奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

米国ミシガン州の新型コロナ解析

2021-05-22 22:00:51 | 社会
1か月ほど以前に米国ミシガン州の特殊性について触れました。ワクチンの効果を見るのにおもしろい現象だと思ったからです。
古典的なS(E)IRDモデルで計算してみました。
モデルに対するコメントです。
(1) このモデルは一般に使われているのですが、「任意の感染者が集団内の任意の人に感染させる能力がある」と仮定しています。ところが、実際の社会はクラスターネットワークですから、そもそも仮定は破綻しています。でも、遺産(知見)を継承するためには、すぐに捨てることもできないのでしょう。
(2) さて、モデルパラメータに関して。ミシガン州の人口は10百万人強ですが、これを母集団とするのは誤りで、新型コロナに全く無関係な人がほとんどです。モデルが仮定しているランダムネットワークと実際のクラスターネットワーク間を補正するために、母集団を全体より小さくするのが妥当であるともいえますし、自然免疫で罹らない人もいるでしょう(ファクターXと言われるものです)。ここでは、人口の20%を母集団にしました。基本再生産数は2.5で4日間で感染させるとし、潜伏期間は4.2日、感染期間は9.8日、致死率は3.3%。州からの時系列シャットダウン命令などに従って、基本再生産数に係数(
感染状況はhttps://en.wikipedia.org/wiki/COVID-19_pandemic_in_Michigan、
ワクチン接種実績はhttps://www.michigan.gov/coronavirus/0,9753,7-406-98178_103214-547150--,00.htmlのデータを使用しています。
モデルの実線はワクチン接種を無視した場合、破線はワクチン接種の効果がある(具体的には日々のワクチン接種者数を感染可能者(susceptible individuals)から引いています)です。これらは最近の感染増を説明できません。ワクチン接種が負の影響を受けた(自然免疫を殺す方向に働いた)と仮定して、簡単化のためにワクチン接種者を感染可能者に加える(当然母集団は大きくなります)という操作をした場合を点線で示しています。死者数はoverestimateになりますが、アクティブ(infectious)については最近の波に合っています。

これで飯を食っているならば、真剣に裏付け取りますが、素人の暇つぶしなので、こんな計算もあるよという程度に見てください。

パラメータを適当に捜査しているだけでしょうと「専門家」から言われそうですが、「地球温暖化=二酸化炭素犯人」の計算も似たようなものです。もちろん、「地球温暖化=二酸化炭素犯人」の「専門家」からは基地外扱いされるでしょうが。
「専門家」なんて、そんなものです。