墨汁日記

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平成マシンガンズを読んで 77

2006-10-14 20:09:38 | 

 叫び出したいような衝動を抑えつつ、死神という自分とは関係ない者を目の前にして冷静になる。
 死神の言いたい事も、死神の考えもじつは良く分からない。
 だが、死神自身が言っているように、死神は私を利用したいだけだ。

 私に何かを求められても、何も出来ない。
 私はつまらない存在だ。
 したくないし、したくてもできないし、その気もない。

「復讐だよ。
 子供には親や世間に復讐する権利がある。
 いや、ないとは言わせない。むしろするべきだ。
 復讐は子供達の義務である」

 もう何も答えたくないし、何も言いたくない。

 そして、その時に死神は初めて笑った。
 ニヤリと。
 唇の端が動き、かすかに表情があらわれた。
 悪魔の笑み。

 気がついたら、私は座り込んでいた。
 ヘタタッて。
 死神は立ち尽くし舌なめずりしながら次の言葉を探していた。

「夏休みの宿題などやってる場合ではない。
 予習復習も関係ない。

 子供は親や社会の操り人形で、糸を断ち切りたいならハサミを片手に復讐するしかもう手はない。

 全ての子供らは親と同じゲットーに追い込まれ、番号をつけられゲートに並ばされ、したくもない競争を強いられる。

 豚の競争社会。
 豚がいくら競争しようとも、豚は豚だ。

 頭ひとつ他の豚に抜きん出ても、良くてトンカツ。悪くて豚ドン。
 所詮は、ドングリの背比べ、目くそ鼻くその勘違いの豚共!

 豚にふさわしい末路は死のみだ。

 死ね。
 死ね。
 死ね。

 醜い豚は全て死ね!!

 自分が豚だと自覚せよ。

 豚の自覚もない畜生共が!

 死ね、死ね、死ね、豚は死ね!

 死のみが豚共の安息である。
 いつか醜い豚も死ぬという以外に、この世に救いはあろうか。いやない。死ぬが良い、死んでしまえ。

 そして、俺もあんたも悲しいかな醜い豚の一匹だ。
 死のみが清浄をもたらす!

 憎悪は知ってしまったモノ全てに向かう。
 知らないモノは憎悪出来ない。
 憎しみは知っているモノ全て、自分自身にすら向かう。

 存在さえしなければ、何も憎む事もなかった」