「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。
猛毒のサリンを使った凶悪事件などを次々に起こし、社会に混乱を招いたオウム真理教を長く取材してきたジャーナリストの江川紹子さん(58)は、この法律についてどう考えているのか。
《オウム真理教の暴走は共謀罪では防げなかった。》
共謀罪の適用対象とされる「組織的犯罪集団」について、安倍首相は地下鉄サリン事件(1995年)を起こしたオウム真理教を例に、「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した」と説明した。
最近、「共謀罪があれば、地下鉄サリン事件は防げた」という声を耳にするが、それは間違いだ。教団の関与が疑われる事件は数年前から各地で起きていた。既遂事件がいくつもあったのに、それらを真摯(しんし)に捜査しなかった警察の姿勢こそが問題だった。(朝日デジタル)
確かに、欧州各国でテロを未然に防いだり、起こっても即座に容疑者を確保するということが日本の警察にできるかというと、不安視せざるを得ない。
であれば、「共謀罪」が無意味というのではなく、「監視」を強化せざるを得ないという結論に到達するのは必然で、そのことは朝日新聞が嫌がる「監視社会」に向かう道ではないだろうか。朝日新聞が意図することと庶民感情は逆のように思える。
問題点は他にもある。目的を共有していたかどうかは内心の問題。どう見極めるのか。身柄を拘束し、無理な取り調べで自白を強いるしかないのではないか。現時点で取り調べの可視化が義務づけられていないのもおかしい。(朝日デジタル)
「内心の問題」はこの法律だけのものではあるまい。
猛毒のサリンを使った凶悪事件などを次々に起こし、社会に混乱を招いたオウム真理教を長く取材してきたジャーナリストの江川紹子さん(58)は、この法律についてどう考えているのか。
《オウム真理教の暴走は共謀罪では防げなかった。》
共謀罪の適用対象とされる「組織的犯罪集団」について、安倍首相は地下鉄サリン事件(1995年)を起こしたオウム真理教を例に、「当初は宗教法人として認められた団体だったが、犯罪集団に一変した」と説明した。
最近、「共謀罪があれば、地下鉄サリン事件は防げた」という声を耳にするが、それは間違いだ。教団の関与が疑われる事件は数年前から各地で起きていた。既遂事件がいくつもあったのに、それらを真摯(しんし)に捜査しなかった警察の姿勢こそが問題だった。(朝日デジタル)
確かに、欧州各国でテロを未然に防いだり、起こっても即座に容疑者を確保するということが日本の警察にできるかというと、不安視せざるを得ない。
であれば、「共謀罪」が無意味というのではなく、「監視」を強化せざるを得ないという結論に到達するのは必然で、そのことは朝日新聞が嫌がる「監視社会」に向かう道ではないだろうか。朝日新聞が意図することと庶民感情は逆のように思える。
問題点は他にもある。目的を共有していたかどうかは内心の問題。どう見極めるのか。身柄を拘束し、無理な取り調べで自白を強いるしかないのではないか。現時点で取り調べの可視化が義務づけられていないのもおかしい。(朝日デジタル)
「内心の問題」はこの法律だけのものではあるまい。