奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

中国の研究者たちがいち早く遺伝子配列を特定できた訳

2020-07-31 19:29:04 | 社会
極めて多数のウィルスから新型コロナウィルスを特定できるはずはなく、常在性のウィルスをPCRで拾っているだけだと大橋眞は主張しているらしい。中国の研究者たちがあのように早くNatureに発表できるはずはないとも言っている。
常在性のウィルスであるとすれば、SARS-CoV-2の系統図をどのように評価するのか? そこは触れないようだ。
中国の研究者たちがあのように早くNatureに発表できた理由は何か?

30年以上前から存在か 新型コロナと似たウイルス 国際チーム
7/29(水) 18:48配信
 新型コロナウイルスによく似たウイルスは、少なくとも30年以上前からコウモリを自然宿主として存在したと推定されると、米ペンシルベニア州立大などの国際研究チームが29日までに英科学誌ネイチャー・マイクロバイオロジー電子版に発表した。
 全遺伝情報(ゲノム)の解析では、新型コロナに最も近いのは2013年に中国雲南省の「ナカキクガシラコウモリ」から採取されたウイルスとされる。研究チームがこの二つのウイルスが共通する祖先からいつごろ分かれたかを解析したところ、手法の違いにより、1948年か69年、82年という三通りの結果が得られた。
 共通祖先からの分岐が82年だった場合でも、新型コロナとほぼ同様で、人にも感染するウイルスが昨年まで37年間、気づかれぬまま存在していたことになるという。(時事通信)

このニュースが他社から報道されているのか、よくわからない。
しかしながら、新型コロナの源を探るうえで極めて重要な知見だと思う。
武漢の研究所は蝙蝠由来のコロナウィルスを研究してきた。そこから漏れたというのが蓋然性として高い。漏れた株が何であったか探し出すのは、「コロナウィルスのデパート」にとっては容易だ。
「37年間、気づかれぬまま存在していた」などという時事通信の表現はミスリーディングだろう。


新しいニセ医学「新型コロナ否認主義」(名取宏、BLOGOS、2020.6.15)

2020-07-28 21:33:43 | 社会
標準的な医学的知見を否定する名誉教授と市議会委員
日野市議会委員の池田としえ氏が、2020年6月8日に「新型コロナに迫る!」と称して議会で質問をしたが、その内容に危惧を覚えたのでここで指摘する。端的に言えば、池田としえ氏は、Youtube等で徳島大学名誉教授・大橋眞氏が主張している「新型コロナウイルスは存在しない」というきわめて根拠に乏しい独自の説に基づいて質問を行った。動画を拝聴したところ、大橋眞氏の主張には問題点がいくつもあった。
ほとんどの人がご承知であるが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は重症の肺炎を引き起こす。しかし、大橋眞氏は標準的な医学的知見を否定し、「PCR検査で測定しているのは、病原性のない常在性ウイルスである可能性が高い。コロナ騒動は常在性ウイルスをみてそれで病気だ、たいへんだと国中大騒ぎしている」などと主張する。しかし、そう主張できるだけの根拠は提示されていない。大橋眞氏は、最初に武漢で報告された新型コロナウイルス感染症症例の肺において、免疫機能が落ちたために常在性のウイルスやバクテリア、真菌の類いが増殖している可能性を指摘した。そこまでは正しい。しかしながら、いまや、武漢だけではなく、世界中で新型コロナウイルスは確認されている。もし、新型コロナウイルスが病原性のない常在ウイルスであるのなら、世界中で多くの人が肺炎になり、死亡しているのはどういうわけであろうか。また、ニュージーランドや台湾といった防疫に成功している地域で新型コロナウイルスが検出されていない理由を説明できない。
大橋眞氏は「ウイルスを誰も分離していない」と主張しているがこれも誤りだ。新型コロナウイルスは分離もされているし細胞を用いた培養系も確立している。「このウイルスを使って感染実験、実証実験をしないとわからない」という主張も、現代医学を理解していないとしか思えない。新型コロナウイルスについてヒトに対する感染実験がなされていないのは事実だが、倫理的にそのような実験が許されるはずがない。コッホの原則(病気にかかった対象から分離された病原体を健康な個体に感染させ、病気が再現し同じ病原体が分離されることでもって病原体と病気との関連が示されるという原則)に触れて新型コロナウイルスの病原性が確認されていないとほのめかすが、コッホの原則には限界があることは現代医学では常識である。(以下略)


小ブログは、新型コロナは年寄風邪だと主張しているが、この徳島大学名誉教授ほどのニセ科学者ではない。大橋眞の投稿は「アゴラ」に載ったようで、池田信夫は軽率だったと批難されても仕方ない。PCR陽性判明者数が増えてきて、池田信夫は静かにしているのだが、見解を聞きたい気がする。

それで、大橋眞とはどういう人なのか徳島大学のホームページで調べると、

学歴・職歴は
1978.3 京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
医学博士 (宮崎医科大学) (1984年5月)
1978.3 東京大学医科学研究所文部技官
1979.1 宮崎医科大学医学部助手
1992.4 徳島大学総合科学部助教授
1997.4 徳島大学総合科学部教授
専門分野は免疫生物学

発表論文は専門分野に関するものは2004年までで、昨年に退職するまでは教育関連のものだけだ。それでも「専門家」?
「総合科学部」とは、間違っているかもしれないが、旧教養学部の先生方が集まったところという印象だ。
テレビで有名な「専門家」の岡田晴恵と同類のようだというのは偏見が過ぎるか?
まあ、国立大学には、こういった古い考え方に固執している教員はいるもので、静かにしていれば良いのだが、害をまき散らすから困ったものだ。


東京から拡散は本当だろうか?

2020-07-24 20:51:09 | 社会
 安倍総理は24日、新型コロナウイルスの感染が全国で再拡大している状況について、「再びいま緊急事態宣言を出す状況にはない」との認識を示した。(ABEMA TIMES)

SARS-CoV-2は普通のインフルエンザとほとんど変わらないし、変わるところと言えば、体力の衰えている年寄や基礎疾患のある人が重篤化するということなので、若者は連休をエンジョイすればよい。
東京から地方に「感染」が広がっているような報道のされ方をするが、それは正しいのだろうか?
都道府県間の人の流れ(国交省データの直近2015年)と7/21時点の累計PCR陽性判明者数(厚労省)の関係を調べると下の図のようになる。用いた国交省データには東京の通勤圏は示されていない。


挿入図の両対数プロットだと、相関があるようにもないようにも見えるが、リニア表示すると、近隣県と、近畿圏・北海道・福岡・愛知のクラスターが形成されている道府県、その他諸々にバラけてしまう。移動量が同程度の北海道・福岡・兵庫・京都で累計PCR陽性判明者数はバラバラ。近隣県を詳細に見ても相関はない。
つまり、東京都との間の流動数と累計PCR陽性判明者数には相関はないということだ。
東京から拡散しているように庶民が受け取るのは、少数の事例だけを報道しているためだろう。
都内感染者の状況を見て政府は都民をGo Toキャンペーン対象外にしたが、あれは小池百合子の作戦に嵌ってしまったようだ。PCR陽性判明者数の日ごとの数値に疑惑がもたれている。前知事までの貯蓄を使い果たしてしまったから、政府に金を出すための作戦だろうといえば、さもありなんという気はする。


京都嘱託殺人事件

2020-07-23 21:42:00 | 社会
障害者の「生」否定するな ALS患者・支援者ら訴え
 全身の筋肉が衰える難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の女性患者=京都市=から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、2人の医師が嘱託殺人の容疑で京都府警に逮捕された事件。ALSの当事者や、生活を支える人たちはショックを受けつつ「どんなことがあっても障害者が生きることを否定してはいけない」と訴える。(朝日新聞デジタル)


これはちょっと違うと思う。
生きようとすることも尊厳死を望むのも人それぞれの死生観で、個を尊重すべきだ。

今度は「温暖化脳」のリベンジか

2020-07-22 17:56:18 | 社会
(CNN) 人類が温室効果ガスの削減に失敗した場合、ホッキョクグマの大多数が2100年以降の生存で困難を強いられる可能性があることがわかった。科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに研究結果が発表された。

科学誌といっても、学術誌というよりも商業誌で、都合の悪い投稿論文は査読もせずにrejectのようだから、こんな論文は都合が良かったのだろう。
複雑な気象をシミュレートする際には、不明なパラメータが多く、それを「調整」するのが一般的で、「答え」はいかようにもなる。温暖化を温室効果ガスに押し付けていない論文は通らないと見てほぼ間違いないだろう。それで世界の流れが創られる。

ただ、最近は世界の流れを怪しんでいる真っ当な人も増えているのではないだろうか。

カナダ・ビクトリア大学・スーザン・クロックフォード博士
「シロクマは過去1万年、いまより高温の時期を何度も生き延びてきた。机上のモデル計算は恐怖のシナリオを吐き出すけれど。北極圏が少しくらい暖まっても、シロクマもその食糧も、何ひとつ影響は受けない」
「さしあたりシロクマが苦しんでいる証拠は何もない。個体数は1993年以降も増え、見積もりの最大値が1993年の2万8370頭から現在(2016)の3万1000頭になっている」。

地質学者ドン・イースターブルック
「いまシロクマは1970年代の5倍もいるから、温暖化で苦しんでいるはずはありません。また、過去1万年の気温を振り返れば、現在より0.5~5℃も暖かい時期を生き延びたため、いま問題があるはずはありませんね」。

アイスランド大学・オラフル・インゴルフション教授
「10万年前から地球上にいるシロクマは、少なくとも一度の間氷期を生き延びました。間氷期はいまより2℃くらい高温。・・・すると、近ごろ北極圏が温暖化傾向にあるとしても、シロクマを気にかける必要はありません」。

こういう声が多くなると「危ない」ので、シロクマ君が再登場したのだろうか。