ここは私の心の世界。
「暗闇に見えるが空を見てみな。薄暗い日食のような太陽がまんべんなく辺りを照らしている。
薄暗くてちょうどいい。
心なんて汚物だらけの薄汚いしろものだ。
見えにくいぐらいでちょうどいい。
人間は自分の醜さを認めるのが苦手な生き物だ。
まだ、容姿であれば鏡に映るから、自分の醜さも確認出来るが、心を写す鏡は他人でしかない。
他人と接して、他人と自分が会話する時にはじめて他人が自分の心の鏡となる。
話している時は、意識が会話に集中しやすい。でも、会話に流されずに自分の言っている一言一言に耳をすませてごらん。
自分がいかに他人に良く思われようとあがき、他人を自分の都合の良いようにコントロールしようとしているか気がつくはずだ。
1人でいる時には、どんなに崇高である思想も、他人に交わり思想を伝えようとした時点で醜く色あせる」
「私が醜い事を認めろという」
「いや、そうではない。
素直に俺の心は醜い。
その事をあんただけでも忘れるなと言う事だ。
俺はあんたを利用しようとしている。
実際にあと一歩であんたを俺の思いどおりに出来る。
俺はあんたに復讐させたい。
あんたはしたくないんだろうが、復讐の為の第一歩であるマシンガンを受け取ってしまった。
後は、『復讐します』とあんたが宣言さえしさえすれば、あんたは俺の言うがままに復讐せざるえなくなる。
そして、その為に俺はあんたを俺の思うようにしようといしている。
そんな俺の醜さに嫌気がさす。
なんで俺はこんなに身勝手でずるいんだと悲しくなる」
あれ。
けっこう死神って、なんだか謙虚で良い奴。
「ごめんな、感情的に威圧的な事とか言って。俺の理想が叶うならと思うとついつい矛盾だらけの醜い事を言ってしまう」
「いや、そんないいよ」
「ところで、夏休みの宿題は終わったのかい?」
「うん、だいたい終わってるよ!」
「そうか。なんか分かんない事とかあったら教えてあげようかと思ったのに」
「大丈夫。だいたい終わってる」
「君は宿題とか真面目にやるタイプなんだね」
「うん。うちに帰ってもお母さんが怖くて部屋にこもっているしかないからさ、宿題ぐらいしかやることがないんだ」
「偉いね。本当に良く頑張ってきたんだね」
えへへ。
「じゃあ、宿題とか忘れたことないんだ」
「うん。先生の言ったことは忘れないよ」
「予習なんかも完璧?」
「予習? 予習はあんまりしないなぁ」
「でも、先生がもしも予習してきなさいと言ったら、忘れることはないよね」
「うん。言われた事は完璧にこなすよ」
「じゃぁ、もしも先生が『今日のところを必ず復習してきなさい』と言ったら必ずする?」
「もち。必ず復習する!」
あ。
うははは
!
「愚か者め! 遂に復讐を宣言したな!」
「待って、タンマ。今のは無し。だいたい漢字が違う!」
「宣言に、タンマも待ったも漢字もない。
今からあんたは俺の思うままの操り人形だ。俺には逆らえない!
さぁ、復讐の幕開けだ!!」