おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ピーター・ゼルキンさん

2020年02月02日 | コンサート情報
なんて悲しいことでしょう。

1週間ほど前にこちらの動画を見ておりました。

シューマンって心の優しい人だなとピーター・ゼルキンさんの演奏を聴いてしみじみ思っておりました。

あまり聴いてこなかったピアニストなのですが、この演奏を聴いて良い演奏家だなと思いました。

そのピーターさんが昨日お亡くなりになったそうです。

私はお父様のルドルフ・ゼルキンさんが好きで、高校生の時にたまたま見たベートーヴェンの皇帝の演奏が今も忘れられないのです。

昔は日曜日の夜遅くに教育テレビでクラシックの番組が放送されていました。
いつも最初だけ見て、興味のない曲だと見てはおりませんでした。

その時も「なんだ、コンチェルトか。ベートーヴェンの皇帝?どんな曲かあまり知らないな」と、当時はロマン派なら聴くけど・・と興味が偏っておりましたので、さほど聴く気はなかったのです。

ところが、始まったとたん釘付けでした・・
もう何が凄いのかわかりませんでしたが、身動きもできないくらい聴き入ってしまい、演奏が終わると拍手せずにはいられず、夜も遅く家族は皆就寝していたので、大きな音にならないようにもの凄い拍手をゼルキンさんに送っていました。

翌日、驚いたことに、高校のクラスメイトでクィーンが好きでクラシック音楽には全く興味がないという子が「昨日のピアノの演奏は凄かった。あれはホントに良かった」と言うので、番組を見たことにも驚きましたが、その演奏が凄いと感じたことにも驚きました。

どれだけゼルキンさんの演奏に惹きつけるものがあったかです。

ルドルフ・ゼルキンさんのあのひたむきな集中力、ただただ音楽に向き合っていたあの姿が今も忘れられません。
私の中ではあの演奏が今も一番心に残っている演奏です。

生で聴きたいと思っておりましたが、やっとのことで買えたチケットはご自宅前での転倒でキャンセルになり、その後まもなく亡くなりました。

そして、息子さんも天国に。

息子さんがまだゼルキンさんと現世をつないでいて下さっていた感覚だったので、本当に遠くにいってしまった気がします・・

合掌

Schumann: Waldszenen, Op. 82 | Peter Serkin
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