奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

首相の危機管理

2020-02-29 18:21:49 | 社会
 安倍晋三首相は28日の衆院総務委員会で、政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止に取り組む中、自身が夜の会食を続けていることについて「いわゆる宴会をやっているわけではなく、さまざまな方と意見交換を行っている」と説明した。(毎日新聞)

会食の相手が金美齢さんや百田尚樹・有本香だったので、毎日新聞は気に入らなかったのだろうが、彼らと会食することのメリットとデメリットを勘案して会食したのであれば、首相が「宴会をやっているわけではな」いのだから、目くじらを立てるものでもあるまい。
単なる精神論に過ぎず、そうであれば、戦前に戻ったように思う年寄りがいるかもしれない。

危機管理に関して、「湖北省・浙江省だけでなく中国全体からの入国を禁止せよ」などと騒いでいるネット民もいるようだが、そういうひとたちは数学で習う「期待値」というものを全く理解していないとしか言いようがない。
藤原かずえさんの推定によれば、
中国から来日する感染確認者数の期待値:約0.125人/月(=24000人/月×0.00052%)
日本国内に200人弱の感染者が既に確認されている中、この値は無視できるほど小さな値であることは自明です。たとえ、中国共産党が感染確認数を実際の1/10に捏造していたり、実際の感染者数が感染確認数の10倍存在している場合でも、中国からの感染者は、月に1人しか入ってこないレベルなのです。
http://agora-web.jp/archives/2044541.html


入国禁止によるデメリットの方がはるかに大きいということである。
だから、入国制限については今のままでよい。

一方、首相の休校要請はいかがなものか。
小中学校が感染の核になることを懸念しているのかもしれないが、「期待値」をとれば、果たしてどちらがよいのか疑問だ。

審議したのだろうか?

2020-02-28 18:13:37 | 社会
 一般会計総額が過去最大の102兆6580億円となる2020年度予算案は28日午後の衆院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、衆院を通過した。
 憲法の衆院優越規定により、予算案は参院で採決されなくても、送付から30日後に自然成立するため、年度内成立が確定する。
 立憲民主党など主要野党は予算案に反対。東京高検検事長の定年延長や、首相主催「桜を見る会」問題などについて、3月2日から始まる参院審議でも引き続き政府を追及する。(時事)


「桜」と「定年延長」しかやっていなかったように見えるが、勘違いかな?

立民などはどうも三権分立を誤っている節がある。司法は裁判所で、検察は行政でしょう。それがダメだというならば憲法変えるべきで、更には、議院内閣制が良いのかなど根本に立ち返っても良いと思う。


自宅療養の勧め

2020-02-25 20:25:33 | 社会
政府は25日、「新型コロナウイルス」の感染拡大を防ぐため、症状が軽い場合は自宅で療養を求めるなど、国民がとるべき行動などを盛り込んだ対策の「基本方針」を決定した。
加藤厚労相「まさに今が、今後の国内での健康被害を最小限に抑えるための極めて大事な時期。感染の不安から、適切な相談を行わずに医療機関を受診することがないようにしていただきたい。感染しやすい環境に行くことを、さけていただきたい」(日テレ)


これに対するヤフコメは政府の真意を理解できないバカなものばかりで、まさかこれが日本人の典型とは思いたくはないのだが、典型だとすれば、日本人の知的レベルは嘆かわしいものだ。
発症してもほとんどは自宅療養で治るわけで、検査して白黒つけたいというのは、日本神道の「穢れ」の負の側面だろう。通常人には大したことのない新型コロナが合併すれば入院患者の危険度は増すわけで、新型コロナを疑ってのこのこ病院に出かけて病院を感染させるのが最悪である。

アゴラで池田信夫が言っているが、
http://agora-web.jp/archives/2044468.html
風邪を引いただけで「PCR検査」は必要ない
検査で病気はなおらない。治療薬のない病気で陽性とわかっても、自宅で静養するしかないのだ。新型コロナは単なる風邪であり、99%以上は自然治癒するのでPCR検査は必要ない。軽症患者が病院に押しかけると感染が拡大し、病院がパンクして肝心の重症患者への対応ができなくなる。


これが正しい。

新型コロナのデータが語ること

2020-02-24 09:37:23 | 社会
 厚労省は5日以降は、乗客に客室内で待機するよう指示して感染防止対策をとったことから、多くの乗客の感染は5日より前に出たと考えていた。国立感染症研究所も乗客の感染の拡大は5日より前に起き、7日をピークに発症者は減少していると説明。鈴木基・感染症疫学センター長は「隔離で感染拡大が抑えられた」としていた。
 厚労省は、こうしたことからウイルスの潜伏期間にあたる14日間の健康観察期間に症状がなければ「問題ない」として、19日からの乗客の下船を始めた。しかし、船内での検査で陰性で感染者との濃厚接触がなかった豪州人2人も帰国後に陽性が確認された。また、香港ではチャーター機で帰国した男性(68)の感染が確認された。日本では陰性だったが、香港で隔離中に体調不良を訴え、検査したところ陽性だったという。
 陰性だった下船者の感染が相次ぐ事態になれば、厚労省がとってきた対策の妥当性が揺らぐ事態になる。
 長崎大の安田二朗教授(ウイルス学)は、検疫官や船内で業務にあたっていた政府職員の感染が確認されていることから「船内で最初の感染者から他の人、さらにその先の人へと5日以降も感染が拡大していた可能性が高い」とみる。(朝日新聞デジタル)


感染症疫学センター長の「隔離で感染拡大が抑えられた」は誤りだと思います。SEIRモデルでシミュレーションしてみると、クルーズ船内の基本再生産数は武漢の2倍にしないと報告されている感染者数を説明できません。さらに、5日以降の基本再生産数を小さくしたら報告されている感染者数より小さい値になり、事実を説明できません。安田二朗教授は専門家としての裏付けがある発言でしょうが、素人でも、多少はモデルの意味を理解し数値計算する能力があれば、起こったことと、これから起こるであろうことを大まかに予測はできます。。
国立感染症研究所は「隔離したつもり」だったのですが、神戸大岩田教授から見れば、「隔離されていなかった」ということでしょう。岩田教授は「改善されたと聞いたから動画を削除した」旨、記者会見で言っていましたが、あくまでも「聞いたから」が削除の根拠と理解できます。
「7日をピークに発症者は減少」はWHOの日報と矛盾しますが、WHOへの報告が誤っているのでしょうか、理解できません。


注) これまで小ブログでは香港大学の論文と同じ2.68の基本再生産数を用いたシミュレーション結果で「感想」を述べてきましたが、回復するまでの期間が長いことから、そのパラメータを変更したところ、武漢の基本再生産数は外出制限する前で4にすると感染者数報告値と傾向が一致することがわかりました。Wikipediaでは1.4–6.6と幅を持たせています。落ち着いたところで図面などを示したいと考えています。

閉じ込めることが良くはないということをクルーズ船だけでなく、武漢のデータも物語っていると思います。たしかに、武漢(湖北省)を封鎖して、外出制限することにより、日ごとの発症者数は減っています。その一方で、China国内の死者のほとんどが湖北省で、WHO日報によれば昨日の段階でChina国内の致死率は3.17%です。China国外は1.07%、日本は0.76%です。

注) WHOは中共に忖度して、台湾・香港・マカオをChinaに含めていますが、小ブログはChina国外としています。また、WHOのようにダイアモンド・プリンセスは日本に含めていません。ほとんど「孤立系」だからです。

日本の今の段階では、COVID-19の扱いは通常のインフルエンザと同じにして、日本感染症学会と日本環境感染学会の発表している指針にもとづいて個々人が行動すればよいと思います。COVID-19で騒ぐことは、一万人が死亡するインフルエンザで騒がないことと矛盾しています。


世界は狭い

2020-02-22 19:58:39 | 社会
交通や情報ネットワークが発達した現在では、地球上の任意の二人は平均6弱のホップで誰とでも知り合いということなので、世界は狭い。
GDP世界第二位の国が震源地ともなれば、感染する範囲は大きいし、しかもSARS流行当時と比べて、Chinaに接続されている航空ネットワークは格段にスループットが増大しているから、SARS以上の感染になるのは頷ける。

 【ジュネーブ=杉野謙太郎】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は21日、中国国外で新型コロナウイルスの感染経路を明確に確認できない事例が増えていると指摘した上で、感染の拡大で「ウイルスを封じ込める機会が狭まっている」と懸念を示し、各国に一層の対応を求めた。
 テドロス氏は、ジュネーブでの記者会見で、中国への渡航歴がなかったり、他の感染者との接触がみられなかったりする事例が世界的に増えているとの見方を示した。感染の広がりについても、韓国では1日で感染者数が100人増え、イランでは「2日間で4人の死者が出た」と述べたほか、レバノンではイランから渡航した女性の感染が確認されたとし、「(相互に関連のない)ただの点なのか、(感染が)広がったものなのか、非常に気がかりだ」と危機感を語った。(読売新聞)


この事務局長、マラリアに関する研究で博士号を取得しているらしい。Chinaへの忖度だという意見が多いのだが、それにしても能力不足は否めない。
ウイルステロか、感染した「野味」がChinaから輸入されたのであれば「ただの点」に見えるのだろう。そうでなければ、人から人への感染であって線でつながっている。こういう発言や「市中感染」という表現は、庶民に不安を与えるだけでなく、感染防止に対するやる気のなさを表明しているとも捉えられる。
大騒ぎが一段落したら、責任を取って辞めろという話になるだろう。日本でも、政府の頭を変えろという話にもなるだろう。安倍さんも「くだらない国会」対応、消費税増税、COVID-2019対応で支持層が離れているから、そろそろ辞め時かもしれないね。