俺は「独身貴族」ならぬ「独身寄生虫(パラサイト・シングル)」である。
こんな俺に子供がいるはずもなく、実際にいない。
の、はずなんだけど、なぜか気がついたら俺には妻と子供がいて、居間で援助交際について娘と会話している。
これは、夢なんであろうか?
娘のみのりが父である俺に言った。
「お父さん。
むかし、私に、人の生命は地球より重い。って言ったのおぼえてる?」
「記憶にない。てかっ、んなワケない!
地球は人類のわいて出る前から存在しているし、人類は地球の環境にしがみついてでしか生きられない。
地球からみたら、人類なんて、お肌の雑菌以下の存在だ。そんな人類が地球より重いなんて、思い上がりもいいところだ。人類が滅んだって、それでも地球は回っている!」
「チゲーよ!」
「チゲーよって、何が違うの?」
みのりは、ホントあきれたって顔をして言う。
「本気で憶えてないの?」
「うん。いつも、ほとんど口からでまかせの思いつきで喋っているから、自分の発言に責任はもてない」
「あきれたっ!
お父さんの話に少しだけど感動しちゃった私の立場はどうなんのよ!
口からでまかせに感動したなんて、私が馬鹿みたいじゃん!」
「うん。本当に馬鹿だと思う。
よりによって、この俺の話を信じた上に感動までするなんて。マジで馬鹿だと思うよ」
そう言ったら、みのりは沈黙して凄い目で俺を見た。
もはや、その目は親を見る目ではない!
うーん。
もしかして、俺って親として間違ってる?
子供と正直に会話しちゃいけないのかなぁ?
多少は親としての威厳も必要かもしれない。
「いいか、お前と俺じゃ、人間としての格が違う。
そもそものスケールが違うんだ。お前がミリ単位なら、俺は尺単位。
お前のスケールじゃ俺は計れん。雀の子に象のはなこさんの気持ちは分からんように俺の真意はお前には計れん。だから、俺が何を言おうと、黙って俺について来い!」
偉そうに俺がそう言うと、みのりは反論した。
「別に私がミリ単位でもいいけど、物差しとして考えた場合に、お父さんが一尺の物差しで、私が15000ミリの巻き尺だったらどーすんのよ!」
「そいつは、しゃくだな」
、、、、。
「本気で、いつも口からでまかせですよね。お父さんは…」
あれれっ、いかん。
みのりの口調が丁寧語になってきた。
それは怒りをこらえている証拠だ。
怒らせちゃいけないよな。
「ごめんね。ヒントをちょうだい」
「なんのヒントですか?」
「人の命が、地球より重いという話の内容について、俺がどう語ったかのヒント。
ヒントさえあれば、もしかしたら、それで思い出すかもしれない」
「宇宙人!」
みのりはそっけなく答えた。
宇宙人と、人の命は地球より重いか。
うーん。
あっ思い出した。
そういや、そんな事を語った事もあった。
その話ね、その話ならいま思い出したよ。
「娘よ聞け!」
「何を?」
「全てを思い出した。
確かに、人の命は地球より重い!
全ての生きている者は、生きている。
感じる事が生きている証。
喜び、怒り、泣き、走る。お腹もすく。
喜怒哀楽に肉体。そして今日の天気。
全ては、ある。感じる。存在している。
感じるなら生きている。
苦しみさえも、生きている証拠。
世界中で多くの人々が、ほぼ毎日、休みなく虫けらのよう殺されている。
最近でも毎日のようにテロなどによって多くの死者が出ている。テロだけじゃない。交通事故に病気に不慮の事故。さらには、自ら死を選ぶ人々。
こんな状況を考えるなら、本当に人の命は地球より重いんだろうかとかなり疑問になる!
だが、いや。待て!!
でも。どうも、重いんだ。
こう考えて欲しい。
あなたはいきなり宇宙人にさらわれた。
UFO に拉致られて、あっという間に大気圏外。
宇宙人はあなたに地球破壊ミサイルの発射ボタンを押すように要求する。
押したのなら、あなたの命だけは助けよう。残りの人生は他の惑星で過ごせば良い。だが、押さないなら、今すぐ殺す。
そう宇宙人から脅された。
さて、いまや、あなたの命と地球は天秤にかけられた。
あなたにとり、地球も自分の命も、かけがえのない、たったひとつのモノである。さて、どうしようか?
この状況になれば、当然に『自分の命は地球より重い』という結論を選んでも、間違いではないと思うはずだ。
そのことを認めるなら、『人の命は地球より重い』は、ただの当然となる。それぞれの人の命は、それぞれの人にとっては地球より重い。
当然の事だよな。
あなたの命は、あなたにとっては、地球と同じようにかけがえの無いもの。
そして、誰にとっても、その人の命は、地球と同じようにかけがえの無いものである。誰にとってもだ。
誰の命であっても、その人にとっては、地球と天秤にかけるほどの大事な命。どんなに価値のないように見える人間であろうと、その人にとっては、その人の命は地球と天秤にかけれるぐらいに価値がある。誰であろうともだ!
死にたいと願う自殺志願者以外にその例外はないだろう。
全ての生きたいと望む生命は、地球を天秤にかけてでも生きようと望む。
ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだ、あなたでさえ生きている。生きているから幸せなんだっていうか、生きているから感じるし苦しむんだけれども、生きていなきゃ何も感じないし、友達も家族も兄弟もいない。
生命は何かとか考えても仕方ない。
生きるしかない。
生きるのを止めたとたんに、無となる。
苦しみを楽しめ。喜びを疑え。
苦しみも喜びも、生きているから感じる。生きていない者は何も感じない。欲し生き延びよ。ギラギラと欲望に生きよ。
生きる事は確実に間違いではない。
そう、間違いとか正しいとか一切がないグチャグチャの混沌が生きる事だと思う。産まれてソコにいる以上は、地球を天秤にでもかけてでも、最期まで生き抜け。それこそが生命の尊厳である!」
「お父さん、お父さん」
「なに?」
「お父さんの口からでまかせって、本当に適当だよ」
「俺の言う事を信じるな!」
「信じられないよ。だってチョーてきとぉだもん」
まぁ、そうなんだよな。
こんな俺に子供がいるはずもなく、実際にいない。
の、はずなんだけど、なぜか気がついたら俺には妻と子供がいて、居間で援助交際について娘と会話している。
これは、夢なんであろうか?
娘のみのりが父である俺に言った。
「お父さん。
むかし、私に、人の生命は地球より重い。って言ったのおぼえてる?」
「記憶にない。てかっ、んなワケない!
地球は人類のわいて出る前から存在しているし、人類は地球の環境にしがみついてでしか生きられない。
地球からみたら、人類なんて、お肌の雑菌以下の存在だ。そんな人類が地球より重いなんて、思い上がりもいいところだ。人類が滅んだって、それでも地球は回っている!」
「チゲーよ!」
「チゲーよって、何が違うの?」
みのりは、ホントあきれたって顔をして言う。
「本気で憶えてないの?」
「うん。いつも、ほとんど口からでまかせの思いつきで喋っているから、自分の発言に責任はもてない」
「あきれたっ!
お父さんの話に少しだけど感動しちゃった私の立場はどうなんのよ!
口からでまかせに感動したなんて、私が馬鹿みたいじゃん!」
「うん。本当に馬鹿だと思う。
よりによって、この俺の話を信じた上に感動までするなんて。マジで馬鹿だと思うよ」
そう言ったら、みのりは沈黙して凄い目で俺を見た。
もはや、その目は親を見る目ではない!
うーん。
もしかして、俺って親として間違ってる?
子供と正直に会話しちゃいけないのかなぁ?
多少は親としての威厳も必要かもしれない。
「いいか、お前と俺じゃ、人間としての格が違う。
そもそものスケールが違うんだ。お前がミリ単位なら、俺は尺単位。
お前のスケールじゃ俺は計れん。雀の子に象のはなこさんの気持ちは分からんように俺の真意はお前には計れん。だから、俺が何を言おうと、黙って俺について来い!」
偉そうに俺がそう言うと、みのりは反論した。
「別に私がミリ単位でもいいけど、物差しとして考えた場合に、お父さんが一尺の物差しで、私が15000ミリの巻き尺だったらどーすんのよ!」
「そいつは、しゃくだな」
、、、、。
「本気で、いつも口からでまかせですよね。お父さんは…」
あれれっ、いかん。
みのりの口調が丁寧語になってきた。
それは怒りをこらえている証拠だ。
怒らせちゃいけないよな。
「ごめんね。ヒントをちょうだい」
「なんのヒントですか?」
「人の命が、地球より重いという話の内容について、俺がどう語ったかのヒント。
ヒントさえあれば、もしかしたら、それで思い出すかもしれない」
「宇宙人!」
みのりはそっけなく答えた。
宇宙人と、人の命は地球より重いか。
うーん。
あっ思い出した。
そういや、そんな事を語った事もあった。
その話ね、その話ならいま思い出したよ。
「娘よ聞け!」
「何を?」
「全てを思い出した。
確かに、人の命は地球より重い!
全ての生きている者は、生きている。
感じる事が生きている証。
喜び、怒り、泣き、走る。お腹もすく。
喜怒哀楽に肉体。そして今日の天気。
全ては、ある。感じる。存在している。
感じるなら生きている。
苦しみさえも、生きている証拠。
世界中で多くの人々が、ほぼ毎日、休みなく虫けらのよう殺されている。
最近でも毎日のようにテロなどによって多くの死者が出ている。テロだけじゃない。交通事故に病気に不慮の事故。さらには、自ら死を選ぶ人々。
こんな状況を考えるなら、本当に人の命は地球より重いんだろうかとかなり疑問になる!
だが、いや。待て!!
でも。どうも、重いんだ。
こう考えて欲しい。
あなたはいきなり宇宙人にさらわれた。
UFO に拉致られて、あっという間に大気圏外。
宇宙人はあなたに地球破壊ミサイルの発射ボタンを押すように要求する。
押したのなら、あなたの命だけは助けよう。残りの人生は他の惑星で過ごせば良い。だが、押さないなら、今すぐ殺す。
そう宇宙人から脅された。
さて、いまや、あなたの命と地球は天秤にかけられた。
あなたにとり、地球も自分の命も、かけがえのない、たったひとつのモノである。さて、どうしようか?
この状況になれば、当然に『自分の命は地球より重い』という結論を選んでも、間違いではないと思うはずだ。
そのことを認めるなら、『人の命は地球より重い』は、ただの当然となる。それぞれの人の命は、それぞれの人にとっては地球より重い。
当然の事だよな。
あなたの命は、あなたにとっては、地球と同じようにかけがえの無いもの。
そして、誰にとっても、その人の命は、地球と同じようにかけがえの無いものである。誰にとってもだ。
誰の命であっても、その人にとっては、地球と天秤にかけるほどの大事な命。どんなに価値のないように見える人間であろうと、その人にとっては、その人の命は地球と天秤にかけれるぐらいに価値がある。誰であろうともだ!
死にたいと願う自殺志願者以外にその例外はないだろう。
全ての生きたいと望む生命は、地球を天秤にかけてでも生きようと望む。
ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだ、あなたでさえ生きている。生きているから幸せなんだっていうか、生きているから感じるし苦しむんだけれども、生きていなきゃ何も感じないし、友達も家族も兄弟もいない。
生命は何かとか考えても仕方ない。
生きるしかない。
生きるのを止めたとたんに、無となる。
苦しみを楽しめ。喜びを疑え。
苦しみも喜びも、生きているから感じる。生きていない者は何も感じない。欲し生き延びよ。ギラギラと欲望に生きよ。
生きる事は確実に間違いではない。
そう、間違いとか正しいとか一切がないグチャグチャの混沌が生きる事だと思う。産まれてソコにいる以上は、地球を天秤にでもかけてでも、最期まで生き抜け。それこそが生命の尊厳である!」
「お父さん、お父さん」
「なに?」
「お父さんの口からでまかせって、本当に適当だよ」
「俺の言う事を信じるな!」
「信じられないよ。だってチョーてきとぉだもん」
まぁ、そうなんだよな。