飲み会で若い人と話して。最近は若手が「タイパ」というものを重視する時代になったという。「タイムパフォーマンス」の略で、「どれだけ効率よく時間を使って知識や経験を得られるか」ということらしい。職場を選ぶときも同様で「どれだけ効率よく自分が成長できる職場か」ということをまず第一に考えるという。それはそれで素晴らしいし、また「効率の悪い職場、問題のある職場」を淘汰する意味では重要でもある。SNSなどを通じた情報は、かなり詳細であったりもするので、今は事前にかなりのところにまで調べることが出来るらしい。しかしそんなに「理想的な職場だけを渡り歩く」というのは望ましいことなのだろうか?
2つの点を指摘しておきたい。まず「理想的な職場だけを渡り歩く」のはそもそも不可能であること。どれほど事前の情報収集が完璧であろうとも、職場に入った後でトラブルが発生して職場が崩壊していくことはしばしばあるし、またSNSに書き込んだ人間と自分が同じ感性を持っているとは限らない。2つ目は「理想的とは言えない職場からも学ぶことはある」ということ。これは自分の年になると特に実感する。管理職と呼ばれる年齢になると、ものを判断するとき「かつての組織で成功していたこと」と同じくらい、あるいはそれ以上に「かつての組織が経験した手痛い失敗、悲惨な体験」というものが経験として下敷きになっていたりする。なので「悪い」「最悪」とされる職場にわざわざ就職する必要はないが、少なくとも「普通」程度の職場であるなら、そこで頑張ってみるのも一策ですよ、とは言ってあげたい。人生、色々な体験をした方が経験に深みが出たりするものである。先に挙げた中日の立浪和義監督と日本ハムの新庄剛志監督の差は、「どれだけ理想的な職場に長くいたか」ではなく、「良い事悪い事ひっくるめて、どれだけ多様な体験をしてきたか」ではなかったかと思う。MLBやマイナーリーグなど、多様な環境でプレーした経験のある新庄監督の方が「引き出し」が多かった印象である。ちなみにその後のことを書くと、立浪監督は監督3年目の2024年も最下位となり、中日球団史上初の3年連続最下位となって無念の退任、一方の新庄監督は日本ハムの監督3年目にして初のAクラス、2位に駆け上がり、来年の契約延長を勝ち取っている。
悪い人と
立浪和義監督のこと
新庄剛志監督のこと
2つの点を指摘しておきたい。まず「理想的な職場だけを渡り歩く」のはそもそも不可能であること。どれほど事前の情報収集が完璧であろうとも、職場に入った後でトラブルが発生して職場が崩壊していくことはしばしばあるし、またSNSに書き込んだ人間と自分が同じ感性を持っているとは限らない。2つ目は「理想的とは言えない職場からも学ぶことはある」ということ。これは自分の年になると特に実感する。管理職と呼ばれる年齢になると、ものを判断するとき「かつての組織で成功していたこと」と同じくらい、あるいはそれ以上に「かつての組織が経験した手痛い失敗、悲惨な体験」というものが経験として下敷きになっていたりする。なので「悪い」「最悪」とされる職場にわざわざ就職する必要はないが、少なくとも「普通」程度の職場であるなら、そこで頑張ってみるのも一策ですよ、とは言ってあげたい。人生、色々な体験をした方が経験に深みが出たりするものである。先に挙げた中日の立浪和義監督と日本ハムの新庄剛志監督の差は、「どれだけ理想的な職場に長くいたか」ではなく、「良い事悪い事ひっくるめて、どれだけ多様な体験をしてきたか」ではなかったかと思う。MLBやマイナーリーグなど、多様な環境でプレーした経験のある新庄監督の方が「引き出し」が多かった印象である。ちなみにその後のことを書くと、立浪監督は監督3年目の2024年も最下位となり、中日球団史上初の3年連続最下位となって無念の退任、一方の新庄監督は日本ハムの監督3年目にして初のAクラス、2位に駆け上がり、来年の契約延長を勝ち取っている。
悪い人と
立浪和義監督のこと
新庄剛志監督のこと