西洋哲学の流れを掴んでおかないことには始まらないので、敬愛するB. Russellの個性的な ”History of Western Philosophy”を何年かかけて読んでいます。その流れの中で少しは原著(と言っても翻訳本)に当たってみたりしています。近世の入り口に差し掛かったところです。遅ればせながらでもありますが、次のような最も代表的なものしか読んでいません。
・プラトン「国家」、岩波文庫
・アリストテレス「形而上学」、岩波文庫
プラトンのイデアや魂に関する考え方には賛意できませんが、民主主義などというのはダメで有徳な哲人政治が一番というのはもっともな主張だろうと感じます。現実には、そんな哲人はいないので、何とも情けない世の中ではあります。アリストテレスは何を言いたいのか凡人には理解できませんでした。
ギリシャ神話から脱線して読んでしまったのが
・吉田敦彦「日本人の女神信仰」、青土社
・大和岩雄「『古事記』成立の謎を探る」、大和書房
・溝口睦子「アマテラスの誕生」、岩波新書
ロシアのウクライナ侵攻というご時世で、少しは勉強しておこうと読んだのが
・黒川祐次「物語 ウクライナの歴史」、中公新書
ウクライナの歴史を概括した良書です。ウクライナのみならずユーラシアステップの古代史には昔から興味があったので、
・B. Cunliffe, “The Scythians”, Oxford Univ. Pr.
写真もきれいです。そうなるとゲノム解析に基づいたや人類の流れ、文明史も知っておきたいということで
・デイヴィド・ライク,「交雑する人類」、NHK出版
・デイヴィッド・アンソニー「馬・車輪・言語」、筑摩書房
無神論者の興味本として
・V. J. Stenger, “God: The failed hypothesis”, Prometheus Books
・N. Everitt, “The Non-existence of God”, Routledge
前者は「神の存在」が科学的に証明できないという(当たり前の)こと、後者は有神論者と無神論者の間の議論の歴史を詳細に紹介したものです。安倍晋三さんが暗殺され、ほとぼりが冷めていた旧統一教会のカルト商法や政治家との癒着があからさまになりましたが、「神なんか存在しない」と考えるのが平穏無事に暮らす秘訣だと改めて感じます。なお、上記の日本神話に関する本は、無神論の立場から、日本神話の怪しさや「神道」の胡散臭さが動機となって、安倍さん事件以前に読んだものです。
言語表現、さらには他言語への翻訳における限界ということは常々感じていて、言語の起源や言語に関する哲学は前々から気になっています。それで、
・ヘルダー「言語起源論」、講談社学術文庫
・エイアー「言語・真理・論理」、ちくま学芸文庫
・オースティン「知覚の言語―センスとセンシビリア」、勁草書房
ヘルダーは古いのでエビデンスに欠けます。エイアーのこの本は若いころの著作で気合が入りすぎ(勇み足もあり)、オースティンはエイアーの別の書を批判しているのですが、普通の英国人が使う英語から考察していて中庸です。
来年もこの流れで進むのでしょう。
・プラトン「国家」、岩波文庫
・アリストテレス「形而上学」、岩波文庫
プラトンのイデアや魂に関する考え方には賛意できませんが、民主主義などというのはダメで有徳な哲人政治が一番というのはもっともな主張だろうと感じます。現実には、そんな哲人はいないので、何とも情けない世の中ではあります。アリストテレスは何を言いたいのか凡人には理解できませんでした。
ギリシャ神話から脱線して読んでしまったのが
・吉田敦彦「日本人の女神信仰」、青土社
・大和岩雄「『古事記』成立の謎を探る」、大和書房
・溝口睦子「アマテラスの誕生」、岩波新書
ロシアのウクライナ侵攻というご時世で、少しは勉強しておこうと読んだのが
・黒川祐次「物語 ウクライナの歴史」、中公新書
ウクライナの歴史を概括した良書です。ウクライナのみならずユーラシアステップの古代史には昔から興味があったので、
・B. Cunliffe, “The Scythians”, Oxford Univ. Pr.
写真もきれいです。そうなるとゲノム解析に基づいたや人類の流れ、文明史も知っておきたいということで
・デイヴィド・ライク,「交雑する人類」、NHK出版
・デイヴィッド・アンソニー「馬・車輪・言語」、筑摩書房
無神論者の興味本として
・V. J. Stenger, “God: The failed hypothesis”, Prometheus Books
・N. Everitt, “The Non-existence of God”, Routledge
前者は「神の存在」が科学的に証明できないという(当たり前の)こと、後者は有神論者と無神論者の間の議論の歴史を詳細に紹介したものです。安倍晋三さんが暗殺され、ほとぼりが冷めていた旧統一教会のカルト商法や政治家との癒着があからさまになりましたが、「神なんか存在しない」と考えるのが平穏無事に暮らす秘訣だと改めて感じます。なお、上記の日本神話に関する本は、無神論の立場から、日本神話の怪しさや「神道」の胡散臭さが動機となって、安倍さん事件以前に読んだものです。
言語表現、さらには他言語への翻訳における限界ということは常々感じていて、言語の起源や言語に関する哲学は前々から気になっています。それで、
・ヘルダー「言語起源論」、講談社学術文庫
・エイアー「言語・真理・論理」、ちくま学芸文庫
・オースティン「知覚の言語―センスとセンシビリア」、勁草書房
ヘルダーは古いのでエビデンスに欠けます。エイアーのこの本は若いころの著作で気合が入りすぎ(勇み足もあり)、オースティンはエイアーの別の書を批判しているのですが、普通の英国人が使う英語から考察していて中庸です。
来年もこの流れで進むのでしょう。