東京都におけるワクチン接種率と実効再生産数との関係

SARS-CoV-2に関してインフルエンザとそんなに変わらないし、ワクチンの長期的な影響もわからずに特例措置として接種が認められているので、特に、若い人が打つことには反対です。
そうではありますが、科学的観点からワクチン接種の効果はどのようなものか知っておく必要はあるのだろうと思います。
「第５波」が急激に収まった理由が知りたいというネット上の反応は大きいようです。「専門家」が数値を出さない(出せない?)ので、自分なりに複数要因の考えられる割合を先週示しました。ワクチン接種の効果はやはりあるようで、もう少し詳細に考察してみました。
東京都が公表している2回ワクチン接種者と実効再生産数の関係を以下に示します。期間はピークアウトする10日前の8月1日からです。



強い相関があることは明確です。先週の計算では実効再生産数がワクチン接種で9~12% point%削減としましたが、これとの整合性については今後の課題です。
ちょっと荷が重いかな。

ジョン・ロールズ「正義論」を読んで

遅ればせながら、二年半ほど前に購入した古本です。



その間、いろいろな本を読んでいたので、やっと読み終わりました。よく知られているように、ロールズの正義に関する原理は
1. "Each person is to have an equal right to the most extensive total system of equal basic liberties compatible with a similar system of liberty for all".
2. "Social and economic inequalities are to be arranged so that they are both:
(a) to the greatest benefit of the least advantaged, consistent with the just savings principle, and
(b) attached to offices and positions open to all under conditions of fair equality of opportunity."

1. 各人は、万人のための同様な自由のシステムと互換性のある、平等な基本的自由の最も広範な総合システムに対する平等な権利を有すること。
2. 社会的・経済的不平等は、以下のように調停されなければならない。
(a)公正な貯蓄の原則に沿って、最も不利な立場にある人々の最大の利益となるように。
(b)公平な機会均等の条件のもとで、すべての人に開かれた役職や地位に付随するものであること。
(Wikipedia日本語版の翻訳は不十分なので注意。)

「正義論」に対するその後の批判は多々あるようで、そこまでフォローできていません。
私自身も具体的に反論する能力はないのですが、「まあ言いたいことはわかるが、そうなのかね？」とロールズ信者にはなれそうもありません。
ノージックなどは、個人の能力の違いを制度によって矯正することは個人の権利を侵害すると反論しているようですが、私もそう思います。上記2(b)は必要ですが、(a)には納得できないということです。「最も不利な立場にある人々」に利益があれば良いと考えます。

なお、この古本の以前の所有者は私より一回り程度若い人で、所有されていたころに駒場の学生さんだったようです。(生協のレシートが挟まれていました。)

第６波は来るのか

将来を予測するためには、これまでの事象を説明できるモデルが必要になります。もっとも、将来の状況は時々刻々変わるので、正しく予測することはできません。
人流に変化がないのに第５波がピークアウトした原因がわからない、「専門家」に説明してもらいたいと世間では騒いでいるようです。あまり能力のない「専門家」に期待しても仕方ないので、まあこの位は素人でも考えるよね、というノリでSIRDモデル計算してみました。東京都が発表している数値に合うようにパラメータ調整しました。
結果は以下のようになります。



このパラメータ調整で推定できることは
・マスク、自主的な自粛などで第５波(デルタ株)の立ち上がり時点で、基本再生産数を74%削減できている。
・五輪などで自宅にこもるなどでさらに12 point%削減。
・ワクチン接種で9~12% point%削減。
・致死率は下がっている。(第５波では0.5%としています)

今月末に緊急事態宣言を解除して、ワクチン接種の効果が今と同じだ(74+12%削減)と仮定すると、このモデルでは来年2月末に第５波と同程度のピーク(第６波)が現れます。その後、何もしなくてもデルタ株は終息します。
ただし、ワクチン接種も進むでしょうし、世間が大変だと騒ぎ出しますから、ピーク値は下がって、さらに先送りになると考えられます。
何もせず放っておくのが一番です。その意味で、しかるべき時に第５類に下げておくのが政府としては賢明でしょう。世に阿っているのか、「コロナ脳」に感染してしまっているのか、下げる気配もないようですが。

新型コロナの起源をめぐって

日本のメディアでは報道されていませんが、科学誌”Scientific reports”に次の論文が掲載されています。
X. Xiang et al., Animal sales from Wuhan wet markets immediately prior to the COVID‑19 pandemic
https://doi.org/10.1038/s41598-021-91470-2

SARS-CoV-2は武漢の２ヶ所の海鮮市場にたどり着くとのことです。
これを取り上げた科学誌”Nature”には、研究所リーク説が覆されたなどとコメントする研究者も紹介されています。
でも、市場の先は辿れていないわけで、杜撰な研究所ですから、２ヶ所の海鮮市場にリークした可能性は否定できませんから、そういうコメントを出す研究者はたかが知れたもので、信頼されませんね。
中共はこんな論文を発表させるなど火消しに躍起のようですが、武漢研究所のデータベースを公開すれば無罪が証明されるのだから、それが一番早いはずです。でも、そうしないのは、やはり不都合な真実があるのでしょう。

政治家個人の事情

自民党総裁選がだいぶおもしろくなってきました。
安倍さんの子分で右寄りに見える高市さん、政治信条がよくわからない岸田さん、ネットでは人気だが何をやらかすか不安な河野さんに絞られたのか。一度裏切ったので厳しい石破さんはcasting voteねらいなのか。
それで、wikipediaで過去存在した「新党」に関係していた政治家を整理してみました。
時間軸で見ると

海江田万里さんが一番多くの政党に関わっているようです。そういう方なのでしょう。
自民党、公明党、社会党、共産党などは除きますが、マップにすると


河野太郎さんの父上は談話で有名で、太郎さんがどれほどその血を受け継いでいるのかわかりません。新自由クラブを立ち上げた方なので載せておきました。加藤官房長官もお義父さんをどの程度受け継いでいるのかわかりませんが、小沢さんに近い人だったということで載せておきました。
自民党の公認が得られずに「新党」から立候補した人も多いでしょうし、小沢さんなんか昔は新自由主義者と言われていましたが今では社会主義者然としていますから、現在の政治信条で分類したら違ったマップができるのかもしれません。ただ、ある程度は現在の政治信条も反映しているのではないかと想像しています。
こういう図を参照すると、誰が誰に相談したとかいう政治記事がわかりやすくなると思います。
(領域を書くのに苦労しました。いい加減にせいと言いたくなります。)