おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

インヴェンションNo.1 版による指使いの比較(Edition vol.9)

2020年01月08日 | エディション研究
原典版、実用版の指使いを比べてみたいと思います。

最初の所を少しだけ。3小節目をご覧ください。

ベーレンライター(2005年)↓

ヘンレ(1979年)↓

ウィーン原典版(2007年)↓

園田さん↓

ランツホッフ↓


【3小節目】
㋑ベーレンライター、ヘンレ、井口さん、園田さん、ツェルニー、ブゾーニ
㋺ウィーン原典版
㋩ランツホッフ

一番滑らかに弾けるのは㋑グループです。

㋺は意識して歌えると思います。4拍目の「C」で「2」を使うことによりそのあと「5」の指を使うことになります。㋑はスイスイ弾けてしまうので、それを避けたければこのパターンかもしれません。

㋩はモチーフに合わせた指使いです。ランツホッフはこのような視点でフィンガーリングを考えているように思います。

個人的な意見ですが、子供たちにバッハを使うとしたら実用版の方が音楽をつかめるので良いと思います。
ただし、他の実用版を底本とした実用版ではいけません。
原典版を底本としたものに校訂者の解釈が加わったもの。校訂者は明記されていなければなりません。

日本のものでしたら園田さんが校訂したものが良いかもしれません。
私は長くランツホッフを使ってきました。

一人でもう少しやってこられる楽譜の方が良いと思い、市田儀一郎さんのものにした時期があります。しかし、テーマを書いて下さっているので、自分で見つける楽しみが奪われると思い、そのあとインヴェンションを弾かせたい生徒もいなく、どの版にするか考えることもしなくなっていました。

今回、園田さん校訂の版に興味を持ちましたので、全曲弾いてみて良さそうでしたら使いたいと思います。

園田さんで思い出しました。学生の頃、ステージの上で園田さんの平均律Ⅰ全曲の演奏を聴いたことがあります。
授業が終わってからダッシュでホールに行きましたら満席で、園田さんがステージに客席を作ってよいと仰るので近くで聴かせていただきました。
学生たちにとって平均律は常に弾いているバイブルのようなものでしたので、皆詰めかけたのでした。
楽譜を見ながら弾いていらっしゃいましたが、平均律全曲を生で演奏できる人がいるのかとあの頃は驚嘆しました。

おまけ
インヴェンションNo.13と平均律Ⅰ No.1プレリュードの初稿です。
W F Bachのためのクラヴィーア小曲集

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