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スウェーデン生活+その後

2010-2013年スウェーデンに在住し帰国。雑記、鳥・植物の写真
*海外情報はその当時のもの。
*禁無断転載

1年を終えて

2012-12-31 22:20:15 | 考えてみたこと
1年が終わりつつある。周囲では年始を祝う花火の音があちこちで聞こえる。
日本のニュースを見ると中々に大変な一年であった様である。自民党が政権に戻って来年は頑張るのであろうが、どうやっても前途は多難に見える。日本では余り報じられてはいなかったが、既に今年、日本国内では老人用おむつの売上の方が幼児用おむつの売上を上回ったと言われており、今後どんどん社会の高齢化が進んでいくのだ。隣の超大国・中国の関係など、外交も難題を抱えている。
バブルの頃自分は社会人ではなかったので、自分はそれがどんな時代であったのか肌では知らない。職場の先輩達から断片的に洩れて来るエピソードを聞いて伺い知るだけである。正直、高度成長期やバブル全盛期の様に右肩上がりに全てが上昇していく時代はもう2度と日本には来ないのではないかと思う。生産人口の減少と高齢化による打撃をどれだけ最低限にとどめるかが重要なテーマになるのではないか。この環境の中で可能な仕事、社会に生かせる仕事を探して行かなくてはならない。仕事と言うのはすべからく「時宜にかなった時」実を結ぶものである。山崎豊子の作品の中に「好景気の時は好景気の波に乗り、不景気の時は不景気の波に乗れ」とかいう言葉があったのを思い出す。
ただ、それでもなお日本人は十分能力を持った国民であると思う。他国と比較すると国民性として勤勉である事、仕事が早くて正確な事、団結力がある事などは誇るべき事だとは思うのだ。良く日本のネットニュースなどで見かける「実はこんなに凄い日本の力!」などの特集記事は余り好きではないのだが(だいたいにおいて夜郎自大の臭いが強すぎる感がある)、少なくとも他国と比べて優れている点が幾つもある点は認めるべきである。苦しい時代であってもそれを切りぬけられるポテンシャルを持った国であると信じたい。
特徴というもの

最後に、こんな駄文ばかりのブログに1年お付き合い頂いた読者の皆様に感謝申し上げる。有難うございました。皆様に素晴らしい2013年が訪れます様に。

莫言氏のこと

2012-12-31 17:18:17 | 時事問題
ノーベル賞とくれば日本では山中教授一色の様であるが、こちらでは文学賞の莫言氏も大きな扱いであった。写真の様に本屋に行くと彼の本が山積みである。恥ずかしながらまだ彼の作品は読んだ事がないので、一回機会があったら読んでみたいところ。
ただまあこれは既に皆様ご存知とは思うが、この賞、色々な政治的背景のある賞でもあった様である。というのは当の中国人達にこの賞の事を尋ねると一様に黙り込んでしまうのである。受賞が決まった後に中国人4人くらいと一緒にランチを食べた際、「そう言えばノーベル賞中国人の作家が取ったんだね!」と話を振ったら一人だけ、「うん、中国でも大ニュースだよ」と返事。「有名な人なの?」と聞くと「うん、そうだよ」と同じ人が返事。残り3人は無言である。少なくとも先のロンドンオリンピックの時の興奮ぶりと比べるとえらい違いである。
オリンピックその3
今一つ手放しで喜べない顔の理由は正確には知る由もないが、確かに彼には批判もある様である。ヘルタ・ミュラー(Herta Mueller)氏はドイツ系住民としてルーマニアでの迫害生活を書き、政府の発禁処分を乗り越えて2009年にノーベル文学賞を受賞した人物であるが、「体制側の人物がノーベル賞を受賞した」と今回の受賞を非難している。日本語のウィキペディアもご覧あれ。
http://www.thelocal.se/44634/20121124/
Wikipedia「ヘルタ・ミュラー」


スウェーデン2012大ニュース

2012-12-31 17:05:34 | 時事問題
大みそかである。スウェーデン、今年1年何があっただろう。。。と降り返って。The localより。
http://www.thelocal.se/45222/20121221/
王室のエステル王女ご誕生、ユーロビジョンの優勝、サッカーのズラタン・イブラヒモビッチの活躍などなど。こうやって見ると随分と平和的な1年だったかも知れない。ただ最後のスウェーデン経済の急落はちょっと気になるところ。やはり欧州の不況の悪影響は避けられなかったようである。最近も2013年のGDP成長率予測が2.7%から1.1%に下方修正されたばかりである。
http://www.thelocal.se/45214/20121221/

中国の医師のこと

2012-12-30 23:45:27 | 日記
とある中国人と話をした。彼女は中国の医学生で、単位修得のためにこちらに留学することを選らんだのだと言う。自分は中国の医療事情はまったく持って知らない。実情はどうなのか?とちょっと聞いてみた。
中々に中国の医師も大変らしい。彼女によると最短で5.5年で臨床医になれるが、それでは給料が低くなってしまうのでそれに追加して修士号、更に博士号の習得を目指すらしい。この道を選ぶと臨床をしながら研究もしていく訳だが、最初の5.5年間と修士・博士を全部合計すると11年間になってしまうらしく、相当な年数を割かれる事になる様である。ただここで有力者の知故を得て置くのは後の就職に重要であるという。いわゆるコネである。これは日本の医学部にも医局制度があるので似たようなものかも知れない。
これだけでも大変であるが、彼女によると最大の問題は「そもそも臨床医が決してそこまで良い職業ではない」事だと言う。彼女の知り合いは既に臨床医として働いているが、月収は4000元(約5万2千円)、これは物価水準から行ってもあまり高収入とは言えないらしい。さらに問題なのが患者さんが医師を決して信頼しておらず、あからさまに不信感をむき出しにしたり、果ては罵ってくる患者さんもいるそうである。そもそも中国人が一般に病院にかかる場合、保険が発達していないので治療費の5割から7割を患者さんが負担することとなり、かなりの出費を余儀なくされるという問題があるそうである。ただでさえ就職難(これも大変な様である)の上、病気になった時にその収入を一気に取られたら怒りだすのも道理である。「治療費を受け取るのは病院で、私達医師は決してそんなに高収入ではないのに!」と彼女。自分が「日本では大体3割負担だよ」というと羨ましがっていた。また医師の仕事そのものも無茶苦茶なハードワークで、体を壊してしまう医師もいる様である。結果どうなるかと言うと「研究者になってしまう医師が結構いる」。すなわち生物系の研究者に鞍替えして、アメリカなどに渡って研究者として就職するケースが少なくないのだと言う。
彼女はどうするのか?というと、やはり研究の道を選べるなら選びたいという。国の事情も色々である。彼女の将来に幸せあれと願いたい。
スウェーデンの医師と話をしてみてその3

save the children

2012-12-30 22:35:04 | 日記
近くで発見したペットボトル・空き缶換金用のPANTマシーンの話。
ペットボトル・空き缶リサイクルその1
ペットボトル・空き缶リサイクルその2
ペットボトル・空き缶リサイクルその3
普通、PANTマシーンはボタンは一個だけで、缶を入れたあとそのボタンを押すとレシート様の紙が出て来て、その紙をレジに持って行くと代金に変えてくれるという仕組みなのだが、このマシーンは良く見るとボタンが2つ。一体何のボタン?と思うと、右の赤いほうのボタンはRädda barnen-knappenと書かれている。これを英訳するとsave the children button、要するにPANT代金を子供達に寄付します、という意味なのである。しかもご丁寧に左の緑のボタンは反応性が悪く、何回か押さないと紙が出て来てくれないのだ。中には緑ボタンを1・2回押して反応がなく、「あれ?間違った?」と思って赤いボタンを押してしまう人もいるかも知れない。いや、もちろん寄付そのものは素晴らしい行為だと思いますが。はい。


ローズヒップ・スープ

2012-12-30 19:36:18 | スウェーデンの食品
以前紹介した植物の実、ローズヒップの話。
ハマナス
もちろんハマナスの実もだが、バラ科の植物の実は大体ローズヒップらしい。
Wikipedia「ローズヒップ」
で、スウェーデンではこれが日常的にスープなどで食されるのである。ローズヒップはスウェーデン名をNypon(ニポン)と言う。日本と関係あるかどうかは知らない。他国ではお茶などにしてローズヒップティーとして飲むが、こちらスウェーデンではスープにもなる。Nyponsoppaと書かれた紙パックがズラリとスーパーマーケットの棚に並んでいたりすると壮観である。
Wikipedia「Rose hip soup」
で、ちょっと飲んでみた。かなり甘い。味はまずまず。ビタミンCが豊富らしく、「イギリスでは第二次大戦中にオレンジの輸入が止まった時にこれを採集して食べた」とウィキペディアにはあるのだが、それをこちらでは日常食として食べている、となるとちょっと何とも言えない気分になる。

老人ホーム問題その3

2012-12-30 15:54:37 | 時事問題
昨年からスウェーデンを震撼させたのが老人ホーム、カレーマ(Carema)のトラブルであるが、
老人ホーム問題
老人ホーム問題その2
どうもこの問題、解決したのかというとそうでも無いらしい。スウェーデン英語誌、The localより。
http://www.thelocal.se/45340/20121230/
ストックホルム近郊の老人ホームで発生したトラブル。95歳の女性がストックホルムの病院に担ぎこまれ、足を見てみると「傷口には黒い液体が見られ」さらにウジ虫が足先に湧いており、最終的に足の切断に到ったというもの。そしてカレーマの時に問題になった問題点もそっくりそのままである。人手が足りず十分に監視の目が行き届かない、患者さんがベッドから転落したり勝手に酒保に行ってしまっているのにスタッフは誰も気づいていなかった。。etc。
スウェーデンの介護システムにそこまで詳しくはないのだが、1)患者負担はほぼゼロ。公立私立の老人ホーム問わず患者さん側からお金を支払う必要はない。2)基本的には市がお金を負担する。もちろん原資は税金。3)ただどうもお金が潤沢に使える状況とはいえないらしく、現場ではコストカットが進められつつある--の3点はどうも確かの様である。また認知症の患者さんの身体拘束に非常に厳しいらしく、日本の老人病院の様に暴れる患者さんの手足を拘束したりすることが出来ない様である。そう言えば件のカレーマは今年の9月には認知症患者さんの口をテープでふさぐという事件も起こしていた。
http://www.thelocal.se/43326/20120919/
根本的な問題は「高齢者の数が増えている」という1点に尽きる。スウェーデンの高齢化率(65歳以上人口の割合)は18.5%であり、将来的にはこの数字は25%前後まで上昇すると見込まれているという。ウメオ(Umeå)大学の研究では、認知症の患者さんの数は今後5年から7年の間に今よりも40%増加するという。
http://www.thelocal.se/39078/20120213/
それにしても、である。高齢化率18.5%のスウェーデンでこういう問題が発生しているのである。しかもスウェーデンは子育て支援など、日本よりも明らかに進んでいるし、国家財政もはるかに健全である。現時点で高齢化率23.3%、将来的には40%に達する日本が一体どうなってしまうのか、考えて見るとちょっと怖いところ。
子ども手当のこと
ドイツと子育て支援と

新年とケバブピザ

2012-12-29 23:05:39 | 時事問題
以前も書いたスウェーデンオリジナルのB級グルメ、ケバブ・ピザの話。
ケバブ・ピザ
写真はストックホルムのクングスハーレン
クングスハーレンその1
のフードコートのメニュー。左下にケバブピザが見える。スウェーデン英語誌、The localより。
http://www.thelocal.se/45334/20121229/
記事によると確かに以前聞いた通り、これはスウェーデンオリジナルの料理であるが、イタリアとトルコの料理の混合の様である。ピザがスウェーデンに初めて入って来たのは1947年の事で、ピザ屋が普及し始めたのは1960年代。そしてケバブが普及した始めたのが1980年代。で、誰かがこの2つをミックスする事を考えついた訳である。スウェーデンのピザ宅配屋大手、オンライン・ピザ(Online Pizza)の受注データでは4年連続で首位なのだそうだ。理由は知らないのだが、どうも1月1日はピザ屋さんが大繁盛する日の様である。通常の2倍の売り上げが見込めるそうだ。来年の元旦もケバブピザがあちこちで飛ぶように売れる事であろう。
しかし何とも面白い取り合わせではある。記事の中にも「恐らくはイタリア人とトルコ人の双方を畏怖させる料理」と書いてあるのがちょっと笑えるところ。
Wikipedia「ケバブ」

中国の詐欺

2012-12-29 22:06:42 | 日記
詐欺の話。中国人の同僚に日本の「おれおれ詐欺」の話をしたら面白がっていた。中国でも詐欺の話は事欠かないようで、代表的なのはスーパーマーケットに並んでいる品物の包装紙の隙間に小さな紙片を差し込んで行くというものらしい。紙片には「あなたは弊社の××抽選に当選しました。つきましては商品を発送したいので、前金として●○元をこの口座に。。」と書いてある、というもの。普通に考えれば誰でも「おかしい」と思うが、有名ブランドの品だったりするとついつい信じてしまう人が出て来てしまうらしい。そして何と言ってもそこは中国、人口の母集団が大きいのである。「ついつい信じてしまう人」が例え人口の1%だとしても、全部引っ掛かれば凄まじい金額になる訳である。詐欺が「下手な鉄砲数うちゃ当たる」式なのはどこの国でも同じ様である。

郵便バイクその2

2012-12-29 20:41:57 | 日記
大分昔に紹介した郵便バイクの事。
郵便バイク
アパートの前で停車しているところを発見した。見ての通り前輪が2輪、後輪が1輪である。アイスバーンの中でもこれなら転倒はしないで済みそうだ。しかし中々馬力があると見え、雪だらけの中でも頑張ってあちこち配達に回っている。最も地方の方に行くと、雪が余りに酷い場所では配達に遅れが出て来てしまっているらしいが。。。