。

事実と意見のスリカエ例:p.028
大磯は、冬、東京より暖かいと信じられているが、私は、夜は東京より気温が下がるのではないかと思う。夜間、大磯のほうが低温になることにふしぎはない。暖房その他の熱源が少ないし、第一、東京にくらべてはるかに空気が澄んでいて、夜は地面から虚空に向かってどんどん熱が逃げていくからである。

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木下是雄2気が付かない人が多いと思いますが、前半で、「~ではないかと思う」という意見(推測)を述べているにも拘らず、次の文では「夜間、大磯のほうが低温になることにふしぎはない」と、事実を前提していると解釈できる形にしています。「夜間、大磯の方が低温になるとしてもふしぎはない」と述べるべきでしょう。

それでも、「~ことにふしぎはない」でもいいではないかと言う方もおられるかもしれません。たしかに、「と思う」がぼんやりとした修辞として使われている場合、なんとなく受け入れてしまう場合があるからでしょう。

「今年の夏の暑さは酷かったと思う。7月、8月をとおし酷暑だったことに不思議はない。---」この文などでは、「思う」という表現があろうとなかろうと、読者が酷暑だったことを知っているので、そのまま事実として通ってしまのです。こういう場合にも使うので、「~ことに」は、事実を前提ているのか、そうでないのか「あいまい」な性格を帯びます。この「あいまい」は英語ではambiguousにあたります。たんにぼんやり、というより、「二つの意味のどちらにもとれる」という意味です。

こうしたambiguousな表現を積み重ねていくと、読者は誘導されて、その結果間違った結論にもすんなり納得してしまう可能性があります。そうならないために、一見、小さなことのように見えても、事実か意見かの違いには注意を払いたいと思います。

事実の記述か、意見かの見極めは若いころからの修練、習慣によって養われるもので、そうたやすいものではないと木下さんは強調します。p.042に、木下さんはこう述べています。

事実の記述と意見とのちがいを詳述してきたが、事実と意見とを異質なものとして感じ分ける感覚を子供の時から心の奥底に培っておくことが何より大切である。この感覚が抜けている人はは、科学、あるいはひろく言って学問の道に進むことはむずかしい。また、この感覚がにぶい人はたやすくデマにまどわされる。

「たやすくデマにまどわされる」という点について筆者は思い当たる節がたくさんあります。深刻な場合が多いです。機会があったら述べましょう。皆さんは思い当たる場合はありませんか。

以下にp.043にある練習問題を引用しておきましょう。答えは少しあとのインストールメントに。

問題2.1】次の文は事実の記述か、○(はい)、×(いいえ)で答え、理由を述べよ。

(1) 私は、自分のしたことは正しかったと信じている。

(2)『平家物語』によると、腰越にとどめられた義経は大江広元に書状を送って窮境を訴えたという。

(3)茅ヶ崎駅は横須賀線上にある。

(4)明日は必ず9時に出社してください。

(5)私がそのとき「しまった」と思ったのは事実である。

* 上記の問題は少し変えてある(主に句読点)。

* 木下書から多く引用をしている理由は次のとおり。たしかに『理科系の作文技術』、『リポートの組み立て方』はベストセラーだが、じっくり吟味しながら読む人は少ないように思う。ツイッターなどに慣れている人は考えながらゆっくり読むことはがまんできないということもあるのかもしれない。そう思ったので、この書を細分化し、考えながら読むことを促すことも無意味でないと考えた。