おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ふと、思いました

2019年06月08日 | 重力奏法
生徒さんのレッスンをしていてよく思うことがあります。

音と音の間を聴いている生徒と聴いていない生徒がいると。
これは習っている期間が短い長いに関係なく存在します。

このメソッドで初めから習っている生徒さんは聴いている場合が多いです。
特に「不思議な音の国」を使っている生徒さん。

今日レッスンをしていて思ったのは、バッハをやる必要性です。

私は記憶によると少なくとも30年間は毎日バッハを弾いてきました。
常にバッハは共にいました。好きだったので弾くことが当たり前でした。

昔々の話ですが、ヤマハの幼児科を修了する時に自力で弾く課題がありました。
先生があれこれ教えるのではなく自分の力で1曲弾けるようにする課題です。

3曲の中から好きなものを選ぶというものでした。
全て4小節の曲でした。

ハ長調、ヘ長調、ト長調の曲だと記憶しています。
その中のト長調が一番難しくアルベルティバスの伴奏でした。その曲を選んだ人が多かったです。

しかし私が選んだのはハ長調の一番易しそうな曲でした。
迷うことなくそれを選びました。
なぜならバッハぽかったから。
バスが「ドーシー」とメロディーに反行して下行していくところにしびれたのです。
今でもその曲は覚えています。

バッハは長い音を伸ばしている間に他の声部が動きます。それが2声、3声、4声と重なります。
動く音を追うだけではなく伸びている音を意識的に聴く頻度が他の作曲家の作品より多いと思います。

この経験が伸びている音を聴く細胞を作ると言うか・・

趣味でピアノを弾いている大人の生徒さんで同じくバッハ好きな方がいます。
平均律はほぼ制覇しています。

その生徒さん、なめらかなレガートや響きの良い音に課題はあるのですが、音と音の間は常に聴いていらっしゃいます。
打鍵して終わりという音はまず出しません。

ところが本格的な曲が弾ける生徒さんでも音を出したら終わりという方は珍しくありません。
この差は何だろうと思っていました。

伸びている音を聴く習慣がつかない。
不思議でしたがもしかしてその細胞が形成されていないのかなと。

ロシアやその周辺国の子供たちは必ずバッハをたくさん弾いています。
各声部を歌わせるテクニックは聴く細胞を形成することからですかね。

バッハは全ての基礎と改めて思いました。
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絶対にあきらめてはいけません、ですが・・

2019年06月07日 | 重力奏法
イリーナ先生の「絶対にあきらめてはいけません」の言葉を日々自分に言い聞かせてきましたが、「あきらめる」の対象を考え直す必要があるかなと、このところ思います。

昨年4月から全員の奏法をやり直しています。
テキストを「不思議」に替えられる生徒はかえました。
中級や上級の生徒はテキストを変えずにしています。

この中で1年2カ月経っても全く音が変わらない生徒が1人います。
このメソッドを始める前からその音には気力も体力も消耗していました。

この状態から脱することができるならと彼女にも音の出し方からやりました。
その1回目のレッスンも2回目のレッスンもため息をつかれました。

ため息をついた生徒は他にもおります。
しかし、時間はかかりましたが少しずつ良くなっています。レッスンの初めから良い音では弾けませんが直していくと変わっていきます。

ところがこの生徒だけはやってもやっても変わらないのです。

もう限界だろうと今週初めて思いました。

やろうとしてできないのであれば、私はやはり「あきらめない」

しかし彼女に対しては初めて「あきらめよう」と思ったのでした。
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長調と短調

2019年06月06日 | グネーシンソルフェージュ
短2度と長2度を「まるはなばち」と「蝶々」の歌ですることにしたもので、以前作ったこちらを変更することにしました。


グネーシンで初めにこの階段にいる生き物を見た時に、蝶はわかったのですが半音のところにいる生き物が良くわかりませんでした。

羽を閉じた蝶かと思いましたがどうやら蜂と判明しました。
歌と同じ生き物にしているのです。
(訂正:蜂ではなく蚊だそうです)

なのでこのようにしました。




歌はこちら。


絵は「不思議」にあるものを使いました。

音程の特性を感じ取ってもらうものです。
これが長調、短調から調性へとつながっていきます。

グネーシンの動画です。
Evgenia Oskolova's Music Theory open lesson № 3

6'20"辺りから階段やハンドサインが始まります。

小1の男の子に「まるはなばち」をやりましたら、あまり乗り気ではなさそうにしていました。
色々な音から弾き始めて暗い音程を作るのです。
探しながら弾いてはいました。

面白くなかったのかなと思いながらレッスンを終えました。
レッスン室を出ると「まるはなばちがとんでいる」と歌いながら帰って行きました。

この歌、耳に残るのです。
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やっと試せました

2019年06月05日 | グネーシンソルフェージュ
音程の特性を選曲に迷っていてなかなか始められずにおりました。

はじめの一歩から選んだり不思議にしたり準備はしていたのですが、何か使いにくさを感じ始められませんでした。

結局、グネーシンのまま始めてみましたらやりやすかったです。
初めは短2度、長2度、短調、長調をセットでやる必要があります。

「不思議」下巻を使っていらっしゃる先生はご存知ですが、「ファ」から始まる”あかいゼリー、あおいゼリー”を「ソ」から書きましょう、というページがあります。

「FFE,DDC」を「GGFis,EED」にしなければいけないのですが「GGF,EED」と書く生徒さんがいると思います。

FEの短2度の暗さや、GFの長2度の明るさに気付かないと「ソ」からただ始めてしまい同じ曲にならないのです。

隣同士の2つの音でも暗い、明るいがあることを知ってもらうチャンスです。

あれこれ説明しても子供はわかりません。しかし感覚的に捉える能力は小さい子供にはあります。

ここで説明もなしにこの歌を歌います。

「まるはなばちがとんでいる♪」
そして歌いながら色々な音で弾くのを聴いてもらいます。
次に生徒に弾いてもらいます。

初めは暗い音になりません。
そこで次の曲「ちょうちょう、あそびましょう♪」を歌います。
隣同士が明るいことがわかります。

これで5分位です。

はじめの一歩1の重音のページに「ネコはごろごろ」という曲があります。
これは「不思議」では「バンブルビー」です。

既にバンブルビーで長調、短調でハンドサインを付けて歌っていた生徒が今日この「ネコは~」をやりました。
この曲知ってる!と言うので「ネコ」を短調でも弾きました。

「まるはなばちがとんでいる」もあちこちで弾きました。

音楽には表と裏がある。明るい-暗い、嬉しい-悲しい、楽しい-寂しいなどど話しておりましたら、「学校の音楽室にそういうの貼ってある」と。

へ?学校でそんな事書いてくれてるの?

うん、色に分けて絵も描いてそういう言葉書いてある

おー!そんな音楽の先生が小学校にいらっしゃるとは。
本物の音楽の先生です。

ピアノの先生、負けてられません!
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どの道を進むか

2019年06月03日 | 重力奏法
ロシアンメソッドの世界ではどの流派かということが大事にされるようで。

どなたに習ったのですか?

私に関しては、どなたにも習っていません。
独学です。

一番わかりやすかったのがイリーナ・ゴリン先生のレッスン動画です。
子供がやることを生徒と一緒にやりながら覚えて行ったと言っても良いです。

もちろん生徒よりも先に自分の曲で試して音を見つけていきました。
今でも探し中です。
教えていただければ速いのかもしれませんがまだ自分で見つけられそうな気がしています。(幻想かもしれませんが・・)

色々試しているうちに20年間師事していた先生に教えていただいていたことだと気付きました。
気付くのに35年かかりました・・

私がしていることは誰にでもできる町の先生レベルです。

伝統を受け継ぐものではありません。

私程度でも耐えがたい音や音楽から相当解放されました。

伝統を受け継ぐ正統派は最も理想とするところです。
ただ、生徒さんを選ぶ必要があります。それを受け継げるだけの素質と家庭環境が必要です。

私が目指しているのはそこではありません。
生徒さんを選ばずに、日本で主流となっているヨーロッパでは少なくとも50年前に凍結された2流と言われているメソッドを変えていきたいだけです。

それによって演奏する曲も内容の良いものに変わっていくはずです。
かわいい文化がはびこる日本ですがいつまでもこれで良いとは思いません。
成熟した文化に変わってほしいと思います。

町の先生程度でもこのメソッドは根気が要ります。
美しい音を聴き分ける、音の性質を聴き分ける耳が育たない限りは徒労に終わります。

いつまで辛抱強く付き合えるか。

これを書いていても思い出します。
イリーナ先生の言葉。

「絶対にあきらめてはいけません」

イリーナ先生のテキストは元々このメソッドがない国の子供たち用に作られたものです。
名門学校の生徒さんのためではなく一般の生徒さんのためのものです。
このテキストが素晴らしいのはメソッドのためだけではなく、相手の気持ちを察する、思いやるといったことが描かれているからです。

このようなテキストを私は知りません。
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聴いていただけましたか?ガヴリリュク!

2019年06月02日 | コンサート情報
今週はEテレの「クラシック音楽館」でガヴリリュクの演奏が聴けることを励みに1週間頑張りました。

金曜日に既にヘトヘトでしたので、土曜日は「明日はガヴリリュクが聴ける!」日曜日は「今日の夜だ!ガヴリリュク!」と思い出すたびに奮起し、自分を頑張らせることができました。

いよいよ放送です。
ガヴリリュクの紹介は何もなく始まった気がしますが、無事に抜かりなく録画できるかが私の最大ミッションで。準備OK!

いきなり、冒頭から心をわしづかみにされました。
ガヴ殿にはこのようなエネルギーがあるのです。

頭で考えてこうだから素晴らしいなどどいうことを一気に飛び越えて、直に魂に響くというか・・

さて、ガヴ殿をご存知でない視聴者の方が多かったのか私のこんなブログでもガヴ殿関連の記事を放送中から演奏後にかけて見つけて下さった方々がいらっしゃり、ガヴ殿関連だけで1時間足らずで閲覧数280を超えていました。

はは

このブログ始まって以来の新記録です・・

オケの方たちもいつになく長く拍手していらっしゃいました。
あ~、生で聴きたかった・・

でも、ガヴ殿のおかげで1週間頑張れました。
Спасибо большое!

追記:
4時間くらい経って見ると、ガヴ殿関連の閲覧数が358pv。
皆さん、相当ガヴリリュクが気になられたようで、う・うれしい。
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絵が表わすもの

2019年06月01日 | 楽譜の話題
ロシアの「初めての音楽との出会い」
この中の「夜」という曲を弾いている生徒がいます。

こんな挿絵です。


この絵を見てその生徒は真っ先に「お父さんがいない」と言いました。
この曲の解説は翻訳アプリではうまく訳せておりません。東洋的な旋律というのはわかりました。アルメニアの民謡です。

さてこの絵に見られるのは大きな月。怯える子供と母親らしき女性。
曲には短いスラーが目立ちます。
2音のスラーと4音にかかる1小節ずつのスラー。

それをこの生徒は完全に無視して好きなだけつなげて弾いていました。
不思議を使っていない生徒です。フレーズを表わす長いスラーに慣れているので、こういう所に違いが現れます。

以前の私でしたら「スラーどんなふうに書いてある?」などと言ってスラーの初めと終わりの弾き方をやるくらいでした。
しかしその方法ではただ弾くだけと大差ありません。
これでは、いかんいかんと自分に言い聞かせ、

月が出ているけれどきっと真っ暗な道を歩いているのだろうと話しました。
だからどんどん歩けない。ただの石ころでも何かいる!と思って怖くて前に進めない。
だからこの曲のスラーは短いのではないかと話しました。
こんな話でも生徒はこの曲のスラーに注目します。

来週のレッスンでこの事を忘れていなければよいのですが・・
いつもそれが問題・・

思うように進まないのがレッスンです。
思った以上のことが起こるのもレッスンです・・
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