「人間は誰もが間違っている。
そして、間違いを誰かのせいにしたり何かのせいにしたりしないと我慢がならない。なぜなら人間は自分の間違いを認める事が苦痛だからだ。
本当に醜いんだよ人間は。
心底腐っていて、なにもかも全てが間違いだらけのくせに、自分の間違いをなにひとつ認める事は出来ない。そして全部人のせいにして安心する。
あんたの兄さんは、最も醜い最もゲスな人間に殺された。
己が醜さの原因を、人のせいにするしかできない馬鹿。
自分の醜さを自己確認できないで、なんでもかんでも人のせいにして、最期は他人に死刑にしてもらおうとおねだりしている真性の馬鹿。
自分の醜さを『不幸』と勘違いしてしゃーしゃーとしていやがる。
糞みたいに醜いガキが、牙の向け先を見失って、憎悪する相手も見失い、全てを人のせいにする。そして、自ら死すら選べない。
なにもかも親まかせ他人まかせ。
自分を殺してもらえるように仕向け、その為に犯罪を犯す。こいつの『復讐』は本当の『復讐』ではない。
相手も見定めず天につばをはいたところで、本当に復讐すべき相手につばはかからないだろう。
復讐は、復讐すべき相手を見定めて行う行為だ。
誰彼かまわず行われた復讐は復讐ではない。
自分の醜さを知り、親の醜さを知り、世間の醜さを嫌悪し、全てを憎悪しつくした末に、本当に『復讐すべき相手』が見つかるはずだ。
他者に依存する精神に『復讐』の権利はない。
真の復讐は、自己の完全なる抹殺。
ソレ以外にない。
復讐だよ、復讐するんだ。
自分に。
親に。
世間に。
人間に。
生きているという醜さに!
全ての欲望を消せ、他人に殺してもらう事など望むな。
自分の醜さを知り、自分を消し、復讐の相手を見定めよ。
効率的に効果的に頭脳の限りを尽くし『復讐』するのだ。
自分も知らぬ馬鹿に『復讐の権利』はない!」
死神は朝から異様にテンションが高い。