奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

オウム真理教の暴走は共謀罪では防げなかった

2017-05-12 21:32:09 | 社会
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。
 猛毒のサリンを使った凶悪事件などを次々に起こし、社会に混乱を招いたオウム真理教を長く取材してきたジャーナリストの江川紹子さん(58)は、この法律についてどう考えているのか。
 《オウム真理教の暴走は共謀罪では防げなかった。》
 共謀罪の適用対象とされる「組織的犯罪集団」について、安倍首相は地下鉄サリン事件(1995年)を起こしたオウム真理教を例に、「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した」と説明した。
 最近、「共謀罪があれば、地下鉄サリン事件は防げた」という声を耳にするが、それは間違いだ。教団の関与が疑われる事件は数年前から各地で起きていた。既遂事件がいくつもあったのに、それらを真摯(しんし)に捜査しなかった警察の姿勢こそが問題だった。(朝日デジタル)


確かに、欧州各国でテロを未然に防いだり、起こっても即座に容疑者を確保するということが日本の警察にできるかというと、不安視せざるを得ない。
であれば、「共謀罪」が無意味というのではなく、「監視」を強化せざるを得ないという結論に到達するのは必然で、そのことは朝日新聞が嫌がる「監視社会」に向かう道ではないだろうか。朝日新聞が意図することと庶民感情は逆のように思える。

 問題点は他にもある。目的を共有していたかどうかは内心の問題。どう見極めるのか。身柄を拘束し、無理な取り調べで自白を強いるしかないのではないか。現時点で取り調べの可視化が義務づけられていないのもおかしい。(朝日デジタル)

「内心の問題」はこの法律だけのものではあるまい。

ターゲットは労働運動?

2017-05-12 20:41:53 | 社会
笑ってしまった。

 自民、公明、日本維新の会の3党は12日、共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の修正案を衆院に共同提出した。18日にも修正案が3党の賛成で衆院通過する流れだ。一方、民進党は打つ手がなくなりつつある。共産党とも連携して法案の危険性を訴える反対集会を連日開くが、世論の盛り上がりは今ひとつで、民進党内からも冷めた見方が出ている。
 「(処罰対象となる)『組織的犯罪集団』に当たるか当たらないかという対象犯罪の中に、業務妨害罪が入っている。まさにターゲットは労働運動だ」
 12日、国会内で開かれた民進党最大の支持団体である連合主催の反対集会。党「共謀罪」対策本部長の枝野幸男前幹事長は、改正案が労組の活動にも適用されかねないとあおり立てた。
 党はすべての所属国会議員に集会への出席を呼びかけていた。しかし、参加者は全国会議員の約6割にあたる86人にとどまった。
 民進党は、共産党や市民団体とともに、19日までほぼ連日国会周辺などで反対集会を開く予定で、「一般人も捜査対象になり得る」などといったこれまでの主張を訴えていく。ただ、4月の報道各社の世論調査では法案に「賛成」が「反対」を上回るケースが大半だった。反対論は盛り上がりに欠けるのが実情だ。
 法案の審議は着々と進んでおり、12日の衆院法務委員会では自公維の修正案と、民進党提出の対案の趣旨説明が行われ、16日には参考人質疑が決まった。自公維は修正案を17日に同委で採決の上、18日にも衆院本会議で可決する方針だ。
 民進党に残された抵抗手段は、金田勝年法相に対する不信任決議案くらいだが、自民党幹部は「来週中の衆院通過は揺るがない」と自信をみせる。
 民進党の閣僚経験者は「共産党と一緒に過剰に危険性をあおるのは、かえって世論の反発を受ける」と指摘。「旧民主党時代に共謀罪の成立を目指した時期もあるのだから、冷静に与野党協議に臨む選択肢もあったのではないか」と執行部を案(ママ)に批判した。(産経)


普通の労組がテロを計画するはずもないから、危惧に過ぎない。「一般人も捜査対象」になったところでテロを計画しなければ起訴もできないし、起訴されたところで最終的に判断するのは裁判所だ。テロを計画したら「一般人」が「テロ集団」になるということだろう。

枝野さんが政治献金受けていた組織も、共産党も公安の監視対象だから、この法律ができると困るのだろうと思わざるを得ない。