気分的には、いきなり『暑さ』に、レンタカーにおしこまれて拉致監禁された女子大生な気分だ。そのうち通報されるぞ!
気分的には、いきなり『暑さ』に、レンタカーにおしこまれて拉致監禁された女子大生な気分だ。そのうち通報されるぞ!
あたりまえのことをあたりまえにこなさないで、一人ほくそ笑み、コレが俺のやり方なんだとテメー勝手な行動をして、ニヤリと未来は俺のものだと妄想する。
これが本当の若さなんだよなと思う。
当たり前の事をさぼってきた結果が俺である。
誰からも相手にされず、道を歩けば不審者扱い。
勝ち組も負け組も、そもそも俺には関係なく、だいたい勝負の土俵には初めから上がっていない。上がる為の努力もしなかった。
俺が、世間からはじかれているわけではなく、俺自身が世間をクソ下らないと決めつけてはねのけていたのだ。
今では取り返しがつかない、こんな事なら土俵に上がる為の努力をするべきだったと悔やむ。
あたりまえの事をちゃんとこなさないと、俺みたくなるよ!
もみほぐす胸も無く、一人寂しく若隠居を決め込む。
衰へたる末の世とはいへど、なほ、九重の神さびたる有様こそ、世づかず、めでたきものなれ。
露台・朝餉・何殿・何門などは、いみじとも聞ゆべし。あやしの所にもありぬべき小蔀・小板敷・高遣戸なども、めでたくこそ聞ゆれ。「陣に夜の設せよ」と言ふこそいみじけれ。夜の御殿のをば、「かいともしとうよ」など言ふ、まためでたし。上卿の、陣にて事行へるさまはさらなり、諸司の下人どもの、したり顔に馴れたるも、をかし。さばかり寒き夜もすがら、ここ・かしこに睡り居たるこそをかしけれ。「内侍所の御鈴の音は、めでたく、優なるものなり」とぞ、徳大寺大政大臣は仰せられける。
__________________________________
<口語訳>
衰えた末の世とはいえども、なお、宮中の神びた有様こそ、世付かず、めでたいものである。
露台・朝餉・何殿・何門などは、すごいとも聞こえるはず。下賤の所にもあるはずの小蔀・小板敷・高遣戸なども、めでたくこそ聞こえる。「陣に夜の設せよ」と言うのこそすごかった。夜の御殿でだ、「かいともしとうよ」など言う、まためでたい。上卿の、陣にて事行える様子はさらにである、諸司の下人どもの、したり顔になってるのも、おかしい。そればかり寒い夜もすがら、ここ・かしこに眠り居るのこそおかしかった。「内侍所の御鈴の音は、めでたく、優なるものである」とだ、徳大寺大政大臣は仰られたそうだ。
____________________________________
<意訳>
朝廷の権威おとろえた末世とは言え、今なお、宮中の神々しい様子だけは世間と異なり、素晴らしいものである。
宮中では廊下を「露台」、食堂を「朝餉」と呼んだ。
ただ「なんとか殿」とか「なんとか門」など言っているのを聞いただけで、格好よく思えた。
粗末な家にもあるような窓や板の間でさえ、宮中では、「小蔀」とか「小板敷」とか「高遣戸」などと呼ぶ。すごく素晴らしく聞こえた。
宮中の詰め所で、「陣に夜の設けせよ」と言ってるは、格好よかった。
夜の寝殿で、「明かりに火を灯せ」と言うのも、素晴らしかった。
儀式の責任者である上卿が、詰め所で指揮をとる様子は、素晴らしかった。
従う諸司の下級役人達の、したり顔で任務行う姿も、可笑しかった。
これ以上ない寒い夜ふけに、あちこちで仮眠をとっている役人達の姿も、可笑しかった。
「内侍所の鈴の音は、めでたく優しい」
と、徳大寺大政大臣は仰られたそうだ。
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<感想>
『徒然草』は、前段から新機軸を展開し始めた。この段は、その新機軸2回目である。
分かりやすいようにカテゴリに分けてみよう。
序段から18段までが、「青春・苦悩編」。
兼好が、出家に至るまでの苦しい胸の内が書いてある。
19段から21段までは、「出家ほやほや編」。
出家したての兼好の、ホヤホヤ産みたての気持ちが書かれている。
世を捨てて、季節を愛で空を眺める境地に自分で自分ながらやや感動している。
そして、いきなり兼好は22段から過去の回想に戻る。
出家して、捨て去ったはずの過去を、いきなり懐かしく語り出したのだ。
何故。
兼好は、出家前は朝廷の役人で宮中に出勤していた。前段と、この段では、宮中生活の回想が書かれている。でも、なんで捨てたはずの過去を懐かしく思い出すのだろう?
もしかしたら。
兼好は未練たらしいのだろうか!
未練たらしいうんぬんは洒落として、どうやら兼好は、ややエキセンドリックな上に、ブルーがかりセンチメンタルな気分に♪ジャァーニィとなっているらしい。
なぜ、センチメンタル?
そのワケは先を読まないとわからない。
分からないんだけど、とりあえずカテゴリに分けてみよう。『徒然草』は、第22段から「センチメンタル編」である。
乞うご期待!
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<解説>
『九重』
漢語で、宮中・皇居のこと。
『神さび』(かむさび)
神々しいありさま。「さび」は接尾語で、らしく振る舞うの意。
『世づく』
男女関係に理解・適応した状態。
世間並みであること。
この段では、世俗にそまるの意。
『露台』(ろだい)
渡り廊下。
『朝餉』(あさがれひ)
天皇が簡単な食事をとる場所。
『何殿』
なんとか御殿。
宮中にある建物を指す。
『何門』
宮中に多数ある門。
『いみじ』
すごいとかすてきの意。
『あやし』
この段では、卑しい者や、身分低い者を指す。
『小蔀』(こじとみ)
小窓。
『小板敷』
板の間。
『高遣戸』
高いところにある遣戸。
『陣』
宮中で、政務や儀式を行う人間がいる場所。
『夜の設』(よるのもうけ)
夜の備え。
『夜の御殿』
天皇の寝所。
『かいともし とうよ』(かいともし 疾うよ)
「かいともし」は、油を浸した芯をもつ灯籠そのものか、あるいは、「火気灯し」と言っている。
「とうよ」は「疾くせよ」を省略したもの。とにかく、「明かりに点火、早く!」と言っている。
『上卿』
宮中行事の運営責任者。
『諸司の下人』
各係受け持ちの下級役人。
『内侍所』(ないしどころ)
三種の神器のひとつ「八咫鏡」を納めているところ。
『御鈴の音』
天皇が内侍所の「八咫鏡」を参拝する時に、内侍所にひかえた女官が、三度鈴を鳴らしたと言う。
この鈴の音を聞けるのは、天皇自身か、ごくお側に控える高官達だけ。兼好は聞いた事がなかっただろう。
『徳大寺大政大臣』
兼好が、官職についていた時の「大政大臣」。
衰へたる末の世とはいへど、なほ、九重の神さびたる有様こそ、世づかず、めでたきものなれ。
露台・朝餉・何殿・何門などは、いみじとも聞ゆべし。あやしの所にもありぬべき小蔀・小板敷・高遣戸なども、めでたくこそ聞ゆれ。「陣に夜の設せよ」と言ふこそいみじけれ。夜の御殿のをば、「かいともしとうよ」など言ふ、まためでたし。上卿の、陣にて事行へるさまはさらなり、諸司の下人どもの、したり顔に馴れたるも、をかし。さばかり寒き夜もすがら、ここ・かしこに睡り居たるこそをかしけれ。「内侍所の御鈴の音は、めでたく、優なるものなり」とぞ、徳大寺大政大臣は仰せられける。
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<口語訳>
衰えた末の世とはいえども、なお、宮中の神びた有様こそ、世付かず、めでたいものである。
露台・朝餉・何殿・何門などは、すごいとも聞こえるはず。下賤の所にもあるはずの小蔀・小板敷・高遣戸なども、めでたくこそ聞こえる。「陣に夜の設せよ」と言うのこそすごかった。夜の御殿でだ、「かいともしとうよ」など言う、まためでたい。上卿の、陣にて事行える様子はさらにである、諸司の下人どもの、したり顔になってるのも、おかしい。そればかり寒い夜もすがら、ここ・かしこに眠り居るのこそおかしかった。「内侍所の御鈴の音は、めでたく、優なるものである」とだ、徳大寺大政大臣は仰られたそうだ。
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<意訳>
朝廷の権威おとろえた末世とは言え、今なお、宮中の神々しい様子だけは世間と異なり、素晴らしいものである。
宮中では廊下を「露台」、食堂を「朝餉」と呼んだ。
ただ「なんとか殿」とか「なんとか門」など言っているのを聞いただけで、格好よく思えた。
粗末な家にもあるような窓や板の間でさえ、宮中では、「小蔀」とか「小板敷」とか「高遣戸」などと呼ぶ。すごく素晴らしく聞こえた。
宮中の詰め所で、「陣に夜の設けせよ」と言ってるは、格好よかった。
夜の寝殿で、「明かりに火を灯せ」と言うのも、素晴らしかった。
儀式の責任者である上卿が、詰め所で指揮をとる様子は、素晴らしかった。
従う諸司の下級役人達の、したり顔で任務行う姿も、可笑しかった。
これ以上ない寒い夜ふけに、あちこちで仮眠をとっている役人達の姿も、可笑しかった。
「内侍所の鈴の音は、めでたく優しい」
と、徳大寺大政大臣は仰られたそうだ。
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<感想>
『徒然草』は、前段から新機軸を展開し始めた。この段は、その新機軸2回目である。
分かりやすいようにカテゴリに分けてみよう。
序段から18段までが、「青春・苦悩編」。
兼好が、出家に至るまでの苦しい胸の内が書いてある。
19段から21段までは、「出家ほやほや編」。
出家したての兼好の、ホヤホヤ産みたての気持ちが書かれている。
世を捨てて、季節を愛で空を眺める境地に自分で自分ながらやや感動している。
そして、いきなり兼好は22段から過去の回想に戻る。
出家して、捨て去ったはずの過去を、いきなり懐かしく語り出したのだ。
何故。
兼好は、出家前は朝廷の役人で宮中に出勤していた。前段と、この段では、宮中生活の回想が書かれている。でも、なんで捨てたはずの過去を懐かしく思い出すのだろう?
もしかしたら。
兼好は未練たらしいのだろうか!
未練たらしいうんぬんは洒落として、どうやら兼好は、ややエキセンドリックな上に、ブルーがかりセンチメンタルな気分に♪ジャァーニィとなっているらしい。
なぜ、センチメンタル?
そのワケは先を読まないとわからない。
分からないんだけど、とりあえずカテゴリに分けてみよう。『徒然草』は、第22段から「センチメンタル編」である。
乞うご期待!
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<解説>
『九重』
漢語で、宮中・皇居のこと。
『神さび』(かむさび)
神々しいありさま。「さび」は接尾語で、らしく振る舞うの意。
『世づく』
男女関係に理解・適応した状態。
世間並みであること。
この段では、世俗にそまるの意。
『露台』(ろだい)
渡り廊下。
『朝餉』(あさがれひ)
天皇が簡単な食事をとる場所。
『何殿』
なんとか御殿。
宮中にある建物を指す。
『何門』
宮中に多数ある門。
『いみじ』
すごいとかすてきの意。
『あやし』
この段では、卑しい者や、身分低い者を指す。
『小蔀』(こじとみ)
小窓。
『小板敷』
板の間。
『高遣戸』
高いところにある遣戸。
『陣』
宮中で、政務や儀式を行う人間がいる場所。
『夜の設』(よるのもうけ)
夜の備え。
『夜の御殿』
天皇の寝所。
『かいともし とうよ』(かいともし 疾うよ)
「かいともし」は、油を浸した芯をもつ灯籠そのものか、あるいは、「火気灯し」と言っている。
「とうよ」は「疾くせよ」を省略したもの。とにかく、「明かりに点火、早く!」と言っている。
『上卿』
宮中行事の運営責任者。
『諸司の下人』
各係受け持ちの下級役人。
『内侍所』(ないしどころ)
三種の神器のひとつ「八咫鏡」を納めているところ。
『御鈴の音』
天皇が内侍所の「八咫鏡」を参拝する時に、内侍所にひかえた女官が、三度鈴を鳴らしたと言う。
この鈴の音を聞けるのは、天皇自身か、ごくお側に控える高官達だけ。兼好は聞いた事がなかっただろう。
『徳大寺大政大臣』
兼好が、官職についていた時の「大政大臣」。