スウェーデンの医師と話をしてみてその5

そしてスウェーデンの医療で特徴的なのが以前も紹介した統計好きである。
スウェーデン癌統計
この統計のファイルを見て頂ければ分かると思うが、疾患について県別のデータを出している事が多い。今回は糖尿病での統計をSvenska Diabetesförbundet(Swedish Diabetes Association)が冊子にして出しているのをお持ちだったのでそれを見せて貰ったが、県別の患者さんのコントロール状況、合併症の状況などを集計してあった。さらにそれに留まらず、病院別のコントロール状況、それが前年度に比べて改善傾向か悪化傾向かまで集計されている。なお、「こういうデータによって何か病院にペナルティが課せられたりするのですか？」とも聞いてみたが、そういうことは無いようだ。
また、このデータは医療費の抑制にも使用されるそうだ。例えばある地域で特定の薬の使用が増えている場合、政府機関から通達が来てその理由をチェックされる、ということも起きるらしい。何だか良い様な悪い様なである。実際医療費の抑制はかなり現在のスウェーデンの医療界では重要なテーマになって来ているらしく、この医師も何か説明するたびに「これは経済的な理由が。。。」というセリフを連発していた。スウェーデンの医療も色々問題を抱えているのは間違いないようだ。
ちょっとした話であったが、スウェーデンの医療の状況が垣間見れて楽しかった。また色々な人に話を聞ければ良いと思う。