スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

脳血管障害患者8時間待ち事件

2012-09-26 15:30:01 | 時事問題
医療問題、それも救急医療に中々かかれない問題は以前も書いたが、
医療機関
西部のヨーテボリで事件が発生した。スウェーデン英語誌、The localより。
http://www.thelocal.se/43454/20120926/
脳腫瘍の手術後で、脳脊髄液の圧力を調整する管(シャント)を入れていた患者さんが定期の受診でスウェーデン西部の病院を受診したのである。どうもその管のトラブルか何かであった様で(詳細は記事に記載されていない)、近隣の大学病院に救急車で紹介された。しかし救急車の中で容態が急変し、意識が落ちてきて呼吸もおかしくなってきてしまったのだ。元の病院に折り返し電話をするも、「患者さんの状況が悪いので向こうの大学病院での治療を」との返事。そしてその後どういう経緯があったか。。。はたまた記事には記載がないのだが、結局大学病院側の外科の医師が診療を開始したのは8時間後であったのである。患者さんは回復する事なく亡くなった。
日本でも救急の問題はクローズアップされているが、どの国も高度化した医療をスムーズに提供するのには問題が付きまとう様である。しかし日本の場合と違い、医師の勤務時間、休み時間が厳格に管理された状況で患者さんにこう言う事件が発生すると、確かにインド人ならずとも疑問を感じてはしまう。スウェーデン人がこの事件をどうとらえるのかは知らないが、少なくとも彼等が「医療満足度が高い」というアンケート結果を出すのであれば、彼等はこの状況をある程度「当然の事」として受け入れている事になる。「自分たちも休みを取りつつ働くのであるから、医師も休みを取りつつ働くのが当然の事である。たとえ自分たちが救急に受診できなくとも」という訳だ。各国の医療システムと言うのはその国民性、国民常識に基づいて設計されて行くものだ、と改めて感じる。
救急車スタッフシフト終了優先事件
河本準一生活保護受給問題のことその2
コメント
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